オリジナルのメモ活用術を考案し、「書き続ければ人生が変わる」と、メモ活の効力を解説する精神科医の樺沢紫苑先生。エクラ世代は、もの忘れの防止策としてだけでなく、自分を見つめ直し、自分の世界を広げるためのアイテムとしてもメモを活用してほしいと語る。
教えてくれたのは
大事な気づきは、すぐにメモして記憶に定着させる
年々増えてくるもの忘れ。「年をとれば記憶力が落ちるのはしかたない」とあきらめていないだろうか。「加齢によって記憶力が衰えることはありません」と語るのは、精神科医の樺沢紫苑先生。「実は低下するのは記憶力ではなく、脳にストックされた情報を“引き出す力”なんです。大事なのは記憶を定着させることではなく、引き出す力をどう高めるか。そこで実践してほしいのがメモ活です」
例えば、読書や映画鑑賞の最中に心にグッとくる場面や名言と出会ったら、できるだけ早く題名やその言葉(場面)、感じたことなどをメモしておく。
「その瞬間は『すばらしい物語だ』と思っても、人間の記憶は長続きしないもの。感動はしたけど、どんな内容だったのか思い出せないということがしばしば起こります。一方で記憶というのは、なんらかの手がかりがあると引き出しやすくなるので、記憶のカギ、つまりメモを見返すことで作品の記憶が蘇ってくるんです。日常生活でもメモ活は有効です。仕事や家事の最中に何かを発見する、ふといいアイデアが浮かぶ、ということがありますよね。こうした一瞬のひらめきはあっという間に消えてしまうので、やはりメモにしておくことが必要なんです」
メモアプリもいいが、手を動かすと脳が活性化されるので、おすすめは紙のメモ。また、見返しやすいようにメモはなるべくひとつにまとめて、と樺沢さん。「さらに大事なのは、せっかくのメモを単なる記録にしないために、『気づき』と『TO DO』を書き加えることです。気づきとは、例えば『自分も主人公のような広い視野をもちたい』など、考えたり感じたりしたこと。TO DOは、気づきを現実にするために自分は何をすべきなのか、例えば関連分野の本を10冊読むなど、具体的な行動目標です。残念ながら人の脳は、メモに書いたことも時間とともに忘れがち。せっかくの気づきや行動目標を忘れてしまわないようにメモをときどき見返しましょう。メモに書いた情報は料理でいえば素材で、それを集めて調理することで意味が生まれます。書きためたメモを活用して、ぜひ自分の世界を広げることに役立ててください」
エクラ世代のメモ活5カ条
❶ノートでもアプリでもOK
❷メモはなるべくひとつに集約する
❸できるだけすぐ書く
❹感想や考え、TO DOも書く
❺何度も見返す
メモ活をすると、こんなにいいことが!
目標をメモにして何度も見返すと実現しやすくなる
メモからアイデアや気づきが生まれ、それを行動目標にして実行することがメモ活の最終ゴール。人の脳は大事な目標さえ忘れやすいので、何度もメモを見返してやる気を高めよう!
脳のメモリをすっきりさせて集中力を高める
一時的に情報を保存&処理する脳のメモリは意外に少ない。あれもこれもやらなきゃという雑念が出ないように懸案事項をメモしておくと、メモリがすっきりして目前のことに集中できる。
メモ活を続けると自己分析力が高まる
メモ活初心者は書く内容や書き方にこだわらず、とにかく書いてみる。すると、情報のストックを通じて自分の「好き」や「こだわり」についての新たな気づきがあり、アイデアがわいてくる。
メモする=アウトプットすることで情報が脳に定着する
情報をアウトプットすることで、記憶が定着するといわれている。メモをとるのはアウトプットのひとつ。さらにメモしたことをSNSに投稿したり、誰かに話したりすると記憶が強固になる。
聞き逃しやうっかりやり忘れがなくなる
人の話を漫然と聞いていると役に立つメモはとれない。何をメモすべきか考えながら話を聞くから『聞く力』が高まるし、大事な言葉を逃さずメモするので、うっかりやり忘れることがなくなる。