朝夏まなと×一路真輝×夢咲ねねが共演!ミュージカル『モダン・ミリー』の見どころを語りつくす【Webエクラ限定・前編】

ミュージカル『モダン・ミリー』で共演する朝夏まなと、一路真輝、夢咲ねね。7月10日の開幕を控えて、舞台の見どころなどをたっぷりと語ってくれた。ここでしか聞けないエピソードもたくさん!前編、後編の2回に分けて、スペシャルインタビューをお届け。
朝夏まなと、夢咲ねね、一路真輝

’67年公開のミュージカル映画が原作の『モダン・ミリー』。ブロードウェイ版は’02年にトニー賞作品賞や主演女優賞を受賞し、大ヒットしている。日本では’22年に、朝夏まなとがミリー役を務め上演。心に残るナンバーの数々、一緒に踊りだしたくなるダンス、そしてクセの強いキャラ達がくりひろげる物語に、連日大きな拍手が送られた。

 今回2年ぶりにミリーを演じる朝夏さん(中央)、ミリーと正反対のキャラクター・ドロシーに初挑戦の夢咲ねねさん(左)、そして謎の下宿屋女主人ミセス・ミアーズには、前回と同じく一路真輝さん(右)。宝塚歌劇団を退団後も数々の舞台に立ち、輝きを放ち続けるお三方のスペシャルトーク、スタート!

“ミリースイッチ”を入れてテンション高く。圧巻のタップダンスの連続

――朝夏さんはミリーを演じるのは二度目になります。ふり返ってみて、ミリーとはどんな女性ですか。

朝夏 年齢の設定はだいたい20歳前後だと思うのですが、とにかく彼女、テンションが高いんですよ。「今から私の人生が始まる!」という感じ。前回のお稽古の時はふだんの自分からそのテンションまで持っていくのが大変だったなあという記憶があって、とにかく無理やり上げていました(笑)。
でもそのうち、自然に“ミリースイッチ”を入れられるようになってきたんです。今回は2年経っていますから、そのスイッチをよりしっかりと入れられるようになりたいですね。ミリーのように夢を抱いて憧れの街にやってきて、周りの濃いキャラクターの人々と関わりあって人格が形成されていく。私も含めて多くの方が経験してきたことだと思うんです。だから共感してくださるお客様も多いのではないかなと思いますね。

朝夏まなと

――一路さんが演じられたミセス・ミアーズは前回は前髪パッツン、どこかオリエンタルな謎めいた扮装でしたが、今回はキャラクター設定が大きく変わるそうですね。

一路 そうなんです、前回はかなりどっぷりと闇組織に関わっている人物という設定でしたが、今回そこが変わりそうです。ただ共通するのは、売れない元女優であることと、大成する夢をあきらめていないということ。同世代には歌手として成功したマジーがいるのに対して、自分は下宿屋の女主人。でももう一度成功したいと夢を見続けているんです。自分が立つ舞台を作るためにはお金が要る。だから下宿にやってくるお客をも利用するんですね。なので、「ザ・敵役」というよりは、何か彼女なりの理由があって悪だくみしている。そんな役柄になりそうです。

一路真輝

――夢咲さんはこの作品には初めての出演ですね。ミリー同様、ニューヨークに出てきたドロシー役です。

夢咲 私はこのドロシーに対して、超絶なお金持ちで世間知らず、本人に悪気はないんだけれどいつも人をふりまわしちゃう、そんな第一印象を持ちました。女優志望なのですが、自分というものをしっかり見つめられていない感じの人ですね。でもミリーだけはやさしくて友達になってくれるんですけど。

朝夏 でも最初はミリーもドロシーを利用してるよね。部屋代を払ってくれるなら仲良くしようかな、と。

夢咲 ドロシー自身は買い物でクーポンやポイントを集めるのに憧れていて、ミリーはお金持ちに憧れていて。お互いがないものねだりなんです。

朝夏 ドロシーはクーポンなんて集めなくても困らないのにね(笑)。

一路 二人のデュエットも新鮮で素敵よね。

朝夏 そうなんです。女性同士のデュエットって案外珍しいので楽しいんですよ。でも振りも多くて間違えそうで困りました(笑)。

夢咲ねね

――ミリーをはじめ、みなさんお衣裳が何度も変わりますよね。前回の公演では登場するたびに変わっていたような記憶があります。

朝夏 ミリーが田舎からニューヨークに出てきたときの恰好は、髪も長くてもっさりしていてトランクを抱えてて。でも最初のナンバーの最中に、ウイッグから何から全部脱ぎ捨てて鮮やかにニューヨーカーへと変身するんです。他にもフリンジのついたミニスカートやローウエストのドレスなど、色も原色が多くてあの時代のアメリカという感じがしますね。やわらかい色調のドレスが多いドロシーとの対比になっているんです。

