突然やってくるつらい頭痛。いつものことだから、とあきらめてただただ我慢している人も多いはず。エクラ世代を悩ます2大「頭痛」について、医学博士の五十嵐久佳先生が対処法もあわせて解説。
頭痛が悪化する人も! 更年期の頭痛ケアとは?
男性よりも女性のほうが多いといわれる「頭痛」。それはなぜ?
「多くの人が悩む代表的な頭痛といえば片頭痛と緊張型頭痛。このうち片頭痛と女性ホルモンの変動には、深い関係があるといわれています。そのため、閉経後は頭痛が軽くなることが多いのですが、ホルモンバランスが乱れる閉経前の更年期には、逆に悪化することも。また、家庭や仕事でのストレスも多いエクラ世代は、締めつけられる痛みの緊張型頭痛を感じることもあります」
つまり、閉経前の更年期世代は頭痛悩みの過渡期。のりきるには? 「自分の頭痛のタイプを把握して、それに合った生活改善などのケアを取り入れることが大切ですが、頭痛薬を頻繁に飲んでしまうほど症状がひどい場合は、一度頭痛専門外来への受診を検討してみるのも手。今は頭痛の治療も進化していますし、自宅でのケアの指導も受けられます。このように病院でのケアとセルフケアの両輪で、上手に頭痛と付き合いましょう」(五十嵐先生)
《私たちを悩ます2大「頭痛」はこれ》
ズキンズキンと激しく痛む【片頭痛】
こんな症状
□頭の片側に強い痛みが発作的に起こる。両側に起きることも
□月に2~4回くらいの頻度であることが多い
□脈打つようにズキンズキンとした痛みを感じる
□吐き気をともなうこともあり、光や音がわずらわしい
□痛みが出る前に目の前にキラキラが見える前兆が出ることも
□痛くなる数時間~数日前から生あくびや空腹感、イライラなどの体調不良が出ることも
□頭痛のときに動くと症状が悪化する
痛みのメカニズム
なんらかの原因で脳の血管を取り巻く三叉神経が刺激されて、神経伝達物質が放出され、脳の血管が拡張し、痛みを誘発するという説が有力。誘発因子に、寝不足・寝すぎ、低気圧、アルコール、女性ホルモンの影響など。
病院での治療
「痛みが出てから内服するトリプタンという飲み薬のほか、週2日以上痛みが出る場合には予防薬を処方することも。昨年登場した新薬は片頭痛を注射で予防できる薬。月に1回の皮下注射で頭痛発作を予防します」
ギューっと締めつけられるように痛む【緊張型頭痛】
こんな症状
□孫悟空の輪をつけたように、頭全体が締めつけられるように痛む
□頭の両側や、後頭部が痛むことが多い
□肩のコリを同時に感じることもある
□片頭痛に比べて、寝込むほどの痛みではないことが多い
□吐き気はなく、光・音をわずらわしく感じてもどちらか一方
□疲れやストレスを感じているときに起こることが多い
□軽く体を動かすほうが症状が改善することが多い
痛みのメカニズム
日常生活でさまざまなストレスが重なると、首から背中にかけての筋肉が収縮し、血流が悪化。筋肉のコリや張りによって痛みを引き起こす物質が生まれ、後頭部の痛みから、やがて頭全体が締めつけられるような痛みに。
病院での治療
「鎮痛薬の処方が一般的ですが、週に3日以上は使わないように指導をします。また、首や肩の筋肉の緊張が強い場合は、筋弛緩薬などを、頭痛日数が多い場合は、少量の抗うつ薬を処方することもあります」
両方あわせもつことも多い!
「一方だけでなく、両方のタイプをあわせもつ人もいます。ふだんは頭が重く感じ、月に数回だけズキンズキンと波打つような激しい痛みがあるような場合や、その日により痛み方が違う場合には合併している可能性が」
病院にかかるタイミングは?
週に3日以上頭痛薬を飲んでいるときは、病院へ!
「頭痛薬が手放せなかったり、生活に支障が出るほどの頭痛は、専門医を受診し適切な診断と治療を受けて。予防薬で治療もできます。症状を説明できるように、頭痛日誌をつけて持参できるとベストです」
こんな痛みのときは、すぐに病院へ!
いつもの頭痛だと思っていたら、実は緊急性の高い命にかかわる頭痛である場合も。「今まで経験したことのない突然の激しい頭痛や、日増しに痛みが強くなる場合、50歳以降で初めて感じた頭痛、高熱を伴う頭痛、手足の麻痺や言葉が出なくなった場合などは要注意。速やかに受診を」。
考えられる病気は?
•くも膜下出血
•脳出血
•脳腫瘍
•髄膜炎 など