ワイン&フードジャーナリストの安齋喜美子さんが、イケてる一本をご紹介する連載企画『飲むんだったら、イケてるワイン』。今回は、ブドウ本来のうま味を感じる奥深い味わいが魅力的な「シャンパーニュ ジゼル・ドゥヴァヴリー ロゼ ブリュット」にフィーチャー!
エレガントで小悪魔、甘い毒を潜ませるフランス女優
GISÈLE DEVAVRY
シャンパーニュ ジゼル・ドゥヴァヴリー ロゼ ブリュット
チェリーやフランボワーズのキュートな香り。その奥から、ローズペッパーのスパイシーな香りが顔をのぞかせる。エレガントで端正な味わいなのに、この惑わされるような「ざわめく感じ」はなんだろう?
「シャンパーニュ ジゼル・ドゥヴァヴリー ロゼ ブリュット」は、一級畑のブドウのキュヴェ(一番搾り果汁)のみを使ったリュクスなロゼ・シャンパーニュ。ブドウ本来のうま味を感じる奥深い味わいが魅力的。造り手のドゥヴァヴリー家はルイ15世の時代に戦功を上げ、エペルネ市北部のシャンピオン村にブドウ畑を授けられたことから始まった旧家で、現在は60代後半と思しきエレガントなマダムのジゼル・ドゥヴァヴリーさんが当主として「優雅で高貴」と称される味を生み出している。
料理は前菜から肉料理まで幅広く合うが、あえて合わせたいのはクラシカルなバタークリームケーキ。コクのあるバタークリームがロゼの黒い果実のニュアンスに包まれ、ちょっとアンニュイな空気感を醸し出す。一瞬、’50年代のフランス映画の世界に引き込まれたような感覚。ああ、あのざわめきの正体はこれだったのか─。かわいらしくて、ちょっと小悪魔。
若かりしころのブリジット・バルドーとジャンヌ・モローが、ロゼ色のグラスの中でくしゃっと笑う。この笑顔に、また惑わされてしまうのだ。
フランス、シャンパーニュ地方。シャルドネを主体にピノ・ノワールとムニエをブレンド。ブドウは化学肥料を使用せず、環境に優しい栽培をしている。フレッシュな酸味で、ミネラル豊か。鶏のローストなどの肉料理にも。750ml ¥8,250/マーカムインターナショナル