老眼をはじめ、エクラ世代に押し寄せてくるさまざまな目の不調、目の病気。加齢に伴う生理現象だが、網膜剥離の前兆として生じている可能性のある「飛蚊症」の症状や予防について、眼科医の梶原一人先生に聞いた。
教えてくれたのは…
目の前に浮かぶヘンなもの。急激に増えた&消えたとなったら眼科へ!【飛蚊症】
加齢に伴う生理現象だが、網膜剥離の前兆には要注意
「明るい場所に出たときや白い壁などを見たときに、視界の中に小さなゴミが浮かんで見える――。このような症状を『飛蚊症』と呼びます。眼球内はゼリー状の物質・硝子体で満たされていますが、これが収縮することで硝子体中にしわが寄ったり、なんらかの理由で内部ににごりが生じると、先述の症状が現れます。硝子体がしぼむスピードには個人差がありますが、やはり年齢を重ねるとともに飛蚊症を発症する人が多いですね」
肌にシミやしわができるのと同じで、軽い飛蚊症は生理現象なので心配無用。最近ではレーザーでにごりを散らすことも可能にはなった(自由診療)。
硝子体の老化によって、こんなものが見える!
「ただし、別の病気が原因で飛蚊症の症状が現れることがあるので、注意してください。一番怖いのが『網膜剥離』です。硝子体がしぼむと、その外側にある網膜が引っぱられて穴があいたり、剥がれたりして網膜剥離が起こり、視野の一部が欠損。さらに進んで網膜の中心部(黄斑部)が剥がれると、失明の危険が高まります。網膜が剥がれてもまったく痛みを感じず、ほかに自覚症状がありません。もし、黒い点の量が急激に増えたり、その黒い点が2~3日で消えてしまうなど症状が突然変わったときは、網膜剥離の前兆かもしれないと考えて一刻も早く眼科を受診してください」
急に増えた場合は網膜剥離かも!?
硝子体のにごりが浮遊物のように見えるのが飛蚊症。ただし、背景に危険な病気が隠れていることがあり、特に怖いのが網膜剥離と硝子体出血だ。後者の場合、出血が網膜に映ってインクが流れ出したような見え方になる。
主な治療法は?
生理的な飛蚊症は治療しないことが多い
生理現象の場合は治療しないのが一般的。レーザーを使って硝子体のにごりを散らす治療法もあるが、完全には取り除けないことが多い。
網膜剥離の前兆の場合は、レーザー治療、手術を行う
早期発見では、レーザー治療器を使って網膜が剥がれた部位周辺に熱を加え、網膜と下の層を固着させる。黄斑部が剥がれた場合は外科手術を行うが、視力が回復しなかったり、後遺症が残ることがある。