【雨宮塔子】50代の”自分らしいおしゃれ”の仕上げ方

生活の拠点を置くフランスから、約1年ぶりに日本へ一時帰国した雨宮塔子さん。なによりおしゃれが大好きで好奇心旺盛な彼女が、長いパリ住まいを通し知り得たのは、どんな服も自分のものとしてしまう、パリの大人たちの着こなしの自由さ。雨宮さんらしい“雰囲気のあるおしゃれ”をつくるアイテムとともに、自分らしい着こなしを楽しむヒントを聞いた。

 

自分らしい着こなしを楽しむヒントとは?

抜け感をうまく引き出すことで自分ならではのスタイルづくりを

「パリで暮らすアジア人の私が、おしゃれを楽しむうえで最も大切にしているのは、いかに“抜け感”を出すことができるか。それに尽きる気がします」

誰もが憧れずにはいられない魅力を放つ彼女は、かなりのおしゃれ好き。冒頭の「雨宮さんのおしゃれの仕上げ方とは?」の問いにも、「“抜け感”を出すことでしょうか」と即答が。

「いわゆるパリジャンの中では、上から下までビシッと完璧に整っている着こなしは、むしろやぼったい印象をもたれることがあるようです。きちんとさやきれいめさを残しつつも、どこをくずして、どう抜くか、そこに一番気を使います」。では、その“抜け感”はどうやってつくり上げるのだろう?

「その時々で考えますね。その日の気分や鏡に映った全身のバランス、出かける場所の雰囲気や、会うメンバーによっても変わります。例えば今日はジャケットに袖を通さず肩にかける、とか。全体が重く見えない色選びや、きっちりしすぎないメイクやヘアスタイルなど……細かいことですが、本当にいろいろです」
【雨宮塔子さんインタビュー】自分らしい着こなしを楽しむヒントとは?
「基本的にはシンプルでラフな服装が好き。でも古くさくならないよう、今っぽさは意識するようにしています。きちんと感は大事にしながら、定番アイテムを更新したり、子供たちと買い物に行って刺激やヒントをもらったり。若い人たちが集まるお店だと、最新のスタイルが手ごろな価格で売られていますよね。とっても短い丈のトップスを、娘世代がうまく着こなしているのを見たりすると、同じような着こなしはしなくても、それが“抜け”や“くずし”の参考になる……。影響受けてますね(笑)」。

ファッションの街=パリに暮らす雨宮さんが、最もおしゃれにこだわる場面をたずねてみると、「それは断然、女友だちと最新のレストランに行くとき! お店の内装やメンバーの顔を思いながら、さあ何を着よう?と張り切ってしまいます(笑)」

思い込みからの解放でおしゃれがもっと楽しくなる!

50代になっても「自分らしいおしゃれ」のあり方に悩む人は多い。自分らしいセンスを磨くコツはあるのだろうか。
「私は素敵な人を見るのが大好きで、観察を続けるうちに思いいたったのが『こうじゃなきゃ』という思い込みを取り払うことでした。例えばメイクならアイシャドウとアイラインと眉とチークを毎回必ずというのを、一回やめてみる。すると服によって、今日はチークだけでいいなとか、口紅だけとか。あるいはメイクはするけど、服で抜け感を出そうとか。なにかしらの発見があるんです。そういう加減がパリジャンはすごく上手。観察するのが楽しくて、飽きないんです」

デニムジャケット¥39,930・ニットワンピース¥38,500/ザ・リラクス ピアス¥52,800/エドストローム オフィス(シャルロット シェネ)

おしゃれな抜け感をつくるアイテム5

ジャケット

ジャケットよく着てますよね、といわれます。実際はおるだけで着こなしがまとまるし、前を開けたりボタンをいくつか閉じたり……と、自分らしいおしゃれを楽しめるジャケットは、私にとって安心できるアイテム。いつもスーツケースに一着は入れてしまいます。これまで数えきれないほど着てきましたが、最近はオーバーサイズのものや遊びがあるものも積極的に取り入れたいと思うようになりました。50代になっても、まだまだ新しい着方にチャレンジできる自由さがあるところも、やっぱり好きです。

ジャケット

「こういう素敵なデザインのかっこいいジャケットに出会うと、本当にうれしくなります。むずかしそうだけど、私ならどう着よう?って考えるのが楽しくて」。

ジャケット¥93,500・カットソー¥9,900・パンツ¥26,400/ボウルズ(ハイク) ネックレス¥341,000・ピアス¥99,000/トーカティブ 表参道 バッグ¥305,800/ヴァレクストラ ジャパン(ヴァレクストラ)

