脚本家ホン姉妹のラブコメ新名作!【見ればキレイになる⁉韓流ドラマナビvol.57】

敦子がお届けする韓流ドラマナビ。今回は、キム・ソンホ×コ・ユンジョン主演のラブコメ『恋の通訳、できますか?』をご紹介。

韓ドラ好きたちの最注目作『恋の通訳、できますか?』

「恋の通訳、できますか?」のキム・ソンホ

主演のキム・ソンホ Netflixシリーズ「恋の通訳、できますか?」独占配信中

 何かがちょっと足りない……。韓国ドラマのラブコメは大好きなジャンルの一つではありますが、最近、個人的にはほんの少しだけ物足りなさを感じることもなきにしもあらずでして。でも、いったい何が足りないのか。キュンキュンもハラハラもドキドキも詰まっているのに、なぜ、なぜなんだ〜。私が年をとったせいなのか、はたまた現実の恋愛感受性が衰えてしまったせいなのか……。

「恋の通訳、できますか?」のコ・ユンジョンとキム・ソンホ

キム・ソンホ(右)とコ・ユンジョン(左) Netflixシリーズ「恋の通訳、できますか?」独占配信中

 と、悶々としていたところにこのラブコメ。『おつかれさま』『海街チャチャチャ』のキム・ソンホと『ムービング』のコ・ユンジョンの組み合わせとか、日本の俳優・福士蒼汰の出演とか、配信前からかなり話題にもなっていた作品ですが、韓ドラ好きたちの期待を何よりも集めていたのが、脚本を担当した作家がホン姉妹であるということ。

「恋の通訳、できますか?」のキム・ソンホ

Netflixシリーズ「恋の通訳、できますか?」独占配信中

ロマンスの中に“切なさ”を巧みに仕込むのがホン姉妹流

 古くはあのチャン・グンソクの大ヒット作『美男<イケメン>ですね』や、私を韓ドラ沼に引き摺り込んだ『最高の愛〜恋はドゥグンドゥグン〜』、幽霊がいっぱい出てきて泣かせる『主君の太陽』(かなり好き)、最近ではIUの『ホテルデルーナ ~月明かりの恋人~』や時代ファンタジーの『還魂』(どれもこれも好き)などなど、ぜーんぶホン姉妹が手がけた作品。ラブコメ好きなら、この姉妹が描き出す笑いと切なさあふれるロマンティックな世界に一度ならずも胸締めつけられたことがあるに違いありません。 

「恋の通訳、できますか?」のコ・ユンジョン

コ・ユンジョン Netflixシリーズ「恋の通訳、できますか?」独占配信中

 ということで、思い当たりました。なんだか物足りないと思っていた正体は、つまりは“切なさ”の共感だったんだと。胸をぎゅっと締めつけられるような、息苦しいほどの心の痛み、とでもいうのでしょうか。それは寂しさなのか、悲しさなのか、はたまた狂おしいほどの恋しさなのか……。時代劇と違って、タブーがほとんどなくなった現代の恋愛環境では、“切ない”状況を描くのはなかなか至難の技。なのに、このホン姉妹、いろんなタイプの切なさをロマンスの中に絶妙に絡ませてくるのが超得意な作家なのでありまして。あ、こんなところにもあったんだ“切ない”が……、なあんて具合に巧みに仕込んでくるんですね、これが。

「恋の通訳、できますか?」のキム・ソンホ

Netflixシリーズ「恋の通訳、できますか?」独占配信中

 でもって、今回のドラマです。キーとなるのが“言語”。AIによれば、言語とは「人間の意志、思想、感情を表現・伝達し、互いに理解し合うための社会的ツール」のこと。主人公の一人、キム・ソンホ演じるチュ・ホジンはその言語を生業とするキャラクターで、6ヶ国語を操る多言語通訳士なんですね。違う言語を話す人同士の言語と言語をつなげる、つまりはその人たちの意志や思想、感情をつなげるのが職業というわけでして。

「恋の通訳、できますか?」のキム・ソンホ

Netflixシリーズ「恋の通訳、できますか?」独占配信中

 と、いきなりですが、ここで質問。世界に言語はいくつあると思いますか? ドラマ3話に出てくるのですが、ホジンは「7100ぐらい」と答えます。確かに調べてみると、現在、言語自体は3000〜7000ぐらいあるといわれているようなのですね。でも、それってドラマ的には実は不正解。正しくは「人の数だけ」言語は存在するということなのです。なるほど〜。

「恋の通訳できますか?」のコ・ユンジョン

Netflixシリーズ「恋の通訳、できますか?」独占配信中

 昔々、脚本家の向田邦子があるインタビューで、名優・森繁久彌は“好き”という台詞一つで100通り以上の“好き”を表現することができたみたいなことをいっていたように記憶しているのですが、同じ人でも1つの言葉で100通り以上もの思いを持っているとすれば、一体どんだけ〜って話ですよね。そんなすべてをホジンは通訳できるのか!? しかも、彼の性格がいたって論理的で正論しかいわないタイプ。そんなヤツに言語の裏に隠れている思いなんて読めるのか……? つまり「恋の通訳、できますか?」とあいなるわけです。

「恋の通訳、できますか?」のコ・ユンジョンとキム・ソンホ

Netflixシリーズ「恋の通訳、できますか?」独占配信中

独特のユーモラスな展開から福士蒼汰の登場まで見どころ満載!

