“足がつって目が覚めてしまう”という就寝中のトラブルに悩まされているアラフィー女性が、近年多い様子。アラフィー女性たちに、ここ2~3年の足がつった経験や、よく足が「つる」という部位などを調査! そもそも「足がつる」とは体に何が起こっている状態?足がつってしまう、その原因は? 気になる「足がつる」のあれこれに、整形外科医の出沢先生がお答えします。
でざわ あきら●出沢明PEDセンター院長。帝京大学医学部附属溝口病院客員教授。腰の病気の内視鏡手術「PED」の第一人者。著書は『もう怖くない! 筋肉のつり こむらがえり』(唯学書房)。
【 1 】アラフィー女性の8割弱が経験あり!?“就寝中に足がつる”実態は?
なんとアラフィー世代の8割弱が、近年に「寝てる間に足がつった」経験あり!
Question_1:ここ2〜3年のうちに就寝中に足がつったことが…
Question_2:年齢とともに足がつる頻度は上がっていますか?
Question_3 :「つる」のは脚のどの部分ですか?
つる部位はふくらはぎが大半。“ほぼ毎日つる”という人も!
エクラ読者のアンケート調査によると、ここ2〜3年のうち就寝中に足がつったことがある人は、なんと78%! 年齢とともに足がつる頻度が上がっていると感じている人も68%と半数以上。つる部分は、ふくらはぎが89%と大半で、頻度は“半年に1回”“1〜2カ月に1回”という人から“ほぼ毎日”という人まで個人差が。痛みの度合いについては“激痛で目が覚めてしまう”などと強い痛みを感じる人が多いようで、“翌日まで痛みが残る”という人も。これって実は深刻!
読者の証言!
「こういう日は、足がつりやすい」
【 2 】“足がつる”とは体に何が起こっている状態?足がつるメカニズムと原因
約8割弱のアラフィー女性が、近年の間に「寝ている間に足がつった」経験が! そもそも「足がつる」とは体に何が起こっている状態?足がつってしまう、その原因は? 気になる「足がつる」のあれこれに、整形外科医の出沢先生がお答えします。
筋肉が縮みすぎるのを止める、「センサー」の異常で足はつる
腱紡錘
腱は筋肉が縮むと伸びる構造になっていて、腱の中の腱紡錘は筋肉が収縮して腱の伸びを感知すると、断裂を防ぐため、その情報を脊髄に送り筋肉を弛緩させる。この腱紡錘の働きが鈍って筋肉が異常に収縮すると“つる”。
筋紡錘
筋肉が伸ばされると筋紡錘はそれを感知し、筋肉が伸びすぎて断裂しないよう脊髄に情報を送り、筋肉に「縮め!」という指令を出す。
A.「足がつる主な原因は電解質の異常です。電解質とはマグネシウムやカルシウム、ナトリウム、カリウムなど水に溶けると電気を通すミネラルなどの物質で、神経が情報のやりとりをするときに使われます。特に筋肉の収縮の調節にかかわるのがマグネシウムとカルシウム。不足すると神経伝達に支障が生じ、腱紡錘の働きも鈍くなり足がつるのです。加齢や疲労、脱水、冷えなどによってもミネラルバランスはくずれ、同じ仕組みで足がつります」
Q.就寝中につるのはなぜ?
A.「寝ているときは腱紡錘の働きが低下しますが、筋肉が疲労していると筋紡錘も腱紡錘も過敏な状態になり、さらに誤作動を起こしやすくなります。それに加えて睡眠中は自然につま先が外側に伸びるため、ふくらはぎが少し縮んだ状態になるのもつりやすくなる原因。また、睡眠中は汗をかいてミネラルバランスがくずれやすいうえ、布団から足が出ていたりして足が冷えると、血流が滞って電解質が運ばれにくくなり、これも足がつる原因に」
A.「加齢とともに睡眠時の足のつりは増える傾向が。理由は、加齢に伴って腱紡錘のセンサーが衰えることと、足の筋肉量が減るためです。筋肉量が減ると、血流が滞って電解質も運ばれにくくなり、また、ちょっとした日常動作でも足に負担がかかるので筋肉疲労が蓄積し、つりやすくなるのです。さらに加齢とともに、血行不良による冷えや、動脈硬化、病気などからくる神経障害などの要因も重なりやすいので、足がつることが増えるのです」
熱中症の前兆であることも。
夏は、特にご用心!
【 3 】すばやく痛みを鎮める就寝中の「足つり」対処法!
お悩みのアラフィー女性たちも多い就寝中の「足がつる」問題。もし“つった”ときは、すばやく痛みを鎮めたいもの。安眠のために知っておきたい、“足つり対処法”
足がつった!その場でできる対処法
つま先を手前に引っぱり、アキレス腱を伸ばす。
手が届かない場合は、足にタオルをかけて引っぱる。
壁に足裏を押しつけて、アキレス腱を伸ばしてもOK。
ふくらはぎがつった場合は、つま先をゆっくり手前に引っぱる
「まずつま先をつかみ、できるだけ体のほうに引っぱってアキレス腱を伸ばします。タオルを使ったり、壁に足の裏を押しつけてアキレス腱を伸ばすのもよいでしょう。前すねがつる人は、逆につま先を伸ばすストレッチを。改善しなければ、ふくらはぎをマッサージしたり、ホットタオルなどで温めるのも効果的」
つりやすい!という人には「芍薬甘草湯」や梅干しが効果的
「睡眠中によく足がつる人は『芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)』という漢方薬を枕元に置いて寝るのもおすすめ。差し込むような急激な痛みや、筋肉の痙攣(けいれん)に有効とされています。筋肉疲労を感じた日は、就寝前に飲んでおくのもよいでしょう。また、梅干しのクエン酸はマグネシウムの吸収を助けるので、足のつりの改善に◎」
おすすめアイテムはこの2つ!
