加齢黄斑変性という目の病気にかかる人が、50代の仕事仲間にちらほら。コロナ禍以降の急激なデジタルシフト生活で目の負担が増え、加齢黄斑変性にり患する人が増えているという噂も。今ですら近視と老眼で視力に難儀している小田。この上別の目の病気を患ったらタイヘン! ということで、加齢黄斑変性がどんな病気なのか、専門の医師、尾花 明先生にお話をうかがってきました。
公式サイト
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加齢黄斑変性にかかると、道路のセンターラインや歩道の縁石が曲がって見える
近頃、”加齢黄斑変性”という病名をよく耳にするように。なんでも、加齢にともなってかかる人が増える目の病気と聞いたのですが、白内障や緑内障は気になっていたものの、”加齢黄斑変性”のことは詳しく知りませんでした。
「加齢黄斑変性は、もともと50歳以上の人が多くり患する目の病気。高齢者人口の増加にともなって患者数が増えたのは事実です。また、食生活の欧米化、光環境の変化も日本人が加齢黄斑変性にかかりやすくなっている要因です。
加齢黄斑変性が進むと、たとえば仕事中エクセルの表がゆがんで見えたり、車を運転していて道路のセンターラインや縁石がゆがんで見え、危ない思いをします。さらに進むと視野の一部が欠け、話している相手の顔が見えない、景色が見えない、食べ物を見ていても何を食べているのかがわからない、読み書きができないという状態に陥ります」と尾花 明先生。
それは怖い病気ですね。普段の生活に大きな影響が出てしまう。
「そうなんです。しかも加齢黄斑変性は、一度かかってしまうと一生治らず、治療を続けていかなければなりません。ですので、50代のみなさんにはぜひ加齢黄斑変性という病気を知っていただいて、予防を心がけていただきたいのです」。
スマホやPCを見続ける生活、野菜&フルーツ不足、魚離れが加齢黄斑変性を誘発
そもそも、加齢黄斑変性とは目にどのようなことが起こる病気?
「黄斑は、目の奥にある網膜に分布している視細胞のうち、ものの形を見極める錐体という細胞が集中している部分。黄色い色素があるので黄斑という名前がついています。この黄斑が酸化によって壊れてしまうのが加齢黄斑変性です」。
黄斑の酸化はなぜ起こるのですか?
「強い光を浴び続けることによって酸化を起こします。スマホ、PCはもちろん、夜間の明るすぎる照明も黄斑に酸化ストレスを与えています」
スマホでドラマを見続けたり、PCでずっと作業を続けたり、リモートで会議をしているあいだ中、黄斑にダメージを与えていたんですね。
「その通りです。人類はデジタル生活にシフトして、誕生以来もっとも深刻なダメージを黄斑に受けています。それに加えて食生活の変化。黄斑には、光による酸化を防御するために黄色い色素、ルテインやゼアキサンチンといったカロテノイド色素がもともと備わっています。ところが、日本人はカロテノイドの材料となる緑黄色野菜や果物の摂取量が不足。また肉食生活により、抗酸化に欠かせないDHA、EPAを含む魚の摂取も不足。これでは加齢黄斑変性患者が増えても仕方ありません」
黄斑の色素を補いきれていないんですね。
「実際、加齢黄斑変性を患っている人は健常なひとより黄斑色素の量が少ないことがわかっています。コレステロール値高め、血圧高め、血糖値高めの人も野菜や魚が不足しているはずなので要注意。ちなみに、加齢黄斑変性にり患する人で、コレステロール値、血圧、血糖値高めな人は多いです。
それと、タバコは論外! タバコを吸っていたら、いくら食事に気をつけても、元も子もありません」
デジタル機器を長時間見つめることは、老眼や乱視、白内障やドライアイ、肩こりを引き起こすだけでなく、加齢黄斑変性の原因にも。
加齢黄斑変性をセルフチェック。健康診断の眼底検査の結果もしっかり確認
コレステロール値高め、血圧高めの小田。なんだかとても心配になってきました。加齢黄斑変性にり患しているかどうかは、どうすればわかりますか?
「眼科ではアムスラーチャートという碁盤の目状の線で描かれたチャートで、ゆがむ場所とその程度を調べます。エクセルの表でもできますので、ぜひやってみてください。
30cmほどの距離から、片手で目を隠し、片目ずつ表の中央を見つめます。
●線にゆがみや途切れ、色が薄くなっているところがないか
●部分的に影(暗いところ)がないか
をチェックしましょう。
気になることがあれば、眼科を受診。眼底検査で網膜の状態を調べます。日本人に多い滲出(しんしゅつ)型の加齢黄斑変性にかかっている場合、眼底に出血やむくみが見られます。眼底検査は健康診断や人間ドックでも行っています。結果をしっかりと確認しましょう」
エクセルの表でゆがみや影はありませんでしたが、加齢黄斑変性はだれがなってもおかしくない病気だと今回初めて知り、予防を心がけようと心に誓った小田。次回Vol.2では具体的な予防法と、患ってしまった場合の治療法をお届けします。目は一生の友。ぜひご覧ください。