今、植物に注目が集まっている。ステイホームをきっかけに、目が向くようになった人も多いのではないだろうか。子育てが一段落したころから植物を世話する楽しみに目覚め、最近ではすっかり夢中になっているという桐島かれんさん。観葉植物を育てる楽しみ、センスよく飾るためのコツ、おすすめの品種などを教えてもらった。
①観葉植物の飾り方のコツ
「リビングの窓辺は日当たりがよく、植物が快適に育つので、ついたくさん置いてしまいます」。背の高いウンベラータ、フィカス・アムステルダムキングの下にモンステラやシダ系の鉢を置き、窓辺にはホヤ系のハンギンググリーンをリズミカルに吊り下げ、葉の濃淡、葉形や高さを考えて美しく配置。名作家具や照明が並ぶリビングに、生命力あふれる植物たちがいきいきと枝葉を伸ばし、みずみずしさを添えている。
お世話をする楽しみも愛(め)でる楽しみも味わえる
「今、観葉植物が110鉢近くあるかな? だんだんジャングルのようになってきて、私はうれしいのですが、家族は半ばあきれ顔です」と笑うかれんさん。
もともと、花や観葉植物好きで“緑の親指”の持ち主。なんと結婚当初から30年近く育てている植物もあるという。
「昔はインテリアのアクセントくらいの感覚でした。でも50歳ごろからかな、急に植物を育てることが『楽しい』と思えるようになって。子育ても一段落し、お世話をしなければいけないという存在と、育てる楽しみを、新たに見つけた感じでしょうか。それがコロナ禍に一気に加速しました。出張や旅行に行けなくなり、家にいる時間が長くなって、お手入れをする時間もたっぷり。ネットで調べた新しい品種を手に入れたり、挿木をしてみたり。枯れかけた植物を引き取って再生させてみたり。楽しくてしかたありません」
昨年引っ越してきたという、天井の高い住まいには、イタリアモダンの家具と北欧のヴィンテージ家具がセンスよく配されている。目をひくのは、家の至るところに置かれた涼やかな観葉植物たち。流れる空気までもがすがすがしく感じられ、深呼吸したくなる。これだけたくさんあるのに雑然とせず、美しく見えるのはさすが。かれんさんに観葉植物の飾り方のコツをうかがうと、
「あくまで生き物なので、それぞれの植物の特性を観察しながら、適材適所に置くことがまずは大切です。わが家はリビングに日当たりのいい3つの大きな窓があるのですが、どうしてもそこに集中しますね。日陰でも耐えられる植物は、あまり日の当たらない本棚やダイニングの家具の上、バスルームなどに置いています。並べて置くときは、お互いに引き立て合うように。葉の大きさ、色、形、模様などが違うものを、高低差をつけて並べるようにしています。そうすると奥行きや抑揚が生まれ、全体としてバランスよく美しく見えます。さらに鉢の素材感や色をそろえると雑然とせずに、スッキリと見えますよ。アンティークの置き物や家具などと一緒に飾るのもおすすめです」
本棚には垂れ下がる植物を本や旅の思い出の品と一緒にあしらう
北向きの窓の横にある本棚には耐陰性のある植物を。美しい装丁の本と一緒に、垂れ下がる姿を楽しめる蔓性のホヤやペペロミアの小さな鉢を、世界各国からやってきたプリミティブなオブジェとともに飾っている。
大きな植物の下には中・小の植物を高低差をつけて
リビングのもうひとつの窓辺には、大きなカシワバゴムを置き、その下を埋めるように高低差をつけて並べた。鉢はセラドン焼きで統一。
ダイニングでは世界各地のブルー&ホワイトの壺や花器に
日当たりのあまりよくないサイドボード上には、ブルー&ホワイトの器にモンステラやカラテアを。花器には挿木として生育中のドラセナの葉が。
部屋の家具に合わせ鉢も白で統一
「娘の部屋は日当たりがいいので勝手に植物を置いています(笑)」
趣のあるアンティークの置き物と観葉植物を一緒に飾るのもおすすめ
