40歳過ぎて女性ホルモンが減ってきたら、絶対「骨ケア」! 骨粗しょう症を防ぐ決め手は「ビタミンD」

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産婦人科専門医の中でも、特に更年期における「骨の強さ」の重要性を訴えているのが吉形玲美先生。医師になりたての頃、更年期だった母親の骨密度が低いことに気がついてあげられなかった…、そのことが吉形先生を「骨ケア」に向かわせたと言います。骨粗しょう症の女性を減らしたい! という熱い思いがあふれるお話です。

教えていただいた方

吉形玲美さん
吉形玲美さん

産婦人科医、医学博士。大学病院で医療の最前線に立ち、女性医療・更年期医療のさまざまな臨床研究にも数多く携わる。女性予防医療を広めたいという思いから、インスタグラムでも発信。更年期、妊活、月経不順など女性の体のホルモンマネジメントが得意。

顔のシワやたるみ、それは骨量が減っている証拠かも!

こんにちは。産婦人科専門医の吉形玲美です!
40代以上の女性は、目元のシワやたるみ、頬のくぼみ、ほうれい線やマリオネットラインが気になっている人も多いことでしょう。

実はそれ、皮膚の老化だけでなく、顔の骨が痩せ細ったことによる変化だと知っていましたか? そう、骨量の低下、骨粗しょう症は顔の印象を変えてしまうのです。 

皆さんのまわりで、肋骨にひびが入っていたとか、いつのまにか足の指を骨折したなんていう人はいませんか? それは女性ホルモンの減少とともに骨が弱くなっている証し。そして、50歳前後の閉経以降では、骨折する人が急に増えます。

OurAge×Webエクラ 顔のシワやたるみ、それは骨量が減っている証拠かも!

どうですか、高齢者特有のものと思っていた骨粗しょう症が、一気に自分事になったと気づいたでしょう? なにしろ骨粗しょう症や予備軍の患者は、50 歳以上の女性の4人に1人といわれています。
閉経前後からの女性ホルモンの減少がいちばんの原因ですが、無理なダイエット、ビタミンD不足、カルシウム不足、運動不足、遺伝…など骨粗しょう症を招く要因はいろいろ。生活習慣病のひとつなのです。

骨は、ある日突然、もろくなるのではありません。骨折などが起こるまでは痛みなどの自覚症状がないことが多く、知らずに進んでいることが多いのです。私たちの体の中で骨は生きていて、新たにつくられること(骨形成)と壊されること(骨吸収)を繰り返しています。骨粗しょう症はこのふたつのバランスがくずれて、骨がスカスカになっていくこと。そして骨折のリスクが高まります。

いつのまにか骨がもろくなっていた! とならないためにできることは何か?
それは、まず「検査」です。健康診断や人間ドックのオプションに骨密度検査が入っていたら、迷わず受けましょう。もし、閉経後に腰痛が出てきた、急に身長が数㎝縮んだ、家族に骨粗しょう症の人がいるなどが当てはまる人は、整形外科に行って骨密度の検査を受けてください。症状により、保険適用で検査が受けられます。検査法はいくつかありますが、おすすめしたいのは、骨粗しょう症診断のガイドラインで推奨されているDEXA(デキサ)法。スピーディで精度の高い検査です。  

ビタミンDなしで、骨を強くすることはできない

骨粗しょう症は生活習慣病と言いましたが、栄養状況が悪かった昔、小児に多かった“くる病”、成人では“骨軟化症”という病気があるのをご存じですか? 骨の石灰化ができず、骨がもろくなり、骨が曲がったり痛みを伴うことがあります。そのおもな原因は、ビタミンD欠乏。骨というと、その材料であるカルシウムにばかり目が行きがちですが、ビタミンDがなければカルシウムは吸収されません。

OurAge×Webエクラ 骨ケアを頑張ったら答え合わせは検査で。ビタミンD検査、骨密度検査がおすすめです。

にわかにビタミンD欠乏にスポットが当たり始めたのは、最近の研究で日本人の9割以上がビタミンD不足であると発表されたこともあります。原因としては、日本人がビタミンDが豊富な魚を食べなくなったこと、紫外線をガードしすぎているなどが考えられます。

ビタミンDは食べ物からとれるだけではなく、日光に当たることで皮膚でつくられるという特別な性質を持つビタミン。日光に当たらなさすぎてビタミンD欠乏が生じ骨が弱化するという、本来はあり得ないことが起きているのです。  

ビタミンDは、最近は血液検査で簡単に測れるようになりました。疾患などにより、一部保険適用になっています。思い当たることのある人は、ビタミンD検査も受けてみるといいと思います。
第一に食事の見直しを。魚中心の食事、そして適度に日に当たってビタミンDを増やすこと、それが無理ならサプリなどでビタミンDを取り入れることです。  

また、骨を強くするには運動もとても大事。骨形成を促進する物質に「オステオカルシン」がありますが、これは骨をつくる骨芽細胞から分泌されるタンパク質。骨への適度な負荷や刺激を加えることで、分泌が増えることが解明されています。やはり骨に対する運動は、日常動作でただ歩くという運動ではなく、はずむようなバウンス系の運動が必要のようです。よく言われる「かかと落とし」もそれ。漫然と歩くのではなく、かかとから着地して地面を踏む意識、速歩などもいいでしょう。家の中でも、ちょこちょこ家事をして、トータルでそういう動作が増えるといいなと思います。

OurAge×Webエクラ オステオカルシンの分泌を増やして骨を強くするには、かかと落としやステップ系の運動が効果的です。

更年期以降は、サプリメントや処方薬を人生のパートナーに

補足ですが、折れない骨とは強度が高い骨のこと。
骨の強さにはふたつの要素があって、よく言われる骨密度が7割。残りの3割は「骨質」です。骨粗しょう症の指標となる骨密度も重要ですが、骨質にも気をつけるのが理想的。

ただ、骨密度は測れますが、骨質は一般的には測定するのは困難。では何を指標にするかといえば、生活習慣病の検査です。骨質の劣化は老化物質AGE(終末糖化産物)の蓄積や糖尿病、動脈硬化などと密接に関係しているため、生活習慣病関連の検査結果を見れば骨質がどうなっているかが推定できます。実際、私のクリニックでは、骨密度だけではなく骨質を意識した治療も行っています。生活習慣病の指導と同時に、更年期世代の骨粗しょう症の治療薬では、骨密度だけでなく骨質の改善が期待される「サーム(SERM)」や「エディロール」を処方したりもします。 

骨は数年で生まれ変わります。なかなか元に戻りにくい血管よりも、骨は若返りがしやすいということ。骨密度も骨質も改善しますから、骨の健康回復は諦めずに希望を持って。

骨は数年で生まれ変わります。処方箋やサプリメントをパートナーに、賢いい”骨活”を。

サプリも薬もいやだという人へ。
これだけ寿命が長くなっている以上、更年期に自身の努力だけで骨や血管を守るのは相当に困難なことだといえます。だからサプリも薬も賢く利用して。

よく、骨を強くする薬を出すと「一生飲むんですか」と聞かれます。「飲むんです」と私は答えます。ライフスタイルを変えることと同時に、今からできることをしましょう。サプリが怖い人は、どうして怖いのかを自分に問いかけてみて。「なんで怖いの?」と今一度聞いて、もし添加物が怖いのだったら添加物の少ないサプリにしましょう。処方薬の副作用が怖いのだったら、副作用に気をつけて処方してくれる先生を選ぶといいと思います。必要なものは、一生のパートナーとして使っていきましょう。

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取材・文・画像制作/蓮見則子
初出:OurAge 2024/7/12

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