見ればキレイになる⁉韓流ドラマナビ③ド・ギョンス(EXO-D.O.)主演「100日の郎君様」

エクラでおなじみのライター山崎敦子がお届けする、韓流ドラマナビ。第3回目は、韓流ドラマには欠かせない、王道のロマンス時代劇!
ド・ギョンス(EXO-D.O.)主演100日の朗君様
©STUDIO DRAGON CORPORATION

フュージョン時代劇の王道、それが“世子さま”もの

 頭の切り替え、うまくいっていますか? エクラ世代ともなるといろいろな雑事や難事に追われて、頭の中がパンパンになってしまうことってありますよね。上手に切り替えができれば、気持ち新たに翌日も元気に頑張れるけど、つい、余計なことを考えて鬱々とひきずり、翌日もその翌日もその翌日もパンパンパン…。
 そんな時、おすすめなのがこのドラマです。

日本のドラマがそうであるように、韓流ドラマにもいくつかのジャンルがあります。で、これは、「フュージョン時代劇」というジャンルの作品。「何、そのフュージョンって?」という声が聞こえてくるようですが、まあ、手っ取り早く言うと、時代劇であって史実ではない、とでも申しましょうか。朝鮮王朝や高麗王朝など、韓国の王朝時代の歴史を背景としながらも、その史実にとらわれることなく、自由な発想で物語が展開していくドラマのことを韓流では概ねこのように呼ぶようです(人によって定義はさまざまなようですが…)。天下の副将軍、徳川光圀を主人公に、史実とは違って諸国を漫遊しながら物語が展開する「水戸黄門」も、いうなれば日本のフュージョン時代劇と言えるのかもしれません。
ド・ギョンス(EXO-D.O.)主演100日の朗君様
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ま、それはさておき、そのフュージョン時代劇の中でもロマンスものの王道と言えるのが、このドラマのような「世子(セジャ)さま」ものです。世子とは、朝鮮王朝の王さまの跡継ぎとして認められた王子のこと。つまり、次の政権はこの世子の手に委ねられるというわけで、となれば、当然そこには次代の権力を巡って、さまざまな世子さまへの陰謀が繰り広げられるという寸法。命を狙われる孤独な若き世子さまが、その難関をどう切り抜けていくのか…。

ほら、これだけでも、もうワクワクと頭を空っぽにしてくれる気配満載でしょ。そう、世子さまものは、そんなハラハラドキドキの痛快サスペンスを下敷きに、きゅんきゅんのラブロマンスが展開される妄想力満点の時代劇なのです。喜怒哀楽という最もわかりやすい感情をストレートに心地よく刺激してくれるから、疲れ切った心と頭には、本当に良薬♡
ド・ギョンス(EXO-D.O.)主演100日の朗君様
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“韓流ドラマあるある”のモチーフ満載なのに飽きさせない!

で、このドラマももちろん、命を狙われる世子さまが主人公。その名はイ・ユル。幼い頃に謀反によって母を殺され、初恋の少女とも引き裂かれる残酷な過去をもち、誰一人信じることのない宮廷の中で孤独に生きてきたため、かなりな冷徹青年世子として育ちます。そして、ある時、政略結婚させられた妻との床入れを迫られて、その腹いせに「適齢期を過ぎた男女は全員結婚すべし」というとんでもないお触れを出してしまうのです。

そんな折、宮廷の陰謀で刺客に襲われたユルは、瀕死の重傷を負ったところをヨンという村人に助けられます。が、記憶を失ってしまうユル。ヨンは、世子のお触れに背いて結婚を拒否し罰せられそうになる娘のホンシムのため、ユルを娘の許嫁ウォンドゥクだと思い込ませ、2人を結婚させてしまうのです。かくして、かりそめの夫婦になった二人の“100日間”が始まる、、、という展開。