階段の踊り場のバリで購入したチェスト上には、鹿の置き物とモンステラなどの植物を。
バスルームにはカラテア・オルビフォリアとミャンマーの仏像が。
②鉢カバー選びのポイント
鉢カバーの色や素材をそろえて並べると美しく見える
夫である写真家・上田義彦氏がペルーから大切に抱えて持ち帰ったという美しい壺を鉢カバーに。ヒメモンステラを入れて。
タイや中国のセラドン焼の器に植物を。「セラドングリーンは植物ともよく合うと思います」。大きなものは水瓶として、小さなものは食料入れに使われていたそう。
竹を細く裂いて編む上品で美しいタイ製のカゴは、かれんさんのお気に入り。左奥はバリ製のカゴで、植物はすべてホヤ系。
「あけびを編んだ日本製のカゴは、中の鉢が見えそうで見えず、鉢カバーとしても優秀です」。植物にもインテリアにも合わせやすいとか。葉が垂れ下がる植物は高さのある台に載せるといい。
「植物が髪の毛みたいでかわいい」とオンラインショップで購入した鉢カバー。ホヤ・エキゾチカを入れ、娘さん作のアートと並べて。
中国のアンティークやベトナムのブルー&ホワイトの染付の壺や花器。出どころは違ってもおおらかにそろえると美しい統一感が生まれる。
窓辺にはハンギンググリーンを。葉形の異なるものをリズミカルに
キッチンの窓辺には、カーテンレールを利用して、ホヤ、ペペロミア、クジャクサボテンなど、葉の形、質感、大きさの異なるものを緑のカーテンのように吊るしている。卓上には最近購入して植え替えた珍しい植物が並ぶ。
植物のお世話をするのは週に1度。日曜日の午前中が多いとか。
「枯れた葉を摘み、肥料を与え、たっぷりと水をあげて、虫がついていたらていねいに取り除きます。お手入れをしているうちに、不思議と私も元気になってきて、じゃあ次は掃除をしよう! という気持ちになれるんです。植物に触れていると、心が休まり、頭もスッキリしてくる。パワーチャージできるんですね。この家に引っ越してからは、庭で植物を育てる楽しみも加わり、今はとにかく植物に触れている時間が楽しくて。きっと私は、常に忙しく何かをお世話することで、生かされていたいのだと思います。それを実感できるのが、植物なのかもしれませんね」
③観葉植物の育て方のポイント
植物に触れ、手入れをしていると心が休まり、元気になれる
「週に1度のお手入れに加えて、日々、時間があれば葉水をやったり、カイガラムシと格闘したりしています」と楽しそう。
かれんさんお気に入りのホヤ系の中でも葉脈が美しいホヤ・カリストフィラ。
まずは育てやすい植物から。同じ品種を集める楽しみも
「観葉植物を育てるときに気をつけるべきは、日当たりと温度、風通し、水やり、肥料の4点です。基本的に熱帯地方の植物なので、なるべくその環境に近づけてあげること。乾燥する冬は加湿器をつけたり葉水をあげたり、夜の寒さにも気をつけることが大切です。
私もそうなのですが、やはり一番失敗するのが水のやりすぎ。過保護にせずに、完全に乾いてからたっぷり水をあげましょう。あと初心者のかたは、育てやすい植物からスタートすることも大切だと思います。いきなりむずかしい植物に挑戦し、枯らしてしまうとくじけてしまいますから。ポトス、ホヤ系、ペペロミア、多肉のサンセべリアなどは比較的育てやすいと思います。
今私がハマっているのがホヤ系の観葉植物。蔓性で葉の表情がとても豊か、育てやすく初心者にもおすすめです。蝋細工のような花を咲かせ、小さなスペースでも育つたくましい植物です。私が育てているのはまだ20種ほどですが、200種くらいあるんです。ペペロミアも丈夫で育てやすく、種類も豊富で集めて楽しい植物だと思います。
