オルビス株式会社 代表取締役社長 山口裕絵さん「毎日のケアがここちよくできれば、目線が上がる。明日と未来に向け、人生への解像度を高めたい」【エクラ トップリーダーズvol.09】

肌は自分を映す鏡。そして、一生をかけて育んでいくもの。化粧品に携わることで、今を生きる人の日々と人生、その伴走者であろうと、’25年に誕生した新しいリーダー、オルビス株式会社 代表取締役社長 山口裕絵(ひろえ)さん。不安も悩みも、自らの言葉で語り、分け合いながら、年齢を重ねていくことを、確かな喜びに変えつつある。

オルビス株式会社 代表取締役社長
山口裕絵さん

オルビス株式会社 代表取締役社長 山口裕絵さん

「化粧品は『何を』より『どう』使うか」と山口さん。東京・表参道の「SKINCARE LOUNGE BY ORBIS」では注目の商品を体験できる

profile

’99 中央大学法学部卒業後、株式会社ポーラ化粧品本舗(現・株式会社ポーラ)に入社。宣伝部に配属。
’12 商品企画部に異動。日本初のシワ改善薬用化粧品「リンクルショット」の商品企画開発を手がけ、のちにブランドマネージャーを務める。
’17 商品企画部長に就任。
’18 執行役員、商品・宣伝・デザイン担当商品企画部部長を兼務。
’21 株式会社DECENCIA代表取締役社長に就任。
’25 1月より現職。株式会社ポーラ・オルビスホールディングス上席執行役員を兼任。

対話しながら、導く。リーダー像も自分らしく

「リーダーの仕事は、もちろん“決める”こと。でも、決断するときも、そのあとでも、『こんなに思い悩むものなんだ』というのが、正直な実感です」

社長就任からの1年を振り返り、山口裕絵さんは素直に語った。好きを仕事にしたいという気持ちひとつで化粧品業界に入り、26年。商品開発を手がけたポーラでは、美容の先進技術を搭載した高性能の新商品を数々ヒットさせ、’21年から社長として率いた敏感肌用ブランド、ディセンシアでは、肌に悩みを抱える顧客のニーズに寄り添った。そうして任されたオルビスは、創業からまもなく40年を迎えようとしており、10代から70代まで約200万人の愛用者を抱えるブランドである。

「スタート時から継続して使ってくださっているかた、親子三代でというかたもいらっしゃいます。社長というとビジョンを高く掲げるイメージがありますが、オルビスはブランドも商品もとてもいい。お客さまや社員たちと『どういうところが好き?』『どうなったらもっとよくなると思う?』と話しながら判断する……私はそういうタイプのリーダーなのかなと」

効能を追求する。安全を第一とする。化粧品とひと口にいっても、ブランド、ジャンルごとに、そのニーズは多岐にわたる。オルビスの顧客像を「実直な生活者」ととらえる山口さんが目ざしたのは、スキンケアを行うこと自体を意識しなくていい日常の達成だという。

「仕事のこと、家庭のことなど、誰にも不安や悩みがありますよね。ですから、化粧品は『何を使ったらいいんだろう』『本当に効くのかな』と心配しなくてもいい状態がハッピーなはず。『これだけやっておけばいい』という安心が、時間や心の余裕を生み出すと思うんです」

それは、自身の経験に裏打ちされたものでもあった。30代後半から40代にかけ、仕事に励みながら不妊治療に取り組んだ日々は「自分らしさを肯定するのがむずかしかった」という。人生で直面した苦悩は、スキンケアがもたらすものについて改めて考える契機になった。

「困難を抱えていても、朝晩のケアがていねいにできれば、気持ちがいいし、明日も元気でいられる。そういうルーティンがきちんと回っていけば、たとえ1ミリずつでも目線を上げることができると思うんです。肌や心を穏やかに整えることで、多くのかたの力になれたら」

東洋医学の考え方では、女性は7歳刻みで体の変化を迎えるという。14歳で初潮を迎え、21歳で成熟し、28から35歳の出産期を経て、42、49歳と、ゆるやかに老年へ向かう。その先のさらなる変化に思いを馳せながら、顧客像への解像度をさらに上げていきたい、と山口さん。その目は、自身にも向けられている。

「私にとっても56歳から先は、まだ体験していない領域。でも、未来をズバリと言い当てることはできなくても、想像力を高めて、なるべくお客さまに近い感性で、日常の助けになるものを見出していけるといい。肌だけでなく、ここちまで美しく、そして、自分らしくいられる状態を目ざしたいと思っています」

ミキモトのネックレスとイヤーカフ

ブラックパールとメタルを取り合わせたミキモトのネックレスとイヤーカフは、社長就任半年のご褒美

多種多様なパールジュエリー

カジュアルな装いにパールで品を加えるのが山口さん流。母からの贈り物や旅先で購入したカジュアルなものまで多種多様

山口さん、SKINCARE LOUNGE BY ORBISにて
50代スキンケアの基本は「日焼け防止と保湿、そして食事」。SKINCARE LOUNGE BY ORBISでは体調や生活リズムに合わせた「inner color juice」をブレンド

motto

モットーは「言葉にすることをやめない」

顧客とも社員とも、1対1の対話を大事に。「向き合って話す、そのことでしか信頼は蓄積できない。気持ちや経験も含め、自分の言葉で率直に語れるリーダーでありたいと思います」。

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