この春、55歳になる富岡佳子さんにインタビュー。取材をした場所は、3月に麻布台ヒルズで開業する『ジャヌ東京』。東京の一番新しい場所で、一番新しい“富岡佳子”の今を見つめた。
ずっと変わらないのはモデルとしての使命感と誇り
変わらないのは、モデルとしての矜持です。デザイナーさんやブランドが一生懸命に作った洋服を、リスペクトの気持ちをこめ、最大限きれいに見せる。洋服を一番いい状態でお見せすること。それがモデル歴36年目の変わらぬ矜持です。そして、それを見てくださったかたが手にとり、喜んでくださること。結果的に購買数が上がり、作り手のかたにも喜んでいただける。その好循環を感じられた瞬間が、モデルとしてなによりもうれしいのです。洋服をきれいに見せるためには、当然、スタイルをキープし、きれいな肌でいなければなりません。50歳のインタビューのときにも「この仕事は白鳥のよう。優雅に見せながら水面下では必死に足を動かしている」といいましたが、その気持ちも変わりません。今は週に3〜4回ジムに、加圧トレーニングには週1回通っています。スマホを見ているときでも読書中でも、首にしわが寄らないよう姿勢に気をつけたり。正直、365日24時間、気が休まることはないけれど、ここに立たせてもらっているのだからあたりまえ。洋服をきれいに見せるために、今も必死に水面下でもがき続けています。
改めて思うのは奇をてらわず、普通であることの大切さです。そして、変わらない自分を継続して見せていくことが、大切だなと思います。私自身、カバーモデルとしての気持ちも、やっていることもずっと変わりません。あたりまえのことを愚直にていねいに、積み重ねていきたいと思うのです。
SNS時代では、見栄えることや、刺激的なことに目がとまりがちです。無料で簡単に、情報が手に入る時代だからこそ、逆に普遍的なことを雑誌というアナログな手段で伝えていく意味があるのではないでしょうか。時間をかけて、ていねいに作られる誌面から得られるものは、一過性の情報とは違うはず。真摯に取り組み、継続して積み上げてきたものがつまっています。同じようにエクラ世代のかたがたにも、子育てや仕事を継続してきたことによって得られた、かけがえのない経験や知識が山のように積み上がっているはず。だから、そのままで十分豊かだし、とても輝いている。そう思うのです。
変わらず続けることが「希望」になれば
最近、「富岡さんは希望です」といってくださる同年代のかたが多いんです。昔は誌面を見て「憧れです」とか「かわいい」といっていただくことが多かったのですが。今は「希望」とか「癒し」とか。私自身が変わらず、継続していくことが、同じ時代を生きるエクラ世代の「希望」になれば。ありのままでいいということを、私自身が身をもって体現していけたらと思っています。これからもナチュラルな富岡佳子を皆さまに見せていきたい。そのためにも、朝起きておいしい空気を吸うといった、日々のあたりまえのことを大切に。懲りずに何かに挑みながら、楽しんでいたいと思うのです。
積み上げてきたものを信じて、変わらずにナチュラルな私を見せていく
(インタビュー《後編》へ続く)
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