自分たちも畑をやったり、繁忙期に農家へお手伝いにいったり。そうして食を通じて地元に溶け込み、地元の人たちも彼らを受け入れている。そこには高知の人たちのおおらかさと、それから“お酒”の力も大きいと思うのです。
女性も最初から座って一緒に飲めるように、前菜からデザートまで大皿に盛り合わせた皿鉢(さわち)は高知名物。“飲めば友だち”で宴会で仲よくなり結婚、というパターンも少なくないそう。そんな土地柄ですので、高知の居酒屋文化は奥深く。私も初めて体験して、高知では娘たちと居酒屋へ行く楽しみも。
いい店がたくさんありますが、ひとつあげるとしたら『にこみちゃん』。すぐに満席になってしまう小さな店の、端っこの席が私は好き。そこに座って一杯やりながら、店主の河原崎真大さん自作のコンパクトで機能的な厨房に感心したり、彼が手ぎわよく料理する姿を眺めているのは幸せな時間です。