寒い日はおうちでゆったり読書はいかがでしょうか。今回は、50代に読んでほしいおすすめの本をご紹介。毎月お届けしている連載「今月のおすすめ本」でこれまで紹介してきた本の中から、注目の「デビュー作」をピックアップ。
『ここはすべての夜明けまえ』
機械の体を選ばされた主人公。100年の孤独に涙
間宮改衣
早川書房 ¥1,430
2123年、九州の山奥でひとり暮らす〈わたし〉は過去を振り返り、家族史を書きはじめる。101年前、25歳で〈ゆう合手じゅつ〉を受け〈老いないからだ〉になったこと。家族はとうに亡く、赤ちゃんのときからかわいがり恋人となった甥も老衰でこの世を去ったこと……。ほぼ平仮名でつづられる、とりとめのないおしゃべりのような物語が進むにつれ、読む者の心にもしんしんと悲しみが降り積もる。デビュー作とは思えない深みと完成度で、人間の愚かさをそっと包み込む。
『レペゼン母』
おかんvs.ダメ息子のラップバトルが痛快!
宇野 碧
講談社 ¥1,540
失踪中の息子が借金を重ねたあげく、大麻所持で逮捕! 64歳の明子はバカ息子を猛省させようと、彼が出場するMCバトル大会に申し込む。即興のラップでディスり合うことで、ふたりは何に気づくのか……。人間関係の核となる大切なものが見えてくる、期待の新人のデビュー作。
『レニーとマーゴで100歳』
17歳と83歳の友情&あっぱれな人生のしまい方に涙
マリアンヌ・クローニン 村松 潔/訳
新潮社 ¥2,750
終末期患者用の病棟で出会った17歳のレニーと83歳のマーゴ。なぜか気が合ったふたりは、合わせると100歳になる人生を100枚の絵にして残す計画を立てる。1枚描くたび、その絵にまつわる思い出を語り合っていあたけれど、やがて老いたマーゴより先にレニーの命の灯が……。イギリスの若手作家のデビュー作は、悲しい未来が見えているのにエネルギッシュであたたかい。限りある生を今できる方法で最大限に楽しもうとする主人公から、たくさんの贈り物を受け取って。