生まれはマルセイユの隣町カシ。畑は地中海に突き出たカナイユ岬の断崖にある。ここは山に囲まれながらも海風が入り込む冷涼な土地で、この畑ならではの繊細な酸味のブドウが育つという。造り手はこの地で4代続くザフィロプロ家で、早くから有機栽培に取り組み、ファミリーで高品質のワインを造り続けている。
このワインを楽しむなら夏の夕方がいい。それも、ちょっと疲れたときこそが、このロゼの出番だ。凛としたたたずまいで、穏やかな笑顔が素敵な女性がいるが、このロゼはまさしくそんな感じ。ひと口飲むとほっとするのだ。その包容力ゆえに、合う料理も前菜、魚、肉、デザートと実に多彩。時には、鶏のハーブ焼きやラタトゥイユを用意してプロヴァンス気分に浸るのもいい。“彼女”は、いつも自然体で、信頼できる友だち。付き合いは、きっと長くなるだろう。