きっかけは「最近、うちの夫婦の会話、業務連絡だけなんですけど、このままだと将来どうなっちゃうのかな……」という編集部員のひと言。人生100年時代、あとン十年続く夫婦関係を考えるとよぎる不安。いったい、みんなはどんな話をしているの? 夫婦の会話のあれこれを大調査!
夫婦の会話の実態、大調査!
Q1.夫婦の会話が減ったと感じますか?
\アンケートから見えてきた/
会話がなくても、特に気にしていない人が多数!
「会話が減った」と回答した人は約4割で、意外に少ない!? ただNOの中には「会話量を気にしたことがない」や「もともと会話が少ない」「今はいいけど、この先子供が巣立ったら怖い……」という声も多かった。また、会話が減ったことを気にする人は3割以下で、その背景には「面倒な話はサラッと流して夫婦の平穏を守る」「必要なことは話しているから問題ない」など、経験を重ねた夫婦らしい“人生の知恵”がありそう。
Q2.夫婦の会話が減った理由は?
・お互いに忙しいから。(53歳・フラワーデザイナー)
・共通の話題があまりにもない。(54歳・主婦)
・子供について話すことが多かったので、その子供が成人し、あまり話すことがなくなった。(52歳・主婦)
・夫が疲れてうたた寝することが多くなった。(57歳・会社員)
・マンネリ化。(52歳・会社員)
・趣味が合わなくなってきたのと、夫が説教ばかりでうるさいため。(56歳・パート)
Q3.1日にどれくらい夫と話をしていますか?
・ほとんどしない…10%
・5~10分程度…19%
・30分程度…26%
・1時間程度…27%
・1時間以上…18%
Q4.会話が減ったことを気にしていますか?
●YESの理由
これからふたりの時間が増えるので共通の趣味や話題があったほうがいい。(53歳・講師)
寂しく感じるから。(57歳・自営業)
「夫婦はこうあるべき」というイメージに縛られているのかもしれませんが、相手のことを理解するためには会話が必要だと思うから。(52歳・会社員)
●NOの理由
お互いの時間を尊重したいから。(56歳・公務員)
以前は会話が多かったぶん、けんかも多かったから。今は会話も少ないがけんかもない。(56歳・事務)
必要なことは話すので、このくらいでいいかなぁと。(52歳・主婦)
無理に話そうとすると、かえって疲れるので。(54歳・主婦)
話さなくてもそこにいることがわかれば不安はない。(51歳・主婦)
Q5.夫と話をしていて楽しい?
\アンケートから見えてきた/
夫と話しているときは楽しい。でも、不満に思うことも多々
「夫との会話が楽しい」を選んだ人の中で予想外に多かったのが、「夫との会話=あたりまえの時間」「夫と話をすると心が整う」など、夫婦の会話が人生で重要な位置を占めているという回答。いっぽうで、「夫がガンコで話をすると心が傷つく」「夫との楽しい会話はあきらめた」という不満の声も。仲よく平穏に夫婦の時間を重ねることのむずかしさが回答から見えてくる。
Q6.夫との会話を不満に思うことは?
《あるの理由》
・私の話をまったく聞いていない。何度も同じことをいうことになる。(55歳・主婦)
・仕事でつらかったことを話しても、女同士のように共感してもらえず話がはずまない。(48歳・パート)
・ただ、話を聞いてほしいだけなのに、私の意見を否定して自分の意見を押しつけてくる。(55 歳・フードスタイリスト)
・上司のような言葉遣いをされる。自分のほうが上だという態度をとられる。(47 歳・パート)
Q7.夫との共通の話題は?
