エクラ担当編集が検証! 「人は年をとるにつれて、話を最後まで聞けなくなる?」

最近、人の話を最後まで聞けなくなってきた気がする……。友人や同僚も私の話を最後まで聞いてくれない…。こんな経験をしているアラフィー女性も案外多いのでは? これは果たしてアラフィー特有の現象なのか、エクラ編集M山が徹底検証しました。

【仮説】「人は年をとるにつれ、話を最後まで聞けなくなる」!?

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話の途中で結論を出すのはアラフィー独特の現象か!?

2年前、エクラ編集部に異動したアラフォー男性編集者のM山。読者世代の女性スタッフと組んで取材をする機会が増えた彼は、最近、こんな疑問を抱くようになった。「アラフィー女性と仕事をすると、最後まで話を聞いてもらえないことが多いのはなぜか?」。

「例えば、スタッフ3人と打ち合わせの日程を決めようとしていたときのこと。僕は『19日以外なら大丈夫です』といおうとしてるのに、19日と聞いたとたん、『19日ならOK!』『その日は午後がいいです』とか早合点して話がどんどん先に進んでしまう……。こんなことがよく起こるんです(笑)」

 果たしてエクラ世代にありがちなエピソードなのか? 実情を知るべく読者アンケートをとってみたM山。すると、

「話を最後まで聞かずにわかったフリを話の途中で結論を出すのはアラフィー独特の現象か!?する職場のアラフィー女性。結局ミスにつながり、私が後処理をするはめに」(48歳・会社員)

「説明の途中でわかった!という同僚にうんざり」(46歳・会社員)

「話の途中で、へえー、それでさあ……と、自分の話に変えてしまう友人」(51歳・主婦)

など、同様のタイプは多数存在すると判明。原因は加齢なのか? はたまた性格によるものなのか? 真相を究明すべくM山の検証取材が始まった……。

編集M山が勝手に分析した3タイプ

「BGM型」 一見、話をきちんと聞いているようだが、実際は話し手や会話の内容に対する関心が低く、右から左へと軽やかにスルー。
「イントロクイズ型」 イントロだけで曲の題名を答えるように、話の途中で「ハイわかった、そういうことね!」と早合点する会話の早押し女王。
「マイク奪い取り型」 人の話を聞くより自分の話をしたい。口をはさむタイミングを見計らい、機会があれば鋭くカットインして話の主導権を強奪!

【検証】その説は果たして正しいのか?先生がたに取材!

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お話を伺ったのは…
脳科学コメンテーター 黒川伊保子さん

【Profile】
独自の脳研究をもとにしたエッセイや、語感の秘密を解き明かす著書が人気。『前向きに生きるなんてばかばかしい』『成熟脳 脳の本番は56歳から始まる』ほか著書多数。

エクラ世代は会話の達人。回りくどく話すほうが悪い!

脳科学者の黒川伊保子さんを訪ね、アラフィー女性はなぜ最後まで話を聞かないのか、脳科学の視点から意見を求めたM山。すると「19日以外……なんて回りくどいたずね方をすることがそもそもの間違い」と想定外の答えが!

「人間の脳には28年周期で大きな変化が起こります。図のように28歳までは脳がひたすら情報を集めて、独自のテンプレート=情報や経験のひな型をつくる時期。増えたテンプレートはその後28年かけて選別され、56歳になるころ、脳は成熟した出力装置になります。

エクラ世代が最後まで話を聞かずに判断する理由は、脳の老化でも加齢による集中力の低下でもありません。とりそろえたテンプレートを駆使して、いくつかのキーワードを聞いただけで先を読む会話の達人だからなんです」

 テンプレートが活躍するのは「その人が得意とする領域」(黒川さん)なので、不得意分野では誤作動を起こす=早とちりするケースもある。とはいえ、瞬時に的確な答えを導き出す脳をもつエクラ世代との仕事では、「起承転結の“起承”や、まぎらわしい枕詞は不要で、時間のムダ。速攻で本題に入るべし」と、心のメモに刻むM山だった。

自分の中に、あらゆるテンプレートを「増やす期」 12歳で大人型に変化した脳は、独自のテンプレートをつくるための入力装置と化し、28歳になるまであらゆる知識や情報、経験などを集めていく。
集めたテンプレートを取捨選択する「選ぶ期」 成功と失敗を繰り返しながら自分にふさわしい「ゴールデンテンプレート」を選択し、不必要なものは消去。56歳くらいになると洗練された脳が完成する。
ゴールデンテンプレートを駆使する「生かす期」 ゴールデンテンプレートがそろって、独自の世界観が確立。物事の本質を見極める力と、表現力が高まっていく。脳は出力装置としての最高期を迎える。
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お話を伺ったのは…

心理学者 榎本博明さん

【Profile】

東京大学教育学部教育心理学科卒業。MP人間科学研究所代表として人間関係に心理学を生かす講演や執筆を行う。著書に、『「上から目線」の構造』『自己実現という罠』ほか。

欧米の影響と体力の衰えが聞く力を低下させています

心理学の見地からこのテーマを分析すると、違った解説が得られるのでは?と考えたM山。早速、日本人独特のコミュニケーションについて研究を重ねる榎本博明さんを訪ねると、「最後まで話を聞かないのには、年齢的な理由と日本特有の社会状況が関係しています」という答えが返ってきた。

「アラフィーになるとおよそのことは経験していて、他人に対する関心が低くなります。また、年齢とともに体力・気力が減退し、会話の最中にうわの空になってしまうことも。この両方に当たるのが右ページのBGM型です」

 イントロクイズ型の登場には意外にも!?読書量の減少が起因している。

「長い文脈で物事を理解することを心理学で認知的複雑性といいます。読書量が減るとこの性質が衰えて、何事も単純化しやすくなる。数語を聞いただけで結論を出すのはその表れですね」

 やっかいなのがマイク奪い取り型。「古来日本には、自分が話したら相手の話を聞く“お互いさま”の精神があります。ところが欧米文化の影響で自分を主張したい、意見をいいたいという人が増えている。一方で周囲を気遣う日本的感性の人も多く、対人関係に緊張を生みやすい状況になっています」

「最後まで聞かない」という現象には、そんな理由もあったのか……!

「最後まで聞かない」人に考えられる理由

1.他人に関心がない
2.自己主張が強い
3.気力が減退している
4.認知的複雑性に乏しい

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商品の魅力と短所、両方を説明してくれるのは、よい店員さん……のはずが、認知的複雑性に乏しい人には、話がこんがらがって逆効果。単純な話であるほどちゃんと聞ける

取材・文/浦上泰栄 イラスト/カツヤマケイコ ※エクラ9月号掲載

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