【対談】精神科医 名越康文さん×モデル 浜島直子さん《前編》アラフィーになってイライラ体質に

なんだか最近、イライラしやすくなった、と感じるアラフィー女性が続出。モデルの浜島直子さんもそんなお悩みを持つ一人。精神科医の名越康文さんと、ネガティブな感情の裏側にある意外な盲点について対談!

モデル 浜島直子さん
モデル 浜島直子さん
はまじま なおこ●’76年、北海道生まれ。“はまじ”の愛称で親しまれる人気モデル。テレビ出演やラジオパーソナリティなど多方面で活躍。夫アベカズヒロ氏とのユニット「阿部はまじ」として絵本『ねぶしろ』など。近著は初の随筆集『蝶の粉』(ミルブックス)。
精神科医 名越康文さん
精神科医 名越康文さん
なこし やすふみ●’60年、奈良県生まれ。精神科医。相愛大学、高野山大学客員教授。専門は思春期精神医学、精神療法。臨床に携わる一方で、テレビ・ラジオでコメンテーター、映画評論、漫画分析など多方面に活躍。著書に『自分を支える心の技法』(小学館新書)など多数。

スカッと怒れなくなって根にもつ被害者体質に

浜島 初めまして。些細なことでイライラしやすい浜島です(笑)。

名越 そうなんですか! 明るくて健康的なかたに見えますけど。

浜島 私は23歳で結婚、38歳で息子を出産して、20代、30代もイライラしたり、怒ることはあったのですが、当時はスカーン! いってやったぜ!という感じで、鮮やかだったんです。

名越 女子プロでドロップキックを決めたぜ!みたいな。

浜島 そんなすっきり感。でも45歳になった今、どうも前とは違う。夫にも子供に対しても、前は笑い飛ばせていたことにイライラして。根にもってしまって昔より被害者体質になったというか。

名越 内向する感じね。

浜島 いつも疲れていて、なんだかうつうつ。毎日がグレイッシュでぼんやりしています。

名越 年齢的には更年期の影響もあるのかもしれません。僕も48歳で男の更年期がドカーンときました。だるさとうつっぽさとイライラと、つらいですよね。

浜島 先生はどうやって乗り越えたんですか。

名越 仏教を本気で学びはじめて、瞑想とストレッチを。

浜島 なるほど。確かに更年期も近いし、自律神経の不調はありそうです。夫に怒ってしまったあとも、ああ、また怒っちゃったと自己嫌悪に。疲れていて小2の子供と同じテンションで遊んであげられないことも申しわけなくて。

名越 僕も今、小学校2年生と真正面から遊ぶのは体力的に無理ですよ(笑)。ちなみに、モデルさんだから、朝食と運動は意識してますよね。

浜島 私、朝は食べないんです。

名越 え、本当に?

浜島 息子の残りをつまむ程度。

名越 バランスよくつまんでいるならいいんですが……。僕の知り合いの女性は、毎朝息子のためにはフルコースで作るのに、自分はバナナだけ、おにぎりだけという人がいて。心の問題を科学で解決するのはあまり好きじゃないんですけど、自律神経のバランスを整えるなら朝食はけっこう大事。幸せホルモンのセロトニンの材料になるトリプトファンをとるために、タンパク質とビタミンはマスト。それと太陽の光と運動は、イライラ解消には有効です。

浜島直子さん×名越康文さん

「“同調”を重んじた教育を受けてきた世代。気持ちを押しこらえてしまうことがあるんです」
─名越先生

[浜島さん]ブラウス¥52,800・パンツ¥27,500・イヤカフ¥13,200/ボウルズ(ハイク)

浜島 気をつけます。前にも好不調の波があったから、きっとまた気分が高揚する日がくる、と信じていて。あと、名越先生の著書を読んで、今のイライラ、うつうつも経験として必要で、意味があるんだと思うことにしているんです。

名越 それは超ポジティブ。でも正直少し心配にもなります。浜島さんのように、妻で母で仕事もして、という立場だと、マストなルーティンが多いでしょう? デキる自分に知らぬ間にこだわってしまう人が多いと聞きます。でも30代後半からは誰だって体力は落ちていく。だから、“べき”ができていない自分や相手にイライラしてしまうんですよね。テキトーにやる自分を許したり、夫には週1、2回外食してもらったり、家族を協力者にして自分の新しいライフスタイルを見つけることこそ成長の証しです。柔軟な自分探しもしてほしいですね。

浜島 なるほど。エクラ読者の悩みも、重箱の隅をつついている自分がダメ、と自己嫌悪に陥っている人が多いような気が。

名越 本当にそう。自動的に自分を責める考えがわいてしまって負のサイクルに入ってしまう。心理学では、それを改めましょうというけど、“心がけ”で治せるほど簡単ではありません。だから僕は、体のコンディションをよくして自律神経が整わないと、考え方は変わらないよ、というんです。体が変わる40代以降は、ライフスタイルを見直さないと。

浜島 特に朝の習慣を。

名越 そう。それをやると睡眠の質が変わるからね。そこをクリアできてもまだイライラするなら、何か別の問題がある。まず、本当はこうしたい、という気持ちをノートに書き出してみてほしい。

浜島 可視化するんですね。

名越 特に女性は、子供が自我をもちだしたら、心を離さなくちゃいけないタイミングがくる。一段落してふっと子供と距離感ができたときに、私これからどうしたらいいの?となるんです。そういう不安やモヤモヤが実は原因だったりも。

浜島 まさにそれを感じていて。手がかからなくなって時間ができたら、私何も趣味がない! 心ちむどんどんするものがない!って。最近は常に疲れてうつうつしているから、そう思っちゃいます。

名越 もともとアップダウンが大きい気質でなければ、対人関係で見ないようにしている不安がある可能性も。

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撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/ナライユミ(浜島さん) スタイリスト/村山佳世子(浜島さん) 取材・原文/片岡えり ※エクラ2022年8月号掲載

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