エクラ2023年1月号の付録カレンダーや最近の句会で評判を集めた山猫こと山本容子さんの俳句から、宗匠 小林恭二さんが選抜&講評! 今回は山本さんならではの感性あふれる3句を紹介。
俳句の世界に心惹かれたら、1月31日まで募集中の「うらら句会」(エクラ5月号で結果発表します)へもぜひ俳句を投稿してみてください!
浴衣脱ぎ袋帯干す花野かな
講評
「浴衣脱ぎ」という行為には一定のエロティシズムがあります。しかしそこが句のキモではなく、その証拠に脱衣という行為はすぐに「袋帯干す」というお片づけにとってかわられます。しかしこれも一句の中心ではない。これらを全部まとめるものとして提示されるのが「花野」です。花野といっても秋の花野ですから、春とは違うシックな色合いを想像しなければなりません。その中では浴衣も袋帯も主人公も皆点景となり、花野に収斂されてゆきます。秋の大景としてとらえたい句です。
那須五山霧の帽子はお揃ひに
講評
那須五山は那須を見守る大きな顔です。それはいってみれば歴代大統領の顔が並ぶアメリカのラシュモア山みたいなものかもしれません。その那須五山がおそろいの霧の帽子をかぶっているのだという。那須高原に起居する山猫さんの日常がよく出ています。
ハスカップ雨降りお月さま食べた
講評
ハスカップは童話の中の果物のような優しい形と色をしています。熾烈な生存競争の末できたというより、子供が「こんな果物があったらいいな」と画用紙にクレヨンで描いたような造形といえばいいでしょうか。それを「雨降りお月さま食べた」のだという。美しい童話の世界です。
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