造り手は、サン・テミリオン特別級「シャトー・フォジェール」の醸造チームで、オーナーは「ラリック」。畑はサン・テミリオンに隣接するカスティヨン・コート・ド・ボルドーにあり、サスティナブル農法のブドウで造られる。「シャトー・フォジェール」の妹ともいえる、知る人ぞ知るワインだ。ひと口飲んで思い浮かんだのは、気品がありつつも自由な精神をもつフランスのブルジョワ・マダム。ドレスアップもドレスダウンもお手のもの。自分のスタイルが確立されている大人の女性だ。
このワインのすごさは、どんな料理もスタイリッシュに楽しませてくれるところにある。羊や鴨などのガストロノミックなひと皿はもちろん、チーズやナッツだけでも華やかに気分を盛り上げてくれるのだ。これは、秋の夕暮れ、ひとりの静かな時間に開けてみたい。“彼女”の美しいオーラが、ゆるやかに自分の中に浸透してくるように思えるから。