「お酒の種類も知識もケタ違い。カクテルもすばらしく、グラスに注ぐまでの一連の動きは、茶道の“お点前”のよう。毎回見とれてしまいます」
どちらも女性やビギナーには少々ハードルが高そうに感じるが「心配しないで」と、乃り江さん。
「一流のバーテンダーは、サービスのプロ。知ったかぶりせず、自分の経験値の中で好みを伝えれば、必ず楽しませてくれます」
高いプロ意識は、2軒のバーにかぎったことではないと話す。
「皆さん、自分の仕事に誇りをもっている。あとは浅草という町を心から愛しているんです。根っからの浅草っ子も、この土地を選んで店を出したご店主たちも」
おいしさと一緒に、そんな“心意気”を味わうのが醍醐味なのかもしれない。東京にあって、旅をしているかのようなひと時を味わえる町。大人の浅草、まさにディープ。通うほど味わいを増しそうだ。