更年期障害の代表的な治療法がHRT(ホルモン補充療法)。ただ、日本では抵抗感をもつ人も多いのが現状。高い効果がある方法なので、正しく知って賢く利用を。
閉経後に起こりやすい主な症状や病気
●骨粗鬆症
●認知症、関節疾患
●卵巣がん、子宮体がん
●乳がん
●腟炎、尿もれ
●コレステロール増加
●高血圧、動脈硬化
●脳卒中、心筋梗塞
誤解が多いが、実は体への負担が少なく方法も楽
更年期障害の改善効果が高いHRTだが、日本では抵抗感をもつ人が多い。この現状について高尾先生はこう話す。
「HRTへの誤解が生まれた原因は、2001年にアメリカで発表された、HRTを5年以上続けると乳がん発生率が上がるという研究報告です。ただ、これは’05年に否定され、現在はHRTが乳がんに及ぼす影響は小さいことが学会でも発表されています。それにもかかわらず、過去の情報が更新されていない人が多数。また、HRTは大量のホルモンを補うと思っている人もいますが、実際は生理があったときの3分の1程度のエストロゲンを足すだけで、低用量ピルの6分の1の量。なのでよくも悪くも体にそこまで大きな影響はなく、それでも症状が楽になることが多いので、つらさを我慢するくらいなら受けたほうがいいと思います」
では、HRTの具体的な方法とは?
「HRTは、飲むタイプ、はるパッチタイプ、塗るタイプがあります。エストロゲン剤がメインで、子宮がある人(手術で子宮摘出していない人)は、子宮体がんのリスクを抑えるため、プロゲステロン剤も併用します。エストロゲン剤は経皮吸収のほうが血栓症や乳がんのリスクがより低いので、第一選択ははるタイプや塗るタイプ。プロゲステロン剤は飲むタイプと、エストロゲンと一緒になったコンビパッチがあります。コンビパッチは3日に1回はり替えるだけなので楽です。HRTをすると最初は出血が起きますが、徐々になくなります。費用は保険適用で1カ月1000〜3000円程度です」
受ける場合の手順とは?
「HRTは受けられない人もいるので、まず体の状態を検査します。健康診断の結果を持参すれば検査を省けます。検査で問題がなければまず1カ月分を処方し、使ってみて問題がなければ3カ月分を処方します」
このようにHRTは想像以上に楽にできる方法。まずは婦人科で相談を。
40歳以上の女性595人に、アンケートで聞いてみました!
Q.更年期の不調が出たら、HRT(ホルモン補充療法)をやってみたいと思いますか?
更年期の不調が出ても、HRTを受けたいかどうかわからないという人が半数以上。やはりHRTへの正しい知識がない人がまだまだ多いことが理由かも。
Q.HRTを「やったことがある」と答えたかた、やってみてよかったと思いますか?
<YESと回答したかた>
「ホットフラッシュがつらかったので始めた。最初は漢方薬で症状がやわらいだが、効かなくなりHRTも併用することに。かなり改善しました」(51歳・主婦)
「すぐに効いて、夜中に汗で目覚めることがなくなり、きちんと睡眠がとれるようになった」(57歳・会社員)
「肩コリ、腰痛、ドライアイ、髪の毛の量とツヤ・クセ・うねり、肌のツヤ感、家事へのやる気などが改善されたので、もっと早くから服用すればよかったと思いました」(52歳・会社員)
<NOと回答したかた>
「乳がんリスクが上がるといわれてやめた」(54歳・主婦)
「今の時点では、この治療で正解なのかはわからない」(49歳・会社員)
「気持ちが少し前向きになってきたと感じる。ただ、だらだらとまた生理が、始まったことがイヤです」(55歳・会社員)
HRT経験者の72%は症状が改善し、やってよかったと回答。なんらかの効果を感じる人が多いようだ。一方、出血などの問題でNOと答えた人も。
