ワイン&フードジャーナリストの安齋喜美子さんが、イケてる一本をご紹介する連載企画『飲むんだったら、イケてるワイン』。今回は、ブルーベリーやスミレの香りが華やかな「シャトーヌフ・デュ・パプ テレグラム」をピックアップ。カスレや鴨の治部煮などと楽しんで、深まる秋に温まって。
おおらかでふくよか。いつも笑顔を返してくれる安心感
VIEUX TELEGRAPHE
シャトーヌフ・デュ・パプ テレグラム
ひんやりした風が吹きはじめると、ふくよかな果実味の赤が恋しくなる。「ヴュー・テレグラフ シャトーヌフ・デュ・パプ テレグラム 2019」はコクがありつつ、ビロードのようになめらかで、まさしく秋に飲みたくなるワイン。ブルーベリーやスミレの香りが華やかで、紫色のブーケを思わせる。まろやかな果実味は、会うといつも優しい笑顔を返してくれる女性のようで、心が温かくなる。
「シャトーヌフ・デュ・パプ」はフランスの銘醸ワインのひとつとされ、芳醇ながらも繊細な味わいが特徴。その名は14世紀にローマ教皇(パプ)ヨハネス22世が南仏アヴィニヨンに新しい館(シャトーヌフ)を建て、この地にワイン造りを発展させたことに由来する。生産者の「ヴュー・テレグラフ」は1898年創業の老舗で、「最もエレガントなシャトーヌフ・デュ・パプを造る」と世界的評価が高い。ミストラル(季節風)と小石が多い土壌という厳しい環境の中、5代目当主のフレデリック氏とダニエル氏のブルニエ兄弟が、彼らの子供たちとともに力を合わせて上質なワイン造りに取り組んでいる。
このワインは、あつあつのカスレや鴨の治部煮など、だしのうま味を感じる料理と楽しんでみたい。深まる秋、“彼女”とともに優しい時間を過ごせば、きっと風が冷たい夜でも温かさを感じていられるから。
フランス、ローヌ地方。グルナッシュ、シラー、ムールヴェードル、サンソーをブレンド。銘醸ワイン「シャトーヌフ・デュ・パプ ラ・クロー・ルージュ」のセカンドライン。バラやスパイスの香りと丸みのある酸。肉料理全般や和食の煮物にも。750㎖ ¥6,380/エノテカ
※写真のヴィンテージは異なります