閉経前後=更年期の不調は女性ホルモンの減少が原因かも【閉経したら、何が変わるの?】

閉経前後の更年期には、さまざまな不調が続出。まずは女性ホルモンのエストロゲンの働きと、エストロゲンが減少することで不調が起こるメカニズムを産婦人科専門医の高尾美穂先生がレクチャー。

教えてくださったかた
高尾美穂先生
高尾美穂先生
女性のための総合ヘルスクリニック「イーク表参道」副院長。産婦人科専門医。医学博士。スポーツドクター。ヨガマスターとしてヨガ指導も行う。女性の体の悩みへの明解なアドバイスがテレビで反響を呼び話題に。

エストロゲン減少により脳が混乱し、不調が発生

閉経の前後5年間の“更年期”には、心身にさまざまな不調が起こるが、まずはそのメカニズムを知っておこう。

「女性ホルモンのエストロゲンは、脳の視床下部という部分から卵巣へ“エストロゲンを出して”という指令が出され、それに卵巣が応えることで分泌されます。でも、卵巣機能が低下する更年期になると、脳から指令が出ても、卵巣から十分な量のエストロゲンが分泌されないため、脳は“もっと出して!”と指令を出しつづけます。それでも卵巣は一向に応えてくれないため、脳の視床下部はパニックを起こします。視床下部は自律神経の中枢でもあるので、その影響を受け、自律神経も乱れてしまいます。これによって、ホットフラッシュやのぼせ、多汗、動悸、だるさ、疲労感、頭痛、めまい、不眠、イライラ、落ち込みなど、心身にさまざまな不調が生じるのです。このような不調は閉経の前後2年に最も起きやすい傾向があります。ホットフラッシュで汗をかきやすくなり、そのせいで眠れなくなって、うつになったりといった悪循環を起こすこともあります」

エストロゲンには、下記のように体を守る多くの働きがあるため、閉経するとその恩恵を受けられなくなることからくる不調も発生。

「閉経後は更年期の不調は落ち着きやすいですが、エストロゲンの分泌がなくなることで、悪玉コレステロール値が増えて脂質異常症になったり、動脈硬化や骨粗鬆症などのトラブルが起きやすくなります。また、腰痛や肩コリなど体の老化による不調も起きがちに」

エストロゲンの働きとは…

●女性らしい体をつくる

基礎体温を下げる

妊娠に備えて子宮内膜を厚くする

卵胞を育てる

肌や髪を丈夫に保つ

骨を丈夫に保つ

脳の働きを維持する

自律神経を正常に保つ

血管をしなやかに保つ

動脈硬化を予防する

代謝を促して肥満を予防する

悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす

若いうちのエストロゲンの働き

更年期のエストロゲンの働き

閉経前後に不調が起きる3つの要因

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取材・原文/和田美穂 イラスト/中村久美 ※エクラ2021年6月号掲載

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