ベルト

たとえ服が何シーズンか前のものでも、ひとつ足すだけで今っぽさが出せるのがベルト。機能ではなく、アクセサリー感覚でチョイスし、ワンピースやジャケットに合わせます。使い方によってウエストサイズが合わなくなると、わざわざそのブランドに持っていって、サイズを調整してもらうことも。気に入ったものは長く使うタイプですね。
今っぽさを出したいときは「ベルト」をチョイス!雨宮塔子さんのおしゃれの仕上げ方
「チェーンベルトってハードに傾きすぎだと思っていましたが、これならいけそう! こういうオールブラックなスタイルに、効かせてみたいですね」。
ベルト¥18,700(参考価格)/アマン(アトリエ アンボワーズ) コート¥68,200/ユナイテッドアローズ 新宿店(イロット) ブレスレット¥594,000/サザビーリーグ(ホーセンブース) バッグ¥100,100/ピエール アルディ 東京(ピエール アルディ)

コート

冬のおしゃれの仕上げといえばコートですが、以前、自分で車を運転していたころには、あまり執着のなかったアイテムなんです。徒歩で移動することが増えたのをきっかけに、ロングコートを着てさっそうと歩きたいと思うように。柔らかくて、軽くて、着るだけで抜け感を出せるような淡い色みで……。さまざまな思いをめぐらせながら理想の一着を探しつづけています。
アラフィーが悩みがちな「コート」の色選び。雨宮塔子さんが求める理想の一着は?
「コートの色選びって、黒髪だと特にむずかしい気がします。こんな白っぽいグレーなら、はおるだけで全体の着こなしが軽やかに仕上がりますね」。
コート¥88,000(ルー アンドレア)・ニット¥35,200(マークケンリー ドミノタン)・ベルト¥35,200(カルメイヤー)/以上アパルトモン 青山店 デニム¥25,300/ゲストリスト(アッパーハイツ) 靴¥126,500/ピエール アルディ 東京(ピエール アルディ)

ヘアスタイル

ピンもスプレーも使わずに、ささっと簡単に髪をまとめ上げるパリジェンヌに憧れますが、髪質的にも手先の器用さでも私にはむずかしい。だから、まずは最初にきちっと整えてから、少しずつくずしていく方法で仕上げます。まとめるにしても下ろすにしても、髪にツヤがないと目ざすスタイルとは別のものになってしまうので、ヘアケアの大切さを痛感しています。
ヘアも“抜け感”が大事!雨宮塔子さんがめざす理想のヘアスタイル
「娘はバレエをやっていたこともあって、まとめ髪が速くて上手。私はラフだけどきれいを目ざして、時間をかけてくずしてます。ヘアもメイクもやっぱり“抜け感”が大事ですから」。
デニムジャケット¥39,930・ニットワンピース¥38,500/ザ・リラクス ピアス¥52,800/エドストローム オフィス(シャルロット シェネ)

シューズ

ハイヒールはね、すごく便利なんですよ。服がカジュアルなときや気合を入れたいときに、簡単に女度を引き上げてくれるから。履くときはたとえ真冬でも素足です。でも年々、足の痛みに耐えきれず、ハイヒールを履いていられる時間が短くなってきているので(笑)、本当に「ここぞ」っていうときに。マニッシュな装いにひとさじの女性らしさを足すのは、きっと永遠に好きなスタイルです
ここぞというときの一足に!雨宮塔子さんの「ハイヒール」スタイル
「服がシンプルなぶん、靴で流行を取り入れることも。ジャンヴィト ロッシは足に合うものが比較的多くそろっているので、頼りにしているブランドです」。
靴¥104,500/ジャンヴィト ロッシ ジャパン(ジャンヴィト ロッシ) カーディガン¥39600・キャミソール¥17,600・パンツ¥29,700/ユナイテッドアローズ原宿本店(ロエフ) ピアス¥22,000/ブランイリス トーキョー(ブランイリス) スマホ・メガネケース¥53,900・ストラップ¥46,200/ゴヤール ジャパン(ゴヤール)
あめみや とうこ●’70年、東京生まれ。フリーアナウンサー、エッセイスト。6年間のTBSアナウンサーを経て、’99年に単身渡仏。’16年から約3年間『NEWS23』のキャスターを務めたのち、拠点を再びパリに戻し、執筆や現地情報の発信など、幅広い分野で活躍。YouTubeチャンネル『A l’aube by Toko and Maho』も更新中。
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