夏の夕方に飲みたい、ほっとする一本。プロヴァンスの「カシー ロゼ」【飲むんだったら、イケてるワイン】

夏の夕方、それもちょっと疲れたときにこそ楽しみたいワインがある。「クロ・サント・マグドレーヌ カシー ロゼ 2018」がそれだ。凛としたたたずまいで、穏やかな笑顔が素敵な女性がいるが、このロゼはまさしくそんな感じ。造り手は、フランス・プロヴァンス地方で4代続くワイナリー。合う料理も実に多彩なイケてる一本をご紹介。

とっつきにくそうだけど、 なぜか仲よくなりたくなる、そんな彼女

CLOS SAINTE−MAGDELEINE(カシー ロゼ)

クロ・サント・マグドレーヌ カシー ロゼ 2018

クロ・サント・マグドレーヌ カシー ロゼ 2018
第一印象はクール&ドライ。だが飲んでいるうちに、フレッシュな酸味と赤い果実のアロマに癒されている自分に気づく。淡いロゼ色もコート・ダジュールの夕暮れの海のようで、とてもロマンチック。「プロヴァンスのロゼは軽やか」──。ずっとそう思っていたが、この「クロ・サント・マグドレーヌ カシー ロゼ 2018」はひと味違う。大人っぽさの奥にかわいらしさがあって、大好きになってしまった。

生まれはマルセイユの隣町カシ。畑は地中海に突き出たカナイユ岬の断崖にある。ここは山に囲まれながらも海風が入り込む冷涼な土地で、この畑ならではの繊細な酸味のブドウが育つという。造り手はこの地で4代続くザフィロプロ家で、早くから有機栽培に取り組み、ファミリーで高品質のワインを造り続けている。

このワインを楽しむなら夏の夕方がいい。それも、ちょっと疲れたときこそが、このロゼの出番だ。凛としたたたずまいで、穏やかな笑顔が素敵な女性がいるが、このロゼはまさしくそんな感じ。ひと口飲むとほっとするのだ。その包容力ゆえに、合う料理も前菜、魚、肉、デザートと実に多彩。時には、鶏のハーブ焼きやラタトゥイユを用意してプロヴァンス気分に浸るのもいい。“彼女”は、いつも自然体で、信頼できる友だち。付き合いは、きっと長くなるだろう。
CLOS SAINTE−MAGDELEINE(カシー ロゼ)
フランス・プロヴァンス地方。グルナッシュ、サンソー、ムールヴェードルなど在来品種をブレンド。スパイスの香りもあり、エスニックとも好相性。オーガニック認証「AB」取得。750㎖ ¥3,800 /ラック・コーポレーション
教えてくれたのは……
あんざい きみこ●ファッション誌やワイン誌で料理やワイン、旅、お取り寄せなど幅広く執筆。海外のレストランやワイナリー、醸造家取材も多数。著書に『葡萄酒物語』(小学館)。シャンパーニュ騎士団シュヴァリエ。

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