モダンで美しい民藝の器の宝庫である出雲。出雲を旅する際にまず足を運んで欲しい、新旧の名品がそろった民藝館をご紹介。
1.出雲民藝館
豪農・山本家の広大な敷地内にあり、ゆったりと時間の流れる気持ちのよい場所。米蔵を改築した本館には、有名無名の民藝の器や、出雲地方の藍染などを多数展示
街全体が“用の美”の 美術館のよう
出雲は神さまの微笑んでいるところ。神話の世界に詳しくなくても、この地に足を着けば、穏やかで清浄な空気が流れているのが肌で感じられる。
出雲大社をはじめとする神社の存在や、松江藩の置かれた歴史が、衣食住において豊かな文化をもたらした。ふだん使いの道具に“用の美”を見る民藝運動が育ったことも、この土地の人々の美意識の高さを表している。
島根県安来出身の河井寛次郎や、バーナード・リーチ、棟方志功ら民藝運動の中心人物が足繁く通った出雲には、彼らの足跡や、彼らから教えを受けた民藝の窯元が点在する。旅の始まりにまずは『出雲民藝館』へ。地元の名品に触れ、学び、そこから歩きはじめたい。
「出西ブルー」とでも呼びたくなる、『出西窯(しゅっさいがま)』の縁鉄砂呉須釉(ふちてっさごすゆう)八寸皿¥5,000。
「湯町イエロー」とでも呼びたい、『湯町窯』のハチミツ色のピッチャー¥25,000。洋風なムードが素敵
館内には「これ欲しい!」と思わせる器ばかり。布志名(ふじな)焼の片口
真竹と和紙で作られる「日の出うちわ」は、海から日が昇る図が特長
使い込まれて風合いの増した漆器たち。作り手や出どころ知れずの名品
スリップウエアの技法がモダンな、布志名『舩木窯(ふなきがま)』・舩木研児作の大皿
出雲民藝館
出雲大社造営の棟梁が手がけた「長屋門」(延享3年建造)など歴史的建造物も必見。陶磁器のほか、藍染のおむつ(!)なども。売店を『objects』(P.3)の佐々木創さんが担当するなど若い感性も息づく。バーナード・リーチのイギリスの工房で修業を積み、伝統とモダンを融合させた舩木研児の遺作展を3月に開催予定。
☎0853・22・6397
10:00〜17:00
入館料¥500(税込) ㊡月曜