 ドラマはそんなホジンがコ・ユンジョン演じるヒロインのチャ・ムヒと日本の江ノ島で出会うところから始まります。通訳の仕事で来たホジンには、実は長年ずっと忘れられない女性がおりまして(ホジンの訳ありの兄の恋人)、その人の誕生日に2人の思い出の場所を訪ねるという、いたって個人的感傷に浸る目的もあったのですが、まあ、それはおいといて。一方のムヒはまったく無名の売れない俳優。今は江ノ島でうどん店を営む元彼(韓国人)に、実は二股かかけられていたことを知ったムヒ。その収まらない感情をぶつけるためにわざわざ訪ねてきたというわけですが、元彼はあいにくの不在。今は彼の妻となった身重の日本人女性(二股の片割れ)と話そうにも言語が邪魔して話せない。で、たまたまそこに居合わせたホジンが、2人の間に入ってケンカ通訳をするハメになるという流れ。

「恋の通訳、できますか?」のコ・ユンジョン

Netflixシリーズ「恋の通訳、できますか?」独占配信中

 その後、2人はなんとなく互いが気になりながらもそれぞれにソウルの日常へ戻り、ムヒはB級ゾンビ映画の主演を務めることになるのですね。ところが、その撮影最終日に転落事故で意識不明に陥ってしまうという……。その数ヶ月後、ようやく目覚めたムヒなのですが、なんと主演したゾンビ映画は、まるで「イカゲーム」のごとくの世界的な大ヒット映画になっていて、ムヒが演じたゾンビキャラの“ドラミ”が大ブレイク。本人知らぬ間に無名俳優が一躍トップスターになっていたという次第。

「恋の通訳、できますか?」のコ・ユンジョン

Netflixシリーズ「恋の通訳、できますか?」独占配信中

 ここらへんの独特のユーモラスな展開はホン姉妹ならではなのですが、物語はここからが本番。ゾンビのように奇跡の復活を遂げたムヒは、テレビ出演に大忙し。通訳として番組に現れたホジンとも感動の再会を遂げるのですが、彼の優しさに触れるうちに、ムヒがどんどんホジンに惹かれていってしまうのですね。ところが、ホジンは好きな人がいるとけんもほろろ。あえなく消沈してしまうムヒなのでありますが、実はこれと前後するように自分が演じていたドラミの幻影を見るようになってしまうのです。でもって、けんもほろろのホジンはといえば、ドラミの幻影に悩まされて怯えるムヒの姿を知って動揺するというか。そう、ロマンス始動といったところ。

「恋の通訳、できますか?」の福士蒼汰とコ・ユンジョン

Netflixシリーズ「恋の通訳、できますか?」独占配信中

 そんななか、ムヒはロマンス王子との異名を持つ日本のスター俳優、黒澤ヒロ(つまりはこれが福士蒼汰演じるキャラクターなわけですが)と「ロマンティックトリップ」というカナダ・イタリアを巡るリアリティ番組に出演することになり、その通訳士としてホジンも同行するという展開に。ということは、福士を交えての三角関係か! と思いきや、ドラマに映し出されるのは、ムヒとホジンと、そして福士ならぬ“ドラミ”という奇妙な三角関係。

「恋の通訳、できますか?」のキム・ソンホとコ・ユンジョン

Netflixシリーズ「恋の通訳、できますか?」独占配信中

 そもそも、なぜドラミは幻影として出てきたのか、普段は明るく天真爛漫なムヒの心の奥にいったい何が隠されているのか。韓国語という同じ言語を持ちながら、ムヒの言語がわからないホジンは、彼女の心をどう読み取っていくのか。ステレオタイプではないホン姉妹の巧みな“切ない”の仕込みに、ムヒの心に、いつしか胸の奥がじんじんと。

「恋の通訳、できますか?」の福士蒼汰

Netflixシリーズ「恋の通訳、できますか?」独占配信中

 我らが日本の福士蒼汰といえば、そんな2人の傍でツンデレしてみたり、ムヒに意地悪してみたり、かと思ったら大好きになっていたりと、ほぼほぼ恋愛独り相撲的な妙なズレ感をうまい塩梅に演じていて、なかなかのいい感じの味つけになっておりますので、こちらもご期待を。日本、韓国、カナダ、イタリアと巡るロケの美しさや、コ・ユンジョンのハイブランドな衣装の数々のコーデもかわいらしく、見どころが満載。そして、主演作がヒットするたびにお騒がせ記事が出てしまうホジン役のキム・ソンホではありますが、いそうでいなかったむしろ貴重な存在感を再認識。どうか、最後までコ・ユンジョンとの楽しく切ないケミ(相性)を存分に味わい尽くして欲しいと思う次第。

 

■Netflixシリーズ「恋の通訳、できますか?」独占配信中

山崎敦子
山崎敦子
旅行記事に人物インタビュー、ドラマ紹介、実用記事から、着物ライターとさまざまな分野を渡り歩き、今では美容の記事を書くことも多くなったさすらいのライター。襲いかかるエイジングと闘いながら、ウキウキすること、楽しいことを追い求め続ける日々を送る。インスタ(@harurikuumi)ではドラマシーンのイラスト&勝手な解説を挙げてます。
文/山崎敦子

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