「ラーメン」でドキドキ!? ヒョプ様出演『偶然かな。』にも登場する韓国の胸キュンセリフって?【韓国ドラマ 心に刺さる、あのセリフ vol.3】

人気韓国ドラマのセリフやタイトルに注目し、ドラマ鑑賞がもっと楽しくなる豆知識をご紹介。今回ピックアップするのは、韓国ドラマでよく耳にする「ラーメン食べていく?」というフレーズ。この何気ないひと言が、なぜ人々をときめかせるのか、チェ・ジョンヒョプ主演『偶然かな。』(2024)を参考に深堀りします。
偶然かな。 チェ・ジョンヒョプ
『偶然かな。』ディズニープラス スターにて見放題配信中/ (c) IOKCOMPANY Co.,Ltd.
私たちの日常をときめきや感動で彩ってくれる韓国ドラマ。昨今の韓国ブームによって「表情管理」「花道だけ歩こう」のように、韓国由来の表現が日本でも少しずつ浸透してきて、注釈なしでも伝わる言葉が増えています。外国語に触れる楽しさや、知識・視点が増える喜びを感じられるのも海外エンタメの魅力のひとつですよね。

この連載では、韓国ドラマのセリフやタイトルに注目し、ドラマ鑑賞がもっと楽しくなる豆知識をご紹介。韓国語能力試験(TOPIK)の最上級である6級を取得したライターが独自の視点からお届けします。

『偶然かな。』

韓国ドラマで一度は耳にしたことがある「ラーメン食べていく?」というセリフ。胸キュンな展開を予想させるシーンで用いられることが多いですが、なぜ「ラーメン」が人々をドキドキさせるのでしょうか。今回は、ヒョプ様ことチェ・ジョンヒョプが出演した『偶然かな。』から、このフレーズに隠された意味を紐解きます。

あらすじ

アメリカ本社所属のファイナンシャルプランナーのカン・フヨン(チェ・ジョンヒョプ)は、頭脳明晰かつ端正なルックスで、最善を尽くさなくても簡単に成功を手に入れ、仕事に恋愛に順風満帆な生活を送っていた。出張のため10年ぶりに韓国に帰国したフヨンは、高校の同級生で初恋の相手であるイ・ホンジュ(キム・ソヒョン)と偶然の再会を果たし、あの頃の感情が少しずつ呼び起こされていく。

このフレーズに注目!

「라면 먹고 갈래?」(ラーメン食べていく?)

偶然かな。 チェ・ジョンヒョプ キム・ソヒョン
『偶然かな。』ディズニープラス スターにて見放題配信中/ (c) IOKCOMPANY Co.,Ltd.
まずは、ドラマの紹介を。初恋の相手との10年ぶりの再会は、果たして偶然なのか、運命なのか。再び一緒に過ごす中でいつしか忘れていた初恋の記憶がよみがえり、新たなロマンスを紡いでいくラブストーリーです。

主人公のエリート男子、フヨンを演じるのは、『Eye Love You』(TBS系)で日本の視聴者をとりこにしたチェ・ジョンヒョプ。クリーン度100%な爽やかさはそのままに、本作では、なんでも完ぺきにこなしてしまうがゆえに少し傲慢なところもあるクール男子に変身。チェ・ジョンヒョプと聞いて思い浮かべる、人懐っこい好青年のイメージとのギャップが新鮮で、ホンジュにだけ見せる甘い笑顔や照れた表情など、ツンデレなヒョプ様がこれまたよろしいのです。また、高校生から29歳までを自ら演じており、ヒョプ様の愛らしい制服姿も見どころとなっています。
偶然かな。 チェ・ジョンヒョプ
『偶然かな。』ディズニープラス スターにて見放題配信中/ (c) IOKCOMPANY Co.,Ltd.
ネタバレいたしますと、気持ちを伝えることもできないまま終わってしまったフヨンの初恋は、10年の時を経て無事にハッピーエンドを迎えます。2人は気持ちを確かめ合い、フヨンがホンジュを家まで送ることに。家に到着するも、まだフヨンと一緒にいたいホンジュが発した一言が、今回のテーマである「라면 먹고 갈래?(ラーメン食べていく?)」です。

ここまでくるとピンと来ますよね。「라면 먹고 갈래?(ラーメン食べていく?)」には、恋愛において「家に上がっていく?」「泊まっていく?」といったお誘いの意味が含まれているんです。
偶然かな。 キム・ソヒョン
『偶然かな。』ディズニープラス スターにて見放題配信中/ (c) IOKCOMPANY Co.,Ltd.

そんなホンジュの誘いに「うん」とうれしそうに答えるフヨン。この後のシーンで「本当に食べるだけだからね!」とぎこちなくなってしまうホンジュに対して、フヨンが「ほかに何をするんだ? 違うなら誘うな、期待するから」と言うのですが、「라면 먹고 갈래?(ラーメン食べていく?)」の意味を知ると、一連のやり取りのかわいさにキュンとなるはず。そして、視聴者の期待通り(?)、バランスを崩して床に倒れてキスするというロマンチックな展開へと続きます。

偶然かな。 チェ・ジョンヒョプ キム・ソヒョン
『偶然かな。』ディズニープラス スターにて見放題配信中/ (c) IOKCOMPANY Co.,Ltd.

国民的胸キュンフレーズはこうして生まれた

「라면 먹고 갈래?(ラーメン食べていく?)」は、『愛の不時着』『それでも僕らは走り続ける』『キム秘書はいったい、なぜ?』『太陽の末裔 Love Under The Sun』など、数えきれないほど多くの恋愛系ドラマで使われてきました。ドキドキを倍増させたり、コミカルに描かれたり、タメ口だったり、敬語だったりと、シチュエーションはさまざまですが、多くの場合において、冗談ぽさを含んだ女性からのかわいいお誘いというイメージです。

このフレーズは映画『春の日は過ゆく』(2001)から生まれたもので、もとのセリフは「 라면 먹을래요?(ラーメン食べますか?)」でした。劇中、イ・ヨンエ演じるヒロインが、ユ・ジテ演じる主人公に「ラーメン食べますか?」と提案し、その後「泊まっていきますか?」と、よりストレートに誘います。それがドラマやバラエティ番組でオマージュされるようになり、現在の「라면 먹고 갈래?(ラーメン食べていく?)」になりました。

韓国ドラマを代表する名セリフとなったこの言葉、実はアドリブだったと言います。イ・ヨンエは、韓国のトーク番組で同作がオリジナルであることを認め、「監督が現場で話したことを台本に反映するスタイルだったので、現場で生まれたアドリブが多かった」と話しています。

ラーメンではない別の食べ物だったら? と想像してみましたが、皆さんもご存知の通り、インスタントラーメンは国民食と言われるほど、韓国の人にとってなじみの深い食べ物。イ・ヨンエは「これほど長い間話題になるなら、もっと違う表現で、もっと上手にできたかも」とも語っていましたが、20年以上経った現在もドキッとするときめきを引き起こせるのは、いつの時代もどの世代にも愛されるラーメンだからなのでしょう。
轟 友貴

轟 友貴

K-POPアイドル、俳優にインタビューを行うフリーランスライター。学生時代からライターとして活動、韓国在住経験もあり。TOPIK6級取得。
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