和食とのマリアージュを楽しみたい「ラーヒャーベルク ピノ・ノワール」【飲むんだったら、イケてるワイン】

ドイツ西部における最北のワイン産地、アール地方で、有機栽培でていねいに造られたピノ・ノワール。華やかなブルゴーニュ産に比べ、いかにもドイツらしい凝縮感のある果実味と清らかな酸味。和食とも好相性なイケてる一本をご紹介。

一見控えめ。でも、一緒にいるとわき上がる幸福感

JOSTEN & KLEIN

ラーヒャーベルク ピノ・ノワール

ラーヒャーベルク ピノ・ノワール
決して華やかではない。たとえるなら、“誠実でまじめな女性”だろうか。だが、このワイン、じわじわと魅了されるのだ。凝縮感のある果実味と清らかな酸味。飲み口がふくよかで、黒すぐりと黒こしょうの香りが、大人っぽいニュアンスを感じさせる。まるで、穏やかなほほえみをたたえて、そこにいるかのように。

「ヨステン ウント クライン ラーヒャーベルク ピノ・ノワール 2014」の生まれはドイツ・アール地方。ここはドイツ西部における最北のワイン産地で、果実味豊かでエレガントな赤で知られる。畑はシーファー土壌(粘板岩質)で、険しい渓谷の南側急斜面に位置、ブドウはたっぷりと太陽を受けて育つ。40代のマーク・ヨステン氏が妻とふたり、有機栽培でていねいにブドウを育てている。ピノ・ノワールは、ドイツでは「シュペートブルグンダー」と呼ばれるが、このワインも本来はそう。華やかなブルゴーニュのピノ・ノワールに比べ、ひと味違って控えめな感じなのも、いかにもドイツらしい。

“彼女”は、マリアージュしてこそ魅力を増す。寄り添う相手を引き立て、自分も輝くのだ。肉料理全般はもちろん、特にしょうゆ味の甘辛い根菜類の煮物との相性は抜群! ゆっくり楽しんでいると、しだいに幸福な気分になってくる。懐かしい冬の夕餉(ゆうげ)の光景が、ふと心に浮かぶのだ。
750㎖ ¥6,182 問ヴァインベルク
ドイツ・アール地方。ピノ・ノワール(シュペートブルグンダー)100%。果実のうま味を感じるエレガントな味。ビオロジック農法でノン・フィルター(無ろ過)。22カ月樽熟成。鴨の治部煮など和食と好相性。750㎖ ¥6,182 問ヴァインベルク
教えてくれたのは……
あんざい きみこ●ファッション誌やワイン誌で料理やワイン、旅、お取り寄せなどの記事を執筆。国内外のワイナリー、醸造家取材も多数。著書に『葡萄酒物語』(小学館)。シャンパーニュ騎士団シュヴァリエ。
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