【韓国ドラマ】胸がぎゅっと締めつけられる…深い愛に泣ける「時代劇」5選

愛することの切なさ、守りたいと願う強さ、離れてもなお続く想い。胸の奥がぎゅっと締めつけられる“深い愛の物語”心を揺さぶられる韓国時代劇の中から、韓国でも日本でも圧倒的知名度の100日の郎君様や大ヒット時代劇の赤い袖先、世界的に人気になった恋慕など特に人気の高い5作品を厳選しました。

100日の郎君様

韓国ドラマ 100日の郎君様 ロマンス時代劇
©STUDIO DRAGON CORPORATION
記憶をなくしたツンデレ王子と、行き遅れのワケあり村娘の100日間の愛を描いたロマンス時代劇
次代の権力を巡って、さまざまな世子さまへの陰謀が繰り広げられるという寸法。命を狙われる孤独な若き世子さまが、その難関をどう切り抜けていくのか…。
 
命を狙われる世子さまが主人公。その名はイ・ユル。幼い頃に謀反によって母を殺され、初恋の少女とも引き裂かれる残酷な過去をもち、誰一人信じることのない宮廷の中で孤独に生きてきたため、かなりな冷徹青年世子として育ちます。そして、ある時、政略結婚させられた妻との床入れを迫られて、その腹いせに「適齢期を過ぎた男女は全員結婚すべし」というとんでもないお触れを出してしまうのです。
 
そんな折、宮廷の陰謀で刺客に襲われたユルは、瀕死の重傷を負ったところをヨンという村人に助けられます。が、記憶を失ってしまうユル。ヨンは、世子のお触れに背いて結婚を拒否し罰せられそうになる娘のホンシムのため、ユルを娘の許嫁ウォンドゥクだと思い込ませ、2人を結婚させてしまうのです。かくして、かりそめの夫婦になった二人の“100日間”が始まる、、、という展開。
■Netflixシリーズ「100日の郎君様」配信中

赤い袖先

韓国ドラマ 赤い袖先 ロマンス時代劇
名君イ・サン役のジュノ(2PM)と、ソン・ドクイム(のちの側室、宜嬪成氏/ウィビンソンシ)役のイ・セヨン ©2021MBC
史実が題材の時代劇「赤い袖先(原題)」は、宮女であるソン・ドクイム(のちの後宮・宜嬪成氏=ウィビン ソンシ)と、朝鮮王朝第22代王となる正祖(チョンジョ=本名はイ・サン)の切なく狂おしいラブストーリー。
 彼女は、名君・正祖(朝鮮王朝22代王、本名イ・サン)が最も愛した女性といわれている人物(正祖が自ら求めた妻は、王妃、側室含めてもドクイム以外はいなかったとされ、ふたりの物語は朝鮮王朝世紀のロマンスとも称される)。

 ドクイムの父が、正祖の母ヘビンの実家の使用人だったことから、その縁で宮女になったらしいのですが、記録には宮女のドクイムが正祖の妹である2人の王女とともに小説を筆写したという記述が残っている模様(つまり、聡明な女性であったという推測も)。で、興味深いのは王である正祖の寵愛を受けながらも、後宮(側室)の申し入れを2度も固辞しているということ(後宮になることは当時では、ある意味、宮女にとっての最高の栄誉でもあったはずなのに)。

 そして、宮女身分のまま王子を出産、その2年後に後宮の最高位である嬪(=ビン)の位を与えられる(宜嬪成氏)のですが、王子(文孝世子)がわずか3歳で亡くなると、その後を追うように3人目のアガ(赤ちゃん)を身ごもったまま33歳という若さで死去。正祖は彼女の死を深く激しく悲しんだといわれています。

恋慕

王位継承者だった双子の兄の死により、男装して世子(王の世嗣ぎ)として生きていくことになる宮女と、初恋の相手で、のちに学問の師となる男性との宮廷ロマンス。
韓国ドラマ 恋慕 ロマンス時代劇
Netflixシリーズ『恋慕』独占配信中
韓国ドラマ 恋慕 ロマンス時代劇
Netflixシリーズ『恋慕』独占配信中
パク・ウンビンと、今や俳優としても大活躍のボーイズグループSF9のロウンによる王宮ロマンス。パク・ウンビンが演じるのは、暗殺された双子の兄に代わり、女であることを隠して男装の世子イ・フィとして生きることになったタミ役。そのタミの初恋の相手となるのがロウン演じるジウンで、成人してからイ・フィ(実はタミ)の司書(教育係)なり、二人のロマンスが展開されるという具合。通常の時代ロマンスは世子×身分の低いヒロインという組み合わせが鉄板ではありますが、世子(実は女子)×仕える男子という立場逆転のロマンスがこのドラマのミソ。
 
