エクラ世代の女性に多いのが睡眠に関するトラブル。そんな悩みの改善の手助けをしてくれるのが、産婦人科医の高尾美穂先生が提案する「ぐっすりヨガ」。睡眠の重要性とぐっすりヨガの効果を高尾先生が解説!
睡眠不足だと体と脳が修復されず、多くのトラブルが
エクラ世代には睡眠の悩みを抱えている人が多数。このことについて、産婦人科医の高尾美穂先生にお話をうかがった。
「健康とは、食べる、動く、休むという3つの要素が正三角形になることといわれていますが、年齢を重ねるとどうしても動く量が減るので、必要な睡眠時間も減っていきます。ですから若いころより睡眠時間が短くなるのは、ある程度当然だということをまず知っておきましょう」
しかしながら、この体の変化とは別に、アラフィー女性は生活習慣から睡眠不足を招いている人が多いという問題が。
「更年期の女性は、睡眠に不満を感じている人が多いというデータがあります。特に多い問題は睡眠時間の不足です。一日の24時間は、睡眠に8時間、働くのに8時間、自分の好きなことなどほかのことをする時間が8時間と3分割されるのが理想的。ただ、忙しいエクラ世代の女性は、好きなことをする時間に介護や家事なども入ってきてこの時間が足りなくなって、睡眠時間を削る人が多いのです」
睡眠時間が不足することで心身に起こる問題は想像以上に大きいという。
「睡眠不足だと、ミスが多くなる、作業のスピードが落ちる、記憶力が下がる、正当な自己評価ができなくなる、クリエーティブな発想が生まれにくくなる、社会性が低下する、執着心が強くなるなどといったことが報告されています。睡眠には、日中に受けた体と脳のダメージを修復する役割があり、睡眠時間が足りないと正しく修復されにくくなるからです。睡眠は、ただ寝ているだけの時間だと思っている人が多いので、削ってもいいと思いがちですが、実は起きている時間をよりよくするための時間でもあるので、十分に確保するべきなのです」
睡眠不足だと昼間に眠くなるので、昼寝をする→夜眠れなくなる→寝酒をする→夜中にトイレに起きるなどといった悪循環も招きやすいとか。つまり睡眠のトラブルのベースにあるのが睡眠不足。では、理想的な睡眠時間とは?
「睡眠は実質7時間とるとよいとされているので、ベッドに入っている時間を7時間半〜8時間にするのがベスト。ただし、必要な睡眠時間には個人差があります。睡眠時間が足りているのは、日中に一瞬たりとも眠くならない状態のこと。日中にうとうとするなら睡眠不足です」
一日の1/3は「睡眠」に当てるよう強く意識!
ぐっすりヨガは副交感神経を高め、睡眠の質を上げる
睡眠不足を解消するには、もちろん自分で寝る時間を確保する努力をすることが大前提。それに加えて取り入れたいのが、高尾先生おすすめの“ぐっすりヨガ”。
「ストレスフルな現代人は、夜になっても心身を活動モードにする交感神経が優位になっていることが多いですが、この状態だと寝つきが悪くなり、眠りも浅くなります。ぐっすりヨガは、ゆったりとした呼吸とともに体を動かすので、心身をリラックスさせる副交感神経が優位な状態に切り替わります。また、体の各パーツの筋肉にいったん力を入れてからゆるめる漸進的筋弛緩法を取り入れているので、心拍数がゆるやかに下がっていき、寝つきがよくなって、眠りが深くなり、睡眠時間も延びます。10分ほどでできるので寝る前にベッドの上などで行いましょう。毎日行うのがおすすめですが、眠れないときなどに行うだけでもOK」
下記のような高尾先生が実践している方法も取り入れて、質のよい眠りを手に入れよう。
【高尾先生実践】よい睡眠のためのナイト・ルーティン
照明は暗めに。入浴などでいったん深部体温を上げて
「蛍光灯の白い光や、スマホやパソコンの発するブルーライトは覚醒作用があるので夜はなるべく避け、部屋の照明を暗めにしましょう。また、眠気は深部体温が下がるときに訪れるので、就寝の90分ほど前に入浴をしていったん体温を上げると、その後下がっていくときに眠気が訪れて寝つきがよくなります。時間がないときはシャワーや、手浴、足浴だけでもOK。温かい飲み物を飲むのも深部体温を上げるのに効果的。ただし、覚醒作用があるカフェインが入ったコーヒーや緑茶などは避け、白湯などに」
パジャマに着替えるなどの入眠儀式で寝つきやすく
「部屋着のまま寝ずに、パジャマに着替えるのも“これから寝るよ”というスイッチが入るので◎。リラックス効果のあるアロマを漂わせたり、耳栓やアイマスクをするのも睡眠の質を高める効果があるので、いいですよ」