1位:子供
2位:旅行
3位:グルメ
4位:ペット
5位:スポーツ(野球やゴルフなど)
6位:仕事
7位:エンタメ、芸術
8位:親の介護、ニュース・政治、老後の暮らし
会話が続かない「6タイプの夫」
アンケートで多かったのはこの6タイプ。
【スピーカー夫】
妻の話題を横から奪う「会話泥棒」。症状が悪化すると自分語りに終始する「会話ナルシシスト」に。
【お地蔵さま夫】
会話中の反応が薄く、その姿は地蔵さま?「私の話を聞いてる!?」と、常に妻を怒らせている。
【ゲーマー夫】
家に帰れば即ゲーム。夫婦の会話中もコントローラーを手離さず、妻をゲンナリさせている。
【ウルトラマン夫】
興味のない話が3分続くと、ウルトラマンのように燃料が切れて、心のシャッターを閉じてしまう。
【上司夫】
妻は話を聞いてほしいだけなのに、上から目線で突っ込み&説教を始め、妻の心をへこませる。
【スタンプ夫】
何を話をしても答えは「うん」か「そうだね」。スマホのスタンプのように返事をひと言ですませる。
夫婦の会話のリアル「夫と昨日、何話した?」
業務連絡以外で夫と何をしゃべってる? いったい、みんなはどんな話をしているの? 「夫との会話の内容」についてアラフィー女性にアンケートを実施。寄せられたエピソードの一部をご紹介。
・私「ペットにエサあげた?」、夫「あげたよ」、私「そっか。あげたんだ」。ほめすぎると、そんなことくらい俺もできる、と怒られたことがあるので、気づいているよ、ということだけを伝えるようにしています。(56歳・会社員)
・電気代の値上げの話。できるだけ抑えられることは抑えよう!というような話をしました。が、夫は夏はエアコンはガンガンつけたい、私は体が冷えないためにも27〜28℃設定でいい、とお互い譲りませんでした。(51歳・自営業)
・夫がゴルフ中、ぎっくり腰になったので健康について。夫婦でぎっくり腰経験者ということもあり、原因、治療先、食生活の見直しなどについて話しました。(50歳・デザイナー)
・メジャーリーグで活躍している選手の話をしました。夫がこういう選手がいるんだよ、と熱弁していましたが、私は「へ〜そうなんだ〜」と聞いているだけでした。選手と名前が一致しないので夫の熱弁には笑顔で対応するくらいです。(52歳・主婦)
・海外の豪華クルーズの話。夫が行きたい場所を網羅しているクルーズについて話したが、ふたりで1千万円以上かかるので、残念だけど今世で行くのは無理だねえ、と笑いながら話していた。(59歳・主婦)
・夕食のときだけ顔を合わせてしゃべるので、「仕事でこんなことがあった」とか「小梅が届いたので、梅干し用に漬けはじめた」とか話してました。(55歳・インストラクター)
・次の日のスケジュール確認。夕食の有無など。携帯電話をいじっていて、返事がないことが多く、聞いてる?って確認することがストレスです。(45歳・会社員)
・近い将来、夫婦でどこに住みたいか、という話。自宅と田舎の2拠点生活を模索していて、ネットで素敵な古民家を発見したりすると盛り上がる!(50歳・医療関係)
・愛犬の爪が当たると痛いので、爪切りだけでなく、爪やすりも使おうかと、話し合いで決めました(59歳・講師)
・録画しておいたドラマについて、「ドラマの内容が今ひとつだね」とか「この俳優の演技がいい」とか。(54 歳・公務員)
この先、夫と会話がなくても大丈夫?
あとン十年続く夫婦関係を考えるとよぎる不安。いったい、みんなは夫とどんな話をしているの? 夫婦で心地よく会話をするためのコミュニケーション術を会話の専門家・五百田達成さんが解説!
夫とおしゃべりを楽しみたいなら“もっと話したい”と言葉で伝えて
夫婦の会話に関するアンケートで、6割近い読者が「会話は減っていない」と回答。
「業務連絡でも会話があるうちはまだいいですが、近い将来、夫の定年や子供の独立などで業務連絡すらなくなるときがくるかもしれません」と五百田さん。
注目するのは、「会話が減った」と回答した人の7割以上が「会話の減少を気にしていない」と答え、なかにはあきらめモードの人も多いことだ。
「会話が少なくても意思の疎通はできている、という夫婦もいます。問題なのは、夫婦のどちらかが『うちは会話レスでも大丈夫』と思っていても、実は相手は不満を口にできず、ため込んでいるケース。読者世代は、昭和の“亭主関白と従順な妻”という夫婦像が色濃く残る時代を経験している人もいますから、『夫ともっと話したい』と思っても、無意識に胸に収めているのかもしれません。ふたりで老後を迎えたとき、会話がなくてつまらない!と後悔しないように、50代のうちに夫婦の会話を見直してはどうでしょうか」
確かに、アンケートの回答でも、「夫と何げないおしゃべりを楽しみたい」という声が少なくない。
「ロジカルで端的な会話が得意な夫にとって、いきなり、とりとめのない会話を楽しむのは難易度が高いので、まずはふたりの間になんでも話しあえる土台をつくりましょう。それには、『結婚は起業であり、夫婦は家庭=会社の共同経営者である』、という発想を夫と共有できるといいですね。たまにはきちんと口に出して『ふたりでもっと話をしたいけど、あなたはどう?』と聞いてみても。夫の本音を確認できるし、妻の思いが伝わって夫婦の会話に前向きになってくれるかもしれません」
夫婦の会話は、時代によっても変わってきた!?
「亭主関白」 的な、昭和夫
亭主関白で「夫婦なら言葉にしなくても心が伝わる」が信条の夫と、従順な妻の組み合わせは必然的に会話レスになりがち。その結果、妻が不満をためてしまうケースも!?
