食に精通した3人のプロが、今なぜ神楽坂が注目されて楽しいのかを対談。大人が行くなら「神楽坂上」交差点より上!
編集部 最近、神楽坂が楽しくなって人気です。
村上 唯一無二の魅力をもっている街です。江戸時代からの花街の雰囲気が残っていて、今も現役の芸者さんが活躍しています。石畳の小径の横丁など、江戸情緒がたっぷり。その半面、フランスのインターナショナルスクールがあったこと(現在は移転)や、フランス政府公式語学学校などの施設もあるので、フランス人が多い。
北村 芸者さんの存在が神楽坂の飲食店を支えているとおっしゃってましたよね。あるお店は、最初に芸者さんが食事に来られて、その口コミでお客さまが増えたといっていました。まさにインフルエンサーですね。
村上 そうそう、今回ご紹介したお店はまさに地元の口コミで教えてもらったお店ばかり。神楽坂では、本当においしいお店は路地裏にあるんです。
佐々木 路地裏散策が楽しい。
村上 そうなの! 新しいお店が次々にできて活気があります。何代も住み続けているのではなく、10〜20年在住くらいのかたが多い。新しいものを受け入れやすく、住みやすい。
北村 だから、江戸とフランスも共存しやすいのですね。
料理人からも信頼の厚いチーズ専門店『アルパージュ』
佐々木 フランス料理店は充実していて、さまざまなタイプがあります。フランス人がオーナーの『ルグドゥノム ブション リヨネ』はフランスの香りが漂い老舗、本格派のリヨン料理が食べられます。ビストロ『ボルト』はどれを食べてもおいしい。
村上 ご紹介した『Jfree』はちょっと特別な日に、『ボルト』はフレンチ居酒屋として通っています。
北村 パリの一ツ星店の姉妹店『レテール』もシェフの実力が光っていますよね。
村上 フランスやイタリアの食材店も多い。『神楽坂KIMURAYA』は、ほかにない品ぞろえで、のぞくと楽しい!
北村 個人店、専門店が多く、個性を打ち出したお店が多いですね。
佐々木 バーも同様です。神楽坂のバーは早くから開いていて、ランチ後、そのままバーに突入できる。例えば、『波濤』でお鮨を食べて、『サンルーカル・バー』へ。ここは14時オープンで16時には満席なことも!
北村 私は夕方からの仕事の打ち合わせや待ち合わせに使っています。
村上 バーはよりどりみどり。芸者さんのバー『英』、レコードの音が流れる『家 鴨社』『トーキョーサワースタンド』など、神楽坂の街の感性とフィットしたからこそ成功しているニッチなお店が多い。
佐々木 ハンガリーの蒸留酒・パーリンカ専門のバー『バー パーリンカ』も気になります。
看板のない隠れ家的なバーも多い
村上 バー激戦区ですね。「激戦区」となるアイテムがたくさんあるのが神楽坂。だから、テーマをもって訪れることをおすすめします。
北村 確かに。パン激戦区でもある。
村上 『パン・デ・フィロゾフ』『しかたらむかな』はハイクオリティ。
北村 スイーツも。『オー・メルべイユ・ドゥ・フレッド』のメレンゲ菓子、『神楽坂梅花亭』の上生菓子やわらび餅は手みやげに。前出のパンに、『アルパージュ』のチーズ、『生ハムカンパニー』で生ハムを。家飲みやおもてなしの格を上げてくれる。
佐々木 そば屋で飲めるのもいい。『い志井』は、フリーランスの酒番・多田正樹さんに日本酒のセレクトをお願いしているほど。
どこかレトロな雰囲気もある
北村 和食なら「石かわグループ」の存在ははずせません。『石かわ』が神楽坂で開店されて以来のファン。『石かわ』の食材を生かした力強い料理、『虎白』のセンスのいい繊細な味、『NK』の創意工夫ある楽しさなど、それぞれの個性がきわだっています。
佐々木 代表の石川秀樹さんのご人徳で、愛されるお店づくりをされていますよね。
村上 おすすめエリアは、「神楽坂上」交差点より上、東西線の神楽坂駅あたり。「奥神楽坂」といわれ、かわいい雑貨店やカフェもあります。
北村 新旧が共存し、海外の文化も受け入れた独特の雰囲気は、東京の中でもショートトリップ感が。小旅行する気分で楽しんでほしいですね。
住んでいる人の息遣いも感じながら