宮廷では文武両道に長けた完全無欠の世子さまも、庶民の生活では水汲みひとつできない超無能男子。なのに、ツンデレっぷりはそのままというギャップの可笑しさと、初めは反発し合いながらも、次第に惹かれ合っていくふたりのサラン(愛)の行方が最大の見どころ。さて、もう、おわかりだと思いますが、世子さまとかりそめの夫婦になるホンシムは、謀反で引き裂かれた世子さまの初恋の少女。なにやら“あるある”の匂いがプンプン漂ってきませんか? 
ド・ギョンス(EXO-D.O.)主演100日の朗君様
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そう、このドラマ、ツンデレ王子、偽装結婚、記憶喪失、実は初恋、という“韓流ドラマあるある”のモチーフ満載。いうなれば、水戸黄門の印籠が次から次へと飛び出てくるとでもいいましょうか。それゆえ、印籠という絶対的な切り札の中で、安心しながら思いっきり感情を遊ばせることができるから、もう、脳内アルファ波、出まくりです。しかも、使い古された印籠でも、複雑に交錯しながらあの手この手で「控えおろう」とばかりに絶妙のタイミングで攻めてくるので、マンネリに陥ることなく、どっぷりとストーリーに浸れることができる。

それは、こういう軽めコメディタッチのドラマだからこその、より丁寧により巧みに描かれた脚本と演出の手腕によるところが大きいですが、やっぱり一番は、世子を演じる俳優ド・ギョンス(EXO-D.O.)の圧倒的な存在感。冷徹というキャラクターゆえ、ほとんど無表情なのですが、例えば、瞳の微妙な揺らせ方ひとつで、眉毛1本の動かし方ひとつで、口角の0.0001ミリの緩め方ひとつで、呼吸の間のとり方ひとつで、さまざまな感情を絶妙に演じ分けるセンスが絶品。

新宿や浅草の寄席にいくと、最初のほうに出てくる前座の若手が、やたらオーバーアクションでちょっと引き気味になってしまうことってありますよね。でも、最後に年老いた真打ちが登場すると、その聞き取れるか取れないか微妙な音量でボソボソと話す単語のひとつひとつに、なぜか前のめりに引き込まれていく…。それに似た老練さをギョンスの表情に感じてしまうのは私だけでしょうか。
ド・ギョンス(EXO-D.O.)主演100日の朗君様
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 いずれにしろ、世子さまものの世子さまを演じることができるのは、その時代を代表するごくわずかな若手イケメンのみ。その時を逃したら、2度と演じる機会を逸するかもしれない貴重な役を、最も旬の俳優が演じるわけですから、面白くならないわけがない。パンパンの頭をすーっと軽やかにほぐしてくれること必至です。

「100日の郎君様」

記憶をなくしたツンデレ王子と、行き遅れのワケあり村娘の100日間の愛を描いたロマンス時代劇。EXOのD.O.こと俳優ド・ギョンスが初めての時代劇、初めての世子役に挑戦することでも話題に。完全無欠の凛々しき王子が、生活能力ゼロの天然ボケ庶民男子に転じるギャップを魅力たっぷりに演じる。一方ワケあり娘に扮するのは名子役出身の実力派ナム・ジヒョン。2人の息のあった微笑ましいかりそめ夫婦ぶりに心解きほぐされる。韓国では、2018年に放送され、同時間帯の視聴率1位を独走するほどの人気作に。
ド・ギョンス(EXO-D.O.)主演100日の朗君様
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「100日の郎君様」
DVDBOX1 発売中
DVDBOX2 12月4日発売
各19,000円+税
DVDレンタル中
発行:NHKエンタープライズ 販売元:エイベックス・ピクチャーズ
「100日の郎君様オリジナルサウンドトラック」発売中

公式HP: roukunsama.jp

山崎敦子

山崎敦子

旅行記事に人物インタビュー、ドラマ紹介、実用記事から、着物ライターとさまざまな分野を渡り歩き、今では美容の記事を書くことも多くなったさすらいのライター。襲いかかるエイジングと闘いながら、ウキウキすること、楽しいことを追い求め続ける日々を送る。最近は、韓国のオーディション番組プロデュースX101にはまりまくり、そこからデビューが決定した11人アイドルグループ「X1」に大注目中(今後機会があれば、そちらも記事に上げたい…)。ちなみにBTSも好きです。

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