子供たちが独立し、「残りの人生をどう暮らす?」と考え、理想の環境に住み替え&リノベーションをしたOさん。料理家・インテリアデザイナーの行正り香さんに相談して、理想の環境に住み替え&リノベーションをしたO邸を公開。
■DATA
延べ床面積:約70㎡
築年数(居住年数):17年(2.5カ月)
大通り沿いで窓をあまり開けられなかったマンションから、同じ区内の見晴らしのいい高層マンションへ買い替え、リノベーション。息子は独立し、夫婦、娘の3人暮らし。
これからを見据えたダウンサイジングの暮らし
子供たちが独立し、それまで暮らした家をリノベーション……はよくある話。そこで改めて「残りの人生をどう暮らす?」と考え、理想の環境に住み替え&リノベーションをしたOさん。行正さんに相談し、スペースをダウンサイジングしつつ“好き”をギュッとつめ込んだ上質な空間が完成。毎朝目覚めるたびに感動するという、ワクワクする暮らしがスタートした。
窓面積が大きく、明るいリビングダイニング。大理石天板のダイニングテーブルは行正さん宅でも使用しているポール・ケアホルムのPK54。ダイニングチェアはフリッツ・ハンセンのセブンチェア、ペンダントランプはルイスポールセンのPH アーティチョーク。壁には以前から少しずつ集めてきた山下充さんの絵画をかけた
Before
写真提供/行正さん
リノベーション前のLDは約12.6畳ほど。
写真提供/行正さん
隣に約6.2畳の洋室とクロゼットが。壁を取り払い、クロゼットもなくしてひと部屋にし、広々としたワンルームのLDKに変更した。フローリングだった床はカーペット敷きに。カーペットはよりふかふか感を増すために下に補助材を入れているそう
後半の人生を楽しむために、行正さん主導で“好き”を具現化
キッチンは行正さんがデザインした造作。ダイニングテーブルの大理石の色を基準に、カウンタートップの色や壁、床のタイルの色を決めた。壁のタイルはアドヴァン。キッチンのペンダントランプはOさんが以前から所有していたルイスポールセンのPHグラスペンダントの限定品。壁前に置いた椅子は前の家でも使っていたもの。壁に飾ったロイヤルコペンハーゲンのイヤープレートも家族の思い出アイテム
ガスコンロ、オーブン、食洗機はリンナイ。「おもてなしなど食器が多い家の食洗機は扉式がおすすめ」と行正さん。
引き出しは真鍮色の取っ手をつけ、軽やかに開閉できるソフトクロージングの金具を使用。天板はシーザーストーンに
「ゴミ箱は大きく作り、中で分類するほうが使いやすい」と行正さん。蓋上にはゴミ袋を置くスペースも。
アイランドカウンターの高さは、下に収納するものを決め、引き出しなどの高さを決めてから算出した
LDはカーペット敷き、キッチンはタイル張り。照明の真鍮に合わせ、間に真鍮をはさんで美しく仕上げた。
収納は細かく。キッチン家電もすべて収納し、ガスコンロ横にはコーヒーメーカー用、隣にカップ類用の収納を設けた
Before
写真提供/行正さん
リフォーム前のキッチンは、マンションでよく見かけるセミクローズドキッチン。家族そろって料理をするには狭く、暗く、せっかくの眺望もキッチンからはあまり見えなかった。壁を取り払い、向きを変えてオープンキッチンへと大きく変更した
スペースはコンパクトに暮らしの質は格段にアップ
息子が独立し、娘も社会人になったのをきっかけに住まいを見直すことにしたOさん。以前より料理本のファンで、英語のイベントに参加するうちに手がけるインテリアにもすっかり魅了された行正さんに相談し、依頼することに。長年家族で暮らしたマンションは大通り沿いで窓からの景色もよくなかったという。行正さんから「ここを終のすみかにしたいですか」と聞かれ、「行正さん宅のように眺望がいいほうがいいですけど」と答えたとか。「それなら探しましょう」と背中を押され、マンションを買い替えてリノベーションをすることに。出会ったのは眺めがよく、窓の多いワイドスパンの、光がふんだんに入る高層マンション。84㎡から70㎡へとダウンサイジングすることになるが、夫婦ふたり暮らしには十分な広さだと判断した。
「家族そろって食べることが好きなので、行正さんのスタジオのようなアイランドキッチンにし、皆で飲みながら料理がしたいとリクエストしました。ほかにも集めてきたアートを飾りたい、ガラスブロックを使いたい、丸いダイニングテーブルにしたいとお伝えして」とOさん。行正さんはOさんが所有していたアートと飼っている文鳥の色から、キーカラーをグレーとローズピンクに設定。イメージボードを制作し、家づくりがスタートした。