イ・フィがタミであることはもちろん、女子であることも知らずに惹かれていく自分に戸惑い、それでも好きを貫こう決めるジウンがめちゃ健気で反対にヒロインのように見えるし、韓服に身を包んだパク・ウンビンは決して大柄とはいえずむしろ華奢なタイプであるにも関わらず、その堂々とした立ち振る舞いや低く重いトーンの声などは本物の王にしか見えないという。そんな二人の間に立ちはだかるのが熾烈な権力争いと、親と子というしがらみと情愛。果たして二人はその試練を乗り越えて初恋から続く恋慕を成就することができるのか。世子として男子として気丈に振る舞うパク・ウンビンの秘めた恋心も切なく響きます。
■Netflixシリーズ『恋慕』独占配信中

恋人~あの日聞いた花の咲く音~

恋人~あの日聞いた花の咲く音~
Ⓒ2023MBC

壮大なスケールでつづる時代ロマンス

「戦火の中、過酷すぎる運命に翻弄されながら、思いを貫こうとする主人公たちの、せつなく激しく美しい愛が痛いほどに胸を打つ」。朝鮮王朝第16代王・仁祖の時代を舞台に戦乱により何度も引き裂かれる男女の純愛を描く。’24年の百想芸術大賞作品賞受賞作。

■U-NEXTにて独占配信中

花が咲けば、月を想い

朝鮮王朝時代、王命の名のもとに禁酒令がたびたび施行されていたのをご存じですか? といっても長くても数ヶ月というのが実のところらしいのですが、このドラマは、禁酒令が発令されて10年という朝鮮王朝架空の時代を舞台にしたラブコメ時代劇です。
韓国ドラマ 花が咲けば、月を想い ラブコメ
お酒好きの世子役を演じるビョン・ウソク(右)。Licensed by KBS Media Ltd. © 2021 KBS. All rights reserved
ウソクが演じるのは世子(王の子供)役。といっても主演ではありません。ヘリ演じるヒロイン、ロソに片想いする二番手で、一番手となるのはユ・スンホ演じる両班(特権支配階級の家柄)の子息ヨン。超堅物の真面目人間で、持ち前の才覚を発揮して科挙に主席合格するのですが、任命されたのが監察官。要は密造酒を取り締まる側です。一方、ヒロインのロソは、落ちぶれた両班の娘で、お人好しの兄が作った莫大な借金を返済するために父秘伝の酒造りを開始。要は密造酒を作る側です。でもって、追うもの、追われるもののバトルの中からロマンスが生まれていくという展開なのですが、融通の効かないヨンと、生きるためには犯罪に手を染める覚悟も厭わないロソとの、力関係男女逆転の関係性が痛快で、実はあまり期待していなかった私も、一気見してしまった作品。
韓国ドラマ 花が咲けば、月を想い ラブコメ
ヨン役のユ・スンホ(左)とビョン・ウソク(右)。Licensed by KBS Media Ltd. © 2021 KBS. All rights reserved
時代劇にもれなく付いてくる権力争いも、権力をほしいままにする“おぬしも悪よのう”的な単純な高官像と違い、複雑なキャラになっているところも魅せてくれます。で、ウソクですが、一見、容姿端麗、文武両道の颯爽とした世子なのだけど、宮廷をたびたび抜け出し闇酒を楽しんだりしていて、これが主演の世子なら、世を欺く仮の姿で、実は庶民の暮らしを偵察している体になるのですが、ウソク世子は違います。兄の突然の死により自分が世子となった負い目や自己嫌悪、コンプレックスをその内にいっぱい抱えていて、それにちょいちょい負けそうになって悪に迎合しそうになるわけです。そんな心の弱さや線の細さを好感度を落とさず表現できるのは、ひょっとしたらウソクだからこそなのかもしれないと、このドラマでつくづく。物語の流れとしてはヒロインのロソに惹かれていくわけですが、その後登場するカン・ミナ演じるウソク世子に一目惚れするイケメン大好きの兵曹判書(軍事を統括する大臣)の娘エジンとの絡みが最高で、底抜けに明るいエジンと心の弱さを隠しきれないウソク世子との、こちらも男女逆転していく関係性がめちゃ楽しい。「ソンジェ〜」でウソクペンになった人はもちろん、時代劇好きの人もお見逃しなく。
■U-NEXTにて独占配信中
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