グラスの底から立ちのぼる淡いゴールドの泡に心ときめいて。シャンパーニュをより楽しむヒントを、ワイン&フードジャーナリストの安齋喜美子さんがお届け!
軽やかに踊る、美しきバレリーナ
オーロール・カサノヴァ ピュイジュー グラン・クリュ ピノ・ノワール×フルーツポンチ
木苺やラズベリー、スパイスの香りがボトルの中から次々と飛び出す。それはまるで、くるりくるりと軽やかに回るプリマドンナのグラン・フェッテのようで、あたりの空気を華やかに染めていく。「オーロール・カサノヴァ ピュイジュー グラン・クリュ ピノ・ノワール」。キュートで溌溂とした印象で、口にすると、自分までくるりと回りたくなるほど、心躍る味わいだ。
造り手はオーロール・カサノヴァさん。ローマ・オペラ座バレエ団やデンマーク王立バレエ団で活躍した元バレリーナだ。華やかなバレエの世界にシャンパーニュは不可欠。バレエを通じて大のシャンパーニュ好きとなり、ブドウ栽培農家の実家へと戻り、新たな道を選んだ。心ときめくのは、きっと彼女の美意識がボトルの奥にこめられているから。
黒ブドウだけで造られたコクのあるブラン・ド・ノワールは、ラムのローストなど肉料理によく合う。だが、軽やかに楽しむならフルーツポンチがいい。丸くくりぬいた色鮮やかなフルーツをシロップに浮かべ、ガーリー気分に浸るのだ。日曜の昼下がり、気の置けない女友だちと、’60年代のフレンチポップスを聞きながら。
ピノ・ノワール100%。チェリーや黒こしょうの香り豊か。ふくよかな果実味と清らかな酸味はラムのローストなどの肉料理にも。登記は相続の関係から“NM(ネゴシアン・マニピュラン)”だが、実質は自家ブドウのみで造る“RM(レコルタン・マニピュラン)”(ブドウ栽培者兼醸造業者。自家栽培のブドウのみでシャンパーニュを造る小規模生産者。メゾンがある土地の個性が光る)。¥12,100/ヌーヴェル・セレクション