泣いたり怒ったり…感情的にセックスレスの理由を聞いたことに後悔。何歳になってもセックスは人を幸せにしてくれるもの【50代 セックスレスのお悩み #2】

二度目の結婚で10年以上におよぶセックスレスに苦しんだという『ちつのトリセツ 劣化はとまる』の著者 原田純さん。離婚を経て、もう二度とセックスをすることはないと思っていたという60代前半に起きた変化とは‥‥!?
セックスレスに悩み女性
(写真はイメージです)

『あなたとセックスをして幸せになりたい』とか、もっと前向きな言葉で自分の気持ちを伝えればよかった

―読者の中にも、セックスレスのカップルは少なくありません。話を聞いてみると、「なんとなくレスになっている」という人、「夫に対してそういう気持ちになれない」という人、また、「そもそも性欲が湧かなくて…」という人まで、理由はさまざまです。ただ、互いを情熱的に求め合うことはないけれど、夫婦仲が悪いというわけではないようです。
「動物学的に『ヒト』をみると、恋に落ちたふたりがお互いを激しく求め合う気持ちは、およそ4年で消えてしまうといわれています。中高年になると、女性のなかにはホルモンの減少によって性欲が失われてしまう人もいます。歳月を経た男女、つまり50代の夫婦やカップルがセックスレスになってしまうのは、ごく自然なことなんですね。とはいえ、人生100年時代といわれ、これから数十年もの間、夫婦として暮らしをともにするわけです。たとえセックスはしなくても、日常的にキスやハグをしたり、お互いの体に触れあって過ごすような関係でいられたら、幸せだと思いませんか。さらに、体のつながりを持って互いに快感を得ることができたら、もう最高です!セックスレスはその期間が長くなればなるほど、修復することが難しくなるもの。レスにならないことが一番ですが、夫婦の関係を改善したいと思ったら、まずは、ふたりきりの時間の過ごし方から見直してください。ふたりでおいしいワインを呑めるお店にいってゆっくり話をしたり、ふたりで映画を観ているときにそっと手をつないだり。ドライブするのもいいですね。恋人同士だったころを思い出して、ふたりの間にできてしまった距離を縮めることから始めましょう。いま思えば、私は夫に対して、感情的になって泣いたり怒ったりしながらセックスレスの理由を聞くことで、彼を追い詰めてしまいました。セックスは人を幸せにしてくれるもの。『あなたとセックスをして幸せになりたい』とか、もっと前向きな言葉で自分の気持ちを伝えればよかったのに、という思いがありますね」
『ちつのトリセツ 劣化はとまる』の著者、原田純さん
―『性欲が湧かない』という人は、そのままでもよいのでしょうか。
「性的な快感を得ると、複数の幸せホルモンが体内に放出されるので、心身が満たされるし、生活の質が向上します。また、セックスもマスターベーションもしないまま、長い間、膣をほったらかしにしておくと、体の機能が衰えたり、女性特有の症状に悩まされたりする可能性があります。無理してセックスをする必要はないと思いますが、健康的に年を重ねるためにも、膣の状態には関心を持ってほしいですね」
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(写真はイメージです)
―2番目の夫と離婚してから、現在のパートナーに出会うまで、原田さんはどのような心持ちで過ごされていたのですか。
「50代後半から別居をはじめて、独身に戻ったときは60歳を過ぎていました。離婚に至るまでにかなりつらい思いをしたので、『もう男も、結婚もこりごり!』という心境でしたね。幸い、友人関係には恵まれていたし、仕事も忙しかった。さらに登山のサークルに参加するなど、趣味も充実させて、ひとり暮らしを楽しんでいたんです。ただ、もう恋愛をすることはないだろうと思って、見た目についてはあまり構わなくなっていましたね(笑)。ところが時間が経つにつれて、心のどこかに『女性としてこのまま終わってしまうのか』という思いが生まれてきて…。そんなときでした、膣ケアについて解説する本を取材・執筆をすることになったのは」
―年齢とともに膣が劣化することと、その劣化を抑制する方法を伝えることを目的に出版された『ちつのトリセツ 劣化はとまる』。この本をきっかけに、セックスへの新たなモチベーションが生まれたというのは、どういうことなんでしょうか?
「トリセツの効果を知るために、自分でオイルやバイブレーターを使って膣をマッサージしたり、骨盤底筋体操を毎日行ったりするようになりました。当初の目的は健康になることでしたが、ケアを続けるうちに子宮の下垂が改善されてぽっこりおなかが目立たなくなり、長年の悩みだった猫背も治って、まわりの人に『最近、シュッとしてきたね』といわれるようになったんです。すると不思議なもので、もっときれいになりたい、おしゃれを楽しみたいという意欲が湧いてきて…。そんなある日、銀座のバーで14歳年下の彼と出会い、お付き合いをするようになったんです」
『ちつのトリセツ』上梓からおよそ1年。原田さんは「この人とならセックスをしてもいい!」と思えるパートナーとの出会いを果たしたのです。
『ちつのトリセツ 劣化はとまる』の著者 原田純さんの50代からのリアルセックスライフインタビュー。次回は27年ぶりのセックス体験記。お楽しみに!
原田純

原田純

はらだじゅん●1954年、東京都生まれ。径書房代表取締役として経営と編集を兼務。取材を通じて知り合った助産師のアドバイスで膣ケアに取り組み、その効果を実感したことから、10万部を越えるベストセラーになった『ちつのトリセツ 劣化は止まる』を執筆する。現在は、『ペニスのトリセツ』(仮)の取材・執筆を手がけるかたわら、老後の人生と性についての講演を行うなど、活躍の場を広げている。YouTubeチャンネル【ちつのトリセツ】原田純も好評。

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    年齢とともに性欲が衰えたり、夫婦や恋人との間で「セックスがめんどくさい」と感じるようになっても、日本人は「しかたがない」と諦めてしまいがち。けれども海外では、オーバー60の夫婦が積極的に性生活を楽しんでいるし、何歳になっても愛し合う男女の姿は色っぽくてステキだ。原田さんの新たなテーマは、27年ぶりに再入門を果たしたセックスで、すばらしいオーガズムを得ること。新著『人生最高のセックスは60歳からやってくる』では、64歳で知り合った恋人とともに「人生最高のセックス」を目ざす姿が、赤裸々に綴られている。 *前編、後編、Q&A編の3回にわけてお送りします。

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