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富岡佳子55歳 スペシャルインタビュー《中編》シンプルに、軽やかに、“自分色”の輪郭を描いて
この春、55歳になる富岡佳子さんにインタビュー。取材をした場所は、3月に麻布台ヒルズで開業する『ジャヌ東京』。東京の一番新しい場所で、一番新しい“富岡佳子”の今を見つめた。
富岡佳子55歳 スペシャルインタビュー《前編》たゆまずに、しなやかに、ありのままを楽しむ

富岡佳子
内面はどんどんラクにシンプルになっていく
今月55歳になります。éclatという雑誌も、読者のかたがたも、55歳になる私を受け入れてくださる。アラフィーを超えて、新たな扉を開いてくださったことが、素直にとてもうれしいです。カバーモデルをやらせていただくようになって8年。こんなに長く表紙を飾らせていただけていることに、ただただ感謝しています。
撮影のある日は、朝起きて、家を出るまでの時間がどんどん長くなっています。スッとまっすぐに立つために、まずはストレッチやヨガのポーズで体をほぐし、顔や頭をマッサージしてと、やらなければいけないことも年々変化してきています。
でも不思議なことに内面はどんどんラクになっていくんですよね。55歳の今はさらにラクになりました。女性の一生は「30代は強く、40代は賢く、50代は豊かに……」といわれますが、振り返ると本当にそうだなと思います。
30代は子育てや仕事に無我夢中。とにかく毎日大変だったけれど、自分のキャパを超えてがんばったお陰でとても強くなれました。40代は、30代で得たたくさんのものを取捨選択し、自分にとっているものを見極め、いらないものは手放す。その作業をひたすら繰り返しました。今思えば、それが私にとっての「賢く」ということだったのかなと思います。40代で取捨選択したお陰で、50代がとても身軽になりました。どんどんシンプルになって、今はとてもラクに。人ってシンプルになればなるほど、輪郭が濃く浮かび上がってくる。それが楽しいなと思います。
ファッションもそう。さらにミニマルになりました。自分の好きなもの、よく着るものが明確になり、それ以外のものは持たないように。デザインが好きでも着心地が苦手な素材ならあきらめます。でも、新しいファッションアイテムを取り入れてワクワクときめく気持ちはずっと持ち続けていたい。前向きなマインドにもつながると思いますから。ファッションだけでなく、新しいものを知りたい、チャレンジしたい、何かを変えたいという欲をもつことは大切だなと思うのです。
かけがえのない経験を重ねたからこそ、今、毎日がとても新鮮で楽しい

家族のかたちが変化し今楽しいのは自分の時間
人生100年時代。折り返しを過ぎ、今感じるのは家族や親、体のことなど、私と、私のまわりを取り囲むいろいろなことが変わってきたなということです。一番変わったのは家族のかたち、そして私自身の気持ちです。
昨年から娘がひとり暮らしを始め、とうとう夫婦ふたりの生活になりました。最初の数カ月は、娘がかなりホームシックだったようで、電話で何時間も話を聞く日々。私自身も東京に出てきたころ、同じような気持ちだったのを思い出し、とにかく気のすむまで、ひたすら聞くことに徹しました。今では連絡してくることもすっかり減り、ひとり暮らしを満喫しているようです。
娘が独立して一番感じるのは時間が自由になったこと。「今までいったい何に縛られていたんだろう?」と思うくらい、自由になったのを実感します。「朝起きてから24時間、すべて自分のために使える!」という感覚がうれしくて。
20代の独身時代に再び戻ったかのよう。時間に縛られずに、撮影後にお茶をしたり、ごはんにも行けるなんて。朝から、晩ごはんのことばかりを考えていた日々を思うと夢のようです。ひとりでさっと美術館に出向いたり、映画を見たりすることも増えました。心に余裕ができたからか、手のこんだ料理に挑戦してみたり。今はひとりの時間がとにかく楽しいです。
最初はぎこちなかった夫とのふたり暮らしにも、少しずつ慣れてきました。「平日に仕事が空いたから温泉に行く?」とか「お鮨屋さんめぐりでもしてみようか?」とふたりの身軽さも楽しめるようになってきています。
シンプルになればなるほど輪郭が浮かび上がってくる

真のラグジュアリーに触れる旅が新たな楽しみ
時間が自由になり、昨年は久しぶりに旅に、それも今まであまり行かなかった島旅に、幾度となく出かけました。初めて父とのふたり旅も経験したんです。昨年母を亡くしたこともあって、父がアクティブに動けるうちに一緒にと、夫にも協力してもらって計画しました。ほかにも、父や娘と一緒の旅もしましたし、友人たちとも。島旅の魅力は、船から見る景色のすばらしさや、港に着岸するときのワクワク感に始まり、手つかずの豊かな自然に触れられることです。印象的だったのは小豆島と隠岐島の海士町。大きくパラダイムシフトしている今の時代だからこそ、よりアナログでナチュラルなものを大切にしたいなと思います。景色もですが、日の出や日の入りを見たり。それこそが真のラグジュアリーだと思うので。これからも自然や遺跡に触れる旅にフットワーク軽く、出かけていきたいと思っています。
人の心の機微をくみ取れるように
もうひとつの私自身の変化は、相手の気持ちを、より深くくみ取れるようになってきたのかなということ。私は今、この瞬間とても楽しいけれど、一緒にいる相手はどうだろう?といつも考えるようになりました。昔よりも、人の気持ちをより深く見られるように。若いころ見た映画をもう一度見ると、当時とは違う気づきがあったり、感じ方が変わったり、登場人物の深い気持ちを理解できることがありますよね。経験を重ねたことで見えてくるもの、感じるものが深くなってきたのかなと思います。人付き合いでも、相手の感情を知ろう、知りたいとより強く思うようになりました。他人の感情が、時に人生観を教示してくれることもあります。自分の知らない価値観や哲学、考え方を知るためにも、本や新聞を読むことは大切だなと改めて思う日々。ネットだとどうしても情報が偏ってしまいますから。本や新聞を読み、心に響く、気になる言葉や記事があったら、ノートにメモしたりクリッピングする。以前から続けているこの作業は、これからもずっと継続していきたいです。日ごろから「何でだろう?」と考えていたことの点と点が、パッとつながる瞬間がうれしいし、気づけば言葉の引き出しの訓練にもなっています。
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富岡佳子55歳 スペシャルインタビュー《後編》変わらない&変わっていく“私”をつくるもの
読書も、新聞を読むのも変わらない習慣。気になった言葉や記事、思いついたことをノートに書きとめることもずっと続けているという。最近、増えた楽しみは島への旅。昨年は友人や家族を誘い、国内のいろいろな島を訪れたとか。島で空と海だけのシンプルな景色や朝日、夕日を眺め、“無”になる時間がとてもパワーチャージになると語る。
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