――そして圧巻のダンスシーン。特にタップが印象的です。

朝夏 ドロシーと狭いエレベーターの中で踊る女同士のタップ、タイプライターを超高速で打ちながら座ったままのタップ、そしてジミーと心が触れ合う高層ビルのバルコニーでのタップ。この時はタップシューズを履いてセットの3階まで一気に駆けあがりました。

一路 それ大変じゃない?!

朝夏 大変だったんですよ(笑)。グレイドン社長の台詞に「受付から社長室まで何秒で来られる?」というのがあるので駆けあがるのですが、これブロードウェイ版にはないんですよ。

一路 たしかに前回、まぁちゃん、すごく走って階段を昇ってたのを思い出した。

朝夏 最初の顔合わせでも演出の小林香さんが「まぁちゃん、今回はとにかく昇ってもらうよ!(笑)」って。降りる時も曲の最後に間に合うように走って降りていくのですが、これもなかなかドキドキしています。

一心不乱に土をこねて、オンとオフを切り替える⁉

――皆さんが今、「モダン=新しい」と感じるのはどんな時でしょう。

朝夏 私は陶芸をやっているときかな。

一路 素敵! 何がきっかけでするようになったの?

朝夏 ある番組でろくろを回させてもらったのですが、それがとても楽しくて。私、オンオフの切り替えが下手なんですよ。家にいてもついつい何か舞台のことを考えてしまう。仕事とはまるで違うことをやってみたいと思って。東京から鎌倉までの運転時間も含めて頭の切り替えになるんです。今、手びねりをやっているんですが、土をいじっているときって本当に何も考えていない。気がついたら3時間くらい没頭していた、ということもありますね。

一路 いいなあ。私、無趣味なの。でもそこをあえて行動しないとだめなのよね。趣味がないなあって閉じこもっていても何も降ってこないものね(笑)。

夢咲 例えばまとまってお休みができたら……いや、やっぱり思いつかないですね、私も。無趣味です。

朝夏まなと、夢咲ねね、一路真輝

一路 どうなってるんだろうね、私たち(笑)。でも結局、踊りを習ったり、音楽を聴いたりしても、全部趣味じゃなくてお仕事に結びついちゃうのよね。

夢咲 そうなりますねえ。あ、思い出した。強いていえばグラス作りは結構好きかな。私も番組の旅先でグラスを作ったのですが、これが楽しかった! 自分で作ると「透明感が違うなあ」って思えるんです(笑)。あとは、今の私にとってモダンなことといえば教習所通いですね。行くたびに指導員のおじさま方に怒られています(笑)。

朝夏 この年齢になると、真剣に怒られる機会ってだんだん減っていくからね。

夢咲 毎回「スピード出して!」とか「巻き込み注意!」とか言われてて。

一路 私は在団中に兵庫県で取ったけど、武庫川沿いの住宅街の道が狭くて意外に大変でした。東京で免許を取るのはやっぱり大変? 

夢咲 私も運転しやすいエリアで取ろうかと迷ったのですが、結局乗るのは都内が多いので、頑張って東京で通っています。

――一路さんにとって今「モダン」なことって何でしょう。

一路 私は何だろうな……。おにぎり、かな。

朝夏・夢咲 え!! どういうことですか。

(後半へ続く)

モダンミリー

ミュージカル『モダン・ミリー』

’20年代のニューヨーク。モダンガールに憧れて田舎から出てきたミリーは、下宿先で知り合ったドロシーや、なぜか何度も偶然に出会ってしまうジミーと仲良くなり、モダンガールらしく刺激的な日々を送る。そんな中、下宿の女主人ミセス・ミアーズが何やら怪しい行動をとっていると知り……。朝夏まなと、一路真輝、夢咲ねねほか出演。
●7/10~28、シアタークリエ 問☎03・3201・7777(東宝テレザーブ) ※大阪、愛知、福岡、東京公演あり 
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