前回にひき続き、ミュージカル『モダン・ミリー』に出演の朝夏まなとさん、一路真輝さん、夢咲ねねさんのトークをお届け。前回はそれぞれが今感じている「モダン」なことを教えていただいた。朝夏さんは陶芸、夢咲さんはガラス工芸と教習所通い。さて一路さんは?
おにぎり、ごま豆腐にごま団子?何かを夢中で作り続けて
――一路さんにとって今「モダン」なことって何でしょう。
一路 モダンかどうかわからないけれど、私が今はまっているのは、おにぎりなんです。JR大塚駅近くの「おにぎりぼんご」のおかみさんが、ドラマの監修の時につきっきりで教えて下さったの。卵黄のしょうゆ漬けを自分でも作ってみたりして。好きなものは突き詰めるところがありますね。
朝夏 卵黄のしょうゆ漬けってなんだかすごくないですか⁉
一路 一度凍らせておいた卵から卵黄だけ抜き出すの。それをしょうゆ漬けにして冷蔵庫に入れておくと溶けない黄身ができる、というのを教わって。今度作ってきてあげる。
朝夏・夢咲 やった!
一路 でも問題が一つだけあるの。卵白がすごく余る(笑)。
夢咲 なるほど!
一路 かといってメレンゲやお菓子を作る気力はない。そもそも卵白が余り過ぎるというのが原因で、作らなくなっちゃったしね(笑)。たくさん余る卵白、誰かもらってくれる人いないかな。
朝夏 それ、稽古場で募りましょうよ!
一路 食べることを自分流にするのが好きかもしれないな。あとね、ごま豆腐って栄養満点だけど食べ続けると飽きるじゃない? 片栗粉を付けて揚げて、だしじょうゆで食べるとこれがまたおいしくて。
夢咲 趣味というより、特技って言えますよ。
一路 いやいやいやそれくらいじゃ特技って言わない。言ってるけど(笑)。でもちょっと凝ったことをしたくなる時が突然やってくるんですよ。現役のときもごま団子作ってたしね。
朝夏 えっ!? なにか今すごいことを言いましたね?
一路 毎日白玉粉と格闘してた時期があって。揚げる温度によっては爆発しちゃうの。もう散々爆発させて、いろいろ研究したものです。
――えっとすみません、それは、研いくつくらいの頃ですか。
一路 二番手くらいの頃かな。
朝夏 え~! ある意味一番忙しい時じゃないですか。あ、でも粉をこねるという点では陶芸と通じるものがありますね。
一路 そうそう。こねて全身真っ白になって。大事なのは団子の厚みと揚げる油の温度。油断したらすぐ爆発するからね。
朝夏・夢咲 ……一路さんすごいんですけど。
懐かしい文字を手紙に見つける喜び。気が付くと周りがキラキラ
――お三方とも宝塚歌劇団のOGでいらっしゃいますが、宝塚といえば「お手紙文化」が盛んという印象があります。コロナ禍以降状況は変わったようですが、かつては出待ち入待ちなどでファンレターが飛び交っていました。
朝夏 退団してからいただくお手紙の中に、現役時代によくいただいた文字を見つけると懐かしくてうれしいですよね。お手紙の書き文字って意外に覚えているものなんですよ。現役のころに、お子さんが産まれたというお手紙を下さった方から「子供も小学生になりました」というお手紙をいただくと、「そうか、あれからもう6年経ったんだ」と、ファンの皆様と一緒に時を重ねている実感があります。
夢咲 今でもときどき現役時代のポスカ(舞台写真のポストカード)でお手紙をいただくことがあるんです。今もそのときのカードを持っていて下さるんだという嬉しさと同時に、その舞台の当時のことを思い出して懐かしんでいる自分がいます。と同時に、この方いったい何枚買って下さったのだろうと思ったり。
一路 退団後、キャラクターの付いた封筒のお手紙を中学生くらいの女の子からいただいたことがあるんです。「宝塚スカイステージ(CS放送)で放送された昔の舞台映像を見てファンになりました」、と。「もうホントごめん!」って思いますね(笑)。昔の映像を流されるのってちょっとね、と思っていた時期もあったんです。でも今は私、その気持ち、乗り越えました(笑)。とにかく若い人たちからのお手紙に感動しています。
――稽古場や楽屋などで「宝塚OGあるある」ってありますか。
一路 やっぱりこれ(朝夏さんのペットボトルカバーを指して)。このキラキラじゃない?
朝夏 これを作ってくれたのはマネージャーさんなのですが、デコッている最中って無心になれるそうですよ。
一路 稽古場にキラキラ光るものが置いてあると、たいていOGの方の持ち物よね。気がついたら持ち物にキラキラが付いているとも言える。
夢咲 なぜ私たちはキラキラを欲するのでしょうね(笑)。舞台袖に持っていく岡持ちセットの中も、いろいろなものが詰まっていて、すごく”充実してる”イメージがあります。ぎゅうぎゅうに入れられているんだけど整頓されていて使いやすそう。
朝夏 綿棒とかね。
夢咲 その綿棒ケースもキラキラしてたり、岡持ち自体もキラキラしていますよね。
新しい化学反応が楽しみ。客席にハッピーを届けたい
――おしまいに、『モダン・ミリー』のそれぞれの役の人物に、今言ってあげたい一言、かけてあげたい言葉とは何でしょう。
朝夏 いつも周りの人がミリーにたいして、その都度その都度必要な言葉をかけてくれているという印象があるんです。だから「(みんなからの)愛がすべてよ!」ですね。
一路 それ素敵! じゃあミセス・ミアーズは、「お金がすべてよ!」かな(笑)。
朝夏 あははは最高!
夢咲 じゃあドロシーは「結果オーライ!」かな。
一路・朝夏 それ、いいね(笑)。
夢咲 とにかくみんなミリーを応援したくなるんですよね。それが劇場の隅々にまで伝わるといいな。そのために全力でお稽古したいと思います。きっと客席の皆さんもミリーを応援したくなるはず。
一路 ミアーズの手下二人がとってもキャラが濃いんです。そのお二人に負けないぞと。前回とまた顔ぶれが変わるので、その化学反応を楽しみにしていただけたら。
朝夏 続投の方々はきっとバージョンアップされているでしょうし、今回初出演の方とお芝居できることも楽しみです。特に今回ジミー役の田代万里生さんとは、実は初めての共演なんです。田代さんのジミーなんてもう絶対素敵に決まってる! 初めてご覧になる方はとにかくハッピーなこの物語を、前回見てくださった方はさらに新しい化学反応を、たっぷりと体感していただけたらうれしいです。
ミュージカル『モダン・ミリー』
’20年代のニューヨーク。モダンガールに憧れて田舎から出てきたミリーは、下宿先で知り合ったドロシーや、なぜか何度も偶然に出会ってしまうジミーと仲良くなり、モダンガールらしく刺激的な日々を送る。そんな中、下宿の女主人ミセス・ミアーズが何やら怪しい行動をとっていると知り……。朝夏まなと、一路真輝、夢咲ねねほか出演。
●7/10~28、シアタークリエ 問☎03・3201・7777(東宝テレザーブ) ※大阪、愛知、福岡、東京公演あり
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