日本経済はこの先どうなるのか不安…。誰かに聞きづらい将来のお金に関するお悩みを、Jマダム®の4人が経済アナリスト・森永康平さんに質問攻め! 前編から続く今回は、海外移住や投資信託について取り上げた。
なんだか日本が心配……、海外に移ったほうがいい?――B絵
A子 子供が留学するなら、どこの国がおすすめでしょうか?
森永 アメリカもいいですが、マレーシアもいいですよ。私自身、マレーシアで会社を立ち上げて住んだことがありまして。英語、中国語、マレー語、タミル語と公用語が4つで、英語と中国語が身につけば大きなアドバンテージに。人種も宗教も多種多様でダイバーシティの中で育つことで、グローバルな視点をもてるかなと……。
B絵 私たち大人も、できれば海外に移ったほうがいいですか?
森永 エクラ世代なら、逆に日本のほうが楽かもしれません。世界的には、今日本の物価は安くて品質もよく、食べ物はおいしく、店員さんも親切。治安もいいですよね。老後に年金しかない状態でアメリカに行ったら、日本以上に物価が高く、すぐに家計破綻しそうです。
大人世代には食べ物も治安もいい日本が正解!?
B絵 日本はどんな対策を打てば、経済がよくなるのでしょうか。
森永 私は消費税を一度なくすのもひとつの方法かと思います。私たちの買う力が上がって経済が回りますから。企業の売り上げが伸び、給料が増えて景気がどんどんよくなる。でも政府は逆に消費税を上げる検討をしています。海外では、日本の消費税に当たる付加価値税(※1)をコロナ禍で一時的に下げた国が数十カ国もあるのですが。
投資信託の積み立てって、やっぱりベストなんですか?――C代
D美 日本も下げてくれたら、買い物がたくさんできるのに……。
森永 日本はここ30年、ほぼ成長していません。同じくらい成長していない国は、内戦している国。日本のように平和な国が同じ経済状態って、おかしいですよね。
C代 わあ……、不安になります。老後に向けてお金をどのように準備していったらよいのか。投資は“賭け事”のような気がして。
A子 私もいろいろな専門家がみんなiDeCoやNISAをすすめるので「本当?」って。
森永 結論からいうと、投資信託(※2)の積み立てはおすすめです。株価指数に連動していて、手数料が安いものを選ぶといいでしょう。例えば「S&P500」(※3)というタイプは、アメリカのトップ500社に投資するイメージです。その際は、国が用意しているiDeCoやつみたてNISAなどの非課税制度を使いたいですね。株や投資信託で、もし100万円の利益が出ると、通常は20万円くらい税金がかかるので、手元に80万円ほどしか残りません。でも非課税制度を使えば、100万円がそのまま残るので、使わない理由がないんです。
C代 それがベストでしょうか?
森永 ベターですね。アメリカのトップ500社がすべていい会社とはかぎりません。トップ5社に投資したほうがコストパフォーマンスがいい。でも、自分で500社の決算資料を読み込み、5社に絞るのは…。
C代 あ、絶対に無理……(笑)。
森永 皆さんお忙しいですしね。幅広い銘柄を積み立てで買うほうが手間がかかりませんし。世界中の国の株のほか、債券などに分散してリスクを抑えることもできます。
(お金の教室・後編へ続く)
(※1)付加価値税の減税
日本の消費税に相当するのが、海外の「付加価値税(VAT)」。「イギリスやフランス、イタリア、ドイツ、スペイン、ノルウェー、韓国、中国、ベトナムなど多くの国がコロナ禍で付加価値税を下げています」。
(※2)投資信託
運用会社にいる投資の専門家(ファンドマネジャー)に運用してもらうかわりに、手数料を払う金融商品。「少額でも投資先を複数に分散でき、国内外、株だけでなく債券や不動産、原油や金などにも投資できます」。
(※3)S&P500
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出している株価指数。NY証券取引所とナスダックに上場している企業から、アメリカを代表する500社の銘柄で構成。アメリカの経済を表している指数ともいわれる。