『浅草』でとびきりの一杯に出会う とっておきの名店

eclat 4月号では、洋酒文化が根づくバーの町『浅草』の名店を浅草芸者の乃り江さんがご紹介。ディープ中のディープ「BAR DORAS」とウイスキーの博物館的バー「バー ねも」でとびきりの一杯を楽しんでみてはいかがでしょう。

BAR DORAS

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 日本初のバーといわれる『神谷バー』がある浅草は、洋酒文化が根づくバーの町でもある。新旧、個性さまざまな店が割拠する中、とっておきの2軒を教えてくれた。
 1軒は隅田川沿い、花川戸というエリアにある『バー ドラス』。マスターの中森保貴さんも、乃り江さんと同じ浅草っ子。三社祭では神輿(みこし)を担ぎ、和服で観劇に出かける伊達男だ。一方、プロのシュートボクサーとして活躍した経験ももつ。何をするにも“中途半端”が嫌い。酒の突き詰め方もしかり、である。「店にあるコニャックは、マスターが自分で海外から買い付けたもの。ここでしか飲めないものばかりなんです」

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ここ数年、酒の製造元を訪ね海外を旅するバーテンダーが増えたが、中森保貴さんはその先駆。メインとして扱うコニャックやスコッチの産地を筆頭に、欧州各地への旅を続けて十余年。旅の様子を書籍にまとめ出版している。現地で買い付ける限定ボトルも多いが、希少性以上に、味わいのピークで提供すること、現地ならではの飲み方を伝えることに心を砕く。コニャックをトニックウォーターで割ったコニャックシュエップス¥1,400。

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東京都台東区花川戸2の2の6 ☎03・3847・5661
19:00~翌3:00(日曜、祝日18:00~翌2:00) ㊡水曜、第3火曜 チャージ¥500、カクテル1杯¥1,200~

バー ねも

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もう1軒は『バーねも』。バー業界では“神”とさえいわれる根本元吉さんが’60年に創業した店で、現在、息子の寛さんが看板を引き継ぐ。ウイスキーにいたっては博物館のようなラインナップだ。
「お酒の種類も知識もケタ違い。カクテルもすばらしく、グラスに注ぐまでの一連の動きは、茶道の“お点前”のよう。毎回見とれてしまいます」
 どちらも女性やビギナーには少々ハードルが高そうに感じるが「心配しないで」と、乃り江さん。
「一流のバーテンダーは、サービスのプロ。知ったかぶりせず、自分の経験値の中で好みを伝えれば、必ず楽しませてくれます」
 高いプロ意識は、2軒のバーにかぎったことではないと話す。
「皆さん、自分の仕事に誇りをもっている。あとは浅草という町を心から愛しているんです。根っからの浅草っ子も、この土地を選んで店を出したご店主たちも」
 おいしさと一緒に、そんな“心意気”を味わうのが醍醐味なのかもしれない。東京にあって、旅をしているかのようなひと時を味わえる町。大人の浅草、まさにディープ。通うほど味わいを増しそうだ。

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バックバーに並ぶ洋酒はざっと3000本。倉庫に保管するものも合わせると1万3000種7万本にもおよぶという、他に類を見ない品ぞろえは圧巻だ。店主の根本寛さんは、グレンファークラス蒸留所唯一の公認ウイスキーテイスター、洋酒鑑定士といくつもの肩書をもつ。クラシックなレシピで作るカクテルにも定評があり、バーテンダーのサービスにも名店ならではのエレガントさがある。オリジナルのジャックローズ・ドライをはじめ、カクテル1杯¥1,000~。

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東京都台東区浅草1の11の11 ☎03・3841・1650 17:00~翌2:00 無休 チャージ(おつまみつき)¥1,500

教えてくれたのは…

浅草芸者 乃り江さん
LA生まれ、4代続く浅草っ子。父の仕事の都合で米・東海岸と浅草を行ったり来たりの少女時代を過ごす。明治大学在学中、交換留学生として台灣大學へ。帰国後、芸者見習いを経てお座敷デビュー。’15年、会員制のお茶屋さろん『KaShiMA』をオープン。芸者とお店と二足のわらじで奮闘中。

取材・文/本誌編集部 イラスト/しおたまこ

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