芍薬甘草湯の処方で、筋肉の痛みやこわばりを鎮め、足のつり(筋肉の痙攣)、こむら返りを治す。第2類医薬品。コムレケアa 24錠 ¥1,000/小林製薬
急激に起こる筋肉の痙攣を伴う痛み、こむら返り、腹痛、腰痛などに。第2類医薬品。
「クラシエ」漢方芍薬甘草湯エキス顆粒 12包 ¥1,219/クラシエ薬品
【 4 】日常生活で実践できる、就寝中の“足つり”6つの予防策
1.食事
“つる”人に多いのはマグネシウムやカルシウム不足
「マグネシウムやカルシウムが不足すると足がつりやすくなるので、ふだんの食事で補いましょう。特に、つるクセがついている人はほぼ全員がマグネシウム不足。昔の日本人は玄米や海藻、大豆などマグネシウムが多い食品をよくとっていましたが、食事の欧米化によって不足しがちに。以下のような食品に多く含まれるので、毎日の食事に意識的に取り入れて」
・アーモンド
・落花生
・納豆
・ほうれん草
・スルメ
・イワシ(丸干し)
・カキ
・乾燥ひじき
・玄米
・豆腐(もめん)
・煮干し
・プロセスチーズ
・小松菜
カルシウムをとりすぎるとマグネシウムの吸収が阻害されるので、カルシウムとマグネシウムは3:1〜2:1の割合でとりましょう。アラフィー世代の女性が一日にとるとよい量の目安はカルシウム550〜650㎎、マグネシウム240〜290㎎。
2.ストレッチ
「波止場のポーズ」でふくらはぎの筋肉をしっかり伸ばす
「足つりグセの改善によいのが“波止場のポーズ”。30〜50㎝ほどの高さの椅子などに片足をのせ、その足に体重をかけ、反対側の足のかかとは浮かさず床につけ、太ももとふくらはぎの筋肉を伸ばし息を吐きながら7秒キープ。前足の膝はつま先より前に出さないこと。左右の足を入れ替えて同様に。筋肉がほぐれて血行が促進し、足がつりにくくなります」
3.温め
足湯で、ふくらはぎの血行UP
「足が冷えてつりやすい人は足湯を。バケツなどにお湯を入れて足をつけるだけなので、湯ぶねにつかる時間がないときでも手軽にできます。温め効果だけでなく、筋肉の疲労回復効果も期待できます。睡眠中に足を冷やさないようにと布団を重ねすぎたり、厚着をしたりして寝ると、汗をかいてかえって足のつりを招くので、寝る前の足湯のほうがおすすめです」
4.温め
睡眠を防げないレッグウォーマーを使う
「睡眠中の足の冷え予防にレッグウォーマーをつけて寝るのもよい方法。靴下だと寝ているときに汗をかきすぎてしまったり、血行を阻害してしまう可能性がありますが、レッグウォーマーなら締めつけすぎず、適度にふくらはぎや足首を温められるので、睡眠中に布団から足が出てしまったときも安心です。寝るとき向けのゆるめのものを選びましょう」
肌面がシルク素材。締めつけず、ふんわり快適なはき心地。日本製。ふわのびおやすみかかと付きレッグウォーマー¥1,659/ベルメゾン
5.水分補給
寝る前は「コップ1杯」の水を習慣に!
「寝ている間はコップ1〜2杯分の汗をかくといわれ、脱水症状で電解質不足になり、足がつりやすいので、寝る前にコップ1杯の水を飲むようにしましょう。スポーツをした日など、汗をよくかいた日はコップ1〜2杯飲んでおくといいと思います。体が冷えやすい人は常温の水や白湯を飲むのがおすすめです」
6.食事
お酒を飲むときはおつまみに工夫を
「よくお酒を飲む人で睡眠中に足がつりやすい人は、ミネラルバランスがくずれている可能性大。アルコールは利尿作用があり水分が排出されるうえ、肝臓がアルコールを分解するときにミネラルを大量に消費するからです。お酒は控えめにするのがいいですが、むずかしい場合は、おつまみに海藻やカキ、アーモンド、スルメなどミネラルが多いものをとりましょう」
よくつる人は要注意!
隠れているかもしれない病気
頻繁につる場合、病気が隠れていることも。「糖尿病や腎・肝機能障害によって全身がつったり、足以外の首や肩や腕がつることがあります。また腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などでも足がつりやすくなり、この場合、すねがつることが多いようです。気になる症状があったら整形外科や神経内科、循環器科、糖尿病専門医などを受診しましょう」