芥川賞を受賞した『コンビニ人間』などの小説が翻訳され、世界中にファンを増やしている村田沙耶香さん。長編小説『世界99』でも話題の村田さんが最近読んだ本から、心を動かされた6冊をピックアップ!
『大丈夫な人』
カン・ファギル 小山内園子/訳
白水社 ¥2,200
9編のうち表題作は高収入の弁護士と婚約中の「私」の不穏な気持ちを描いたもの。その他の話にも弱者の不安が根底にあり、なぜ大丈夫なのか、何が真実なのかなどを問うている。
『明るい夜』
チェ・ウニョン 古川綾子/訳
亜紀書房 ¥2,420
夫の不倫で離婚した「私」は9歳の夏休みを過ごした思い出の地へ。そこで思いがけず祖母と再会し、家族の歴史を知ることに。植民地支配や戦争を生きぬいた女たち100年の物語。
『わたしたちが火の中で失くしたもの』
マリアーナ・エンリケス 安藤哲行/訳
河出書房新社 ¥2,915
著者は“ホラーのプリンセス”といわれるアルゼンチンの作家。秘密の廃屋をめぐる話「アデーラの家」などを含む短編集には、社会問題を背景に悪夢のような世界が描かれている。
『とるに足りない細部』
アダニーヤ・シブリー 山本 薫/訳
河出書房新社 ¥2,200
’49年にパレスチナ/イスラエルで起きたレイプ殺人を追う、現代のパレスチナ人女性。2つの時代で起きた極限状況とその日常をつづった、パレスチナ文学の旗手の代表作。
『光のそこで白くねむる』
待川 匙
河出書房新社 ¥1,650
10年ぶりに故郷の田舎町を訪れた「わたし」に幼なじみの亡き「キイちゃん」の声が語りかけてきて……。平凡な田舎が異世界と化していく、新人作家のデビュー作。
『本は読めないものだから心配するな』
管啓次郎
ちくま文庫 ¥990
比較文学者の著者いわく“本を読んでも内容を忘れるのはあたりまえ”。“心配するよりよろこびをもって前に進もう”と説く本書はブックガイドであり学びへと誘ってくれる一冊。