「操り人形」的な、平成夫
夫婦の主導権を夫から妻が握る時代へ。家に大きな子供がいると思って、「助かる!」「ありがとう!」を連発、「夫を思いどおりに動かす」のが平成カップルの流儀だ。
「共同経営者」的な、令和夫
「ほめて夫を動かす」など、妻だけに負担がかかるのはNG! 夫婦は対等なパートナーで、家庭の運営にはビジョンの共有が必須。何事も話し合いで解決するのがモットーだ。
【夫のタイプ別】コミュニケーションの土台づくりのヒント
【スピーカー夫】
妻の言葉をさえぎり、会話の主導権を平気で奪うスピーカー夫は、逆に奪い返されてもなんとも思わない。相手の流儀に従ってこちらもガンガン話し続け、主導権を握ってしまおう。
【お地蔵さま夫】
反応が薄い=話を聞いてないとはかぎらないので、無理に反応を求めないこと。夫が好きそうな話題を選び、目を合わせて話すと、会話を楽しもうという妻の熱意が伝わるかも。
【ゲーマー夫】
同じ家で暮らす夫婦にとって時間と空間は大事な共有財産。「ふたりでいるときはゲームをしない」「趣味の時間を決める」など、ルールをつくって会話レスの原因を解決しよう。
【ウルトラマン夫】
会話というより、情報シェアのスタンスでいたほうが夫も話に乗りやすい。スマホのニュースから話題を提供したり、会話中にラジオを流して話のきっかけをつくるのもおすすめ。
【上司夫】
やたらと持論を展開したがるので、会話の前に「意見もアドバイスもいらない、話を聞いて共感してほしいだけ」と釘を刺しておくと、最後まで黙って耳を傾けてくれるかも!?
【スタンプ夫】
言葉数が少なく会話が省エネ化している夫は、AIの教育と同じ感覚で語彙力をアップ。「それで?」「どんな感じ?」など次の言葉を引き出す質問をどんどん投げかけてみて。
五百田達成『不機嫌な妻無関心な夫 うまくいっている夫婦の話し方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。
「夫との会話」が盛り上がるコツって?
50代、夫との会話が自然に盛りあがるコツとは? 聴く力の達人であるアナウンサー堀井美香さんは、「スルーしたくなる内容でも、夫の話にはいったん、耳を傾けて」いるという。堀井さんの“聴きポジ”の極意を伺った。
スルーしたくなる内容でも、夫の話にはいったん、耳を傾けて
昨年、TBSを退社し、フリーアナウンサーとして活躍する堀井美香さん。『聴く力』をテーマにした新著『聴きポジのススメ』で、「相手の気持ちに寄り添い、話を最後まで聴くポジションをとることができると、人間関係がより豊かになる」と解説。今、“堀井流聴きポジ”に対する関心度が高まっている。家庭でも聴く力を発揮して、夫婦の会話を盛り上げているのだろうか。
「30~40代はお互いに忙しすぎて、会話といえば、ほぼ業務連絡でした。最近、夫(TBS社員)がドラマづくりの現場を離れ、以前より家で過ごす時間が多くなったのですが、おかげで夫婦の会話が増えたかというと、特にそういうことはなくて。私にとって家庭は静かに過ごしたい場所ですし、無理してしゃべらなくちゃとか、相手に気を使わなくていいのが夫婦のよさだと思うんです」
とはいえ、「とりとめのない話はよくします」と堀井さんは続ける。
「将棋に釣り、キャンプ……。彼には多彩な趣味があり、私とは興味の対象が全然違うので、趣味の話を聞くのは毎回発見があって楽しいです。テレビの将棋番組を見ながら、『解説する棋士のダジャレがおもしろいんだよ~』とか、ふだんの自分なら完全にスルーしてしまう情報を得ることもあります(笑)」
それがどんな話題であっても、一瞬、家事の手を止めて、夫の話に耳を傾けるという。これぞ、堀井さん流聴きポジの極意!? 「妻(夫)は自分の話を拒絶しない」とわかると話しかけやすいし、会話レスを解消するきっかけになってくれそうだ。
「“わかる~”“完璧なんだけど!”など、威勢のいいかけ声を大切にしています(笑)」
ふたりがご機嫌でいることが夫婦の会話がはずむ秘訣
「いい相づちを打つと会話が盛り上がりますが、最近、同世代の友人たちの間で、話の最中に『その案、最高だね!』とか、『それ、完璧!』とか、威勢よくほめ言葉をかけるのが流行(はや)っているんです。年齢を重ねると、ほめられたり応援されたりする機会が減ってくる、だからお互いに声をかけあって元気を出そう、みたいな感じなんですが、これって夫婦の会話でも活用できますよね」
確かに、ほめあうことで夫婦の関係性がもっとよくなりそう。
「ほめ言葉をかけるときは、これって嘘っぽい?とか考えずに、勢いよく口にしてください。『いいね』といわれると気持ちがアガって笑顔になれるし、夫婦がご機嫌でいれば、無理に話題を探さなくても自然と会話がはずむ、そう思いませんか」
「無理に話題を探さなくても、お互いがご機嫌なら会話ははずみます」
堀井美香『聴きポジのススメ 会話のプロが教える聴く技術』(徳間書店)
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