観葉植物については、海外のプロや若者のYouTubeを見て、育て方や品種などさまざまな情報を得ています。最近は苗も鉢もネットで購入することがほとんど。欲しい品種をそれぞれの専門店で探します。小さな苗を買って、数株まとめて植え、自分で大きく美しく育てるのが楽しみです。夢は室内の壁に植物をはわせること(笑)。楽しみはつきません」
重厚なアンティークの置き物とみずみずしい植物は好相性
「アンティークの置き物と観葉植物を合わせるのが好きです。ともに自然素材ということもあってか、とてもしっくりなじみ、お互いを引き立てあうと思います」。日本の古い香炉の横には、ツワブキの鉢を。下は中国アンティークのコンソール。
まん丸の葉がかわいらしいかれんさんお気に入りの観葉植物
「ピレア・ペペロミオイデスは別名『パンケーキプランツ』と呼ばれる丸い葉が特徴。これも今お気に入りの植物のひとつです。まんべんなく美しく見えるよう数株合わせて植えました」
④都内のグリーンショップ5選
家時間が長くなり、観葉植物が飛ぶように売れているとか。おしゃれな鉢と組み合わせて買える、インテリアに合わせやすい植物がそろう、とにかく植物の種類が豊富……など、初心者でも安心して行ける、おすすめのグリーンショップをご紹介。
1.RUST
注目の立川エリアにオープン。大人のための園芸店
「大人の園芸店」をテーマに昨年オープン。古道具と組み合わせたディスプレイも参考になる。
(左)ヘテロパナックス。水受け一体型の鉢込みで¥4,030、(右)レックスベゴニア・エスカルゴ。鉢込みで¥2,044
黒・グレー・ゴールド系の鉢が豊富。
花台になりそうな家具などもそろう。
店長の渡邉亜希子さん。
【RUST】
●東京都立川市緑町3の1 GREEN SPRINGS E2-208
TEL:042・506・1187
11:00〜19:00
休日:1/1
2.ブリキのジョーロ
そのまま飾れる、センスあふれる鉢と植物の合わせが人気
ガラスや陶器のおしゃれな鉢に植えられ、持ち帰ってそのまま飾れるのがうれしい。植物の寄せ植えや取り寄せなど相談可。
鉢と植物の合わせが魅力。夏はガラスの鉢が人気。ガラス鉢(小・植物込)¥2,310〜
オリジナルのマクラメハンギング¥3,630〜(植物別)
鉢カバーにしたアフリカのボルガバスケット¥4,180〜(植物別)
観葉植物&庭木担当の木村武史さん。
3.SOLSO HOME
個性的な植物やオリジナルの鉢も。おもしろい枝ぶりや、珍しい品種もそろう
珍しい品種や個性的な観葉植物がそろう人気店。蔦屋家電内にも家具や家電と一緒に置かれ、購入時のイメージがわきやすい。
大きな植物も豊富。
アンスリウムカリブレイリー¥16,500、脚つき鉢¥22,220
ガジュマルなど幸運を呼ぶミニ植物も人気。
二子玉川店と日本橋店のストアマネージャー・西澤灯さん。
4.TRANSHIP
スタイリッシュなタイプが豊富。インテリアに映えるグリーン
枝ぶりや葉の樹形にこだわった仕入れがモットー。合わせやすいオリジナルの無彩色の鉢も人気。
オリジナルの鉢はモルタル&ファイバー素材で軽くサイズも豊富。防錆塗料を塗ったアイアンのハンギング鉢カバー S ¥2,200〜
厳選されたスタイリッシュな観葉植物がそろう。
ストアマネージャーの文屋泉さん。
5.オザキフラワーパーク
とにかく圧巻の品ぞろえ。植物好きが集まる人気大型店
都内最大級の品ぞろえで、植物好きなら一度は訪れたい店。観葉植物、サボテン、塊根植物などを扱う2階フロアには所狭しと植物が並ぶ。
みずみずしいシダ系も種類豊富。
人気の観葉植物はウンベラータ、エバーフレッシュ、フィカスアルテシマだとか。肥料や土など園芸用品も豊富にそろう。
葉が金色に光るジュエルオーキッドも人気。¥998
観葉植物担当の百瀬謙太郎さん。
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