独特の風土に惹かれ、アーティストやクリエイターが集う場でもある韓国・済州島。安藤忠雄設計のbonte museumをはじめ、建築家・伊丹潤の作品群など、島の各地で感性を刺激するアートスポットに出会える。
bonte(ポンテ) museum
写真1~6枚目は2026年に開館した「bonstar」。光や空の色によってステンレスの外壁が表情を変える
一日中アートに浸れる。新オープンの「bonstar」も必見
伝統工芸品や美術品の収集家イ・ヘンジャさんが40年来のコレクション約4千点以上を一般公開すべく’12年に設立。日本を代表する建築家・安藤忠雄が設計を手がけ、トレードマークである打ち放しコンクリートの壁と幾何学的デザイン、光や風、水を用いて、済州島の自然に溶け込むアートスペースを生み出した。bonteは「本態=本来の姿」を意味し、朝鮮後期の伝統工芸品や日用品、冠婚葬祭の道具が展示されているほか、ダリの立体彫刻や、ナム・ジュン・パイクのビデオアートなどの現代アート作品も。さらに今年3月には、外壁にステンレス材を使用した新館「bonstar」がオープン。安藤建築に関する展示をはじめ、草間彌生の『かぼちゃ』『無限の鏡の間』を常設する。建物に射し込む光と影の角度、東シナ海を望む眺めもすばらしい。晴れた日にこそぜひ訪れたいミュージアム。
開館記念特別展『Tadao Ando:Sea – Jeju Island and Naoshima』。初期の代表作から直島プロジェクト、bonstar館まで、安藤忠雄の仕事を模型や映像で紹介
安藤建築らしい三角モチーフがあちこちに
パク・ソンギの『An Aggregation202603』。ゆらめく鏡がさまざまな光をつくり出す
伝統石造物とメタリック建築が共存する中庭
テラスバー(予約制)や屋上から、山房山(サンバンサン)が浮かぶ海が見渡せる
新館以外に5つの展示館が並ぶ。エントランスの水路は日常とアートの境界線。風がやむと水面に建築物が反射する
第1展示館の、美しい刺繡が施された匙・箸入れや無文土器。窓からの光も計算しつくされた展示
同じく第1展示館には、はぎれを縫い合わせた朝鮮時代のポジャギが天井まで壁一面に!
高さ2mを超える「青りんご」のオブジェは安藤忠雄による青春のシンボル。前に蓮池が広がり、初夏には紫陽花が咲き誇る。また、近隣には伊丹潤ミュージアムや伊丹潤設計のパンジュ教会もあり、一緒にめぐりたい
撮影/Hayoung Kim 取材・原文/藤田麗子 コーディネート/Shinhae Song(TANO International) 取材協力/済州特別自治道・済州観光公社 ※₩(ウォン)1=約0.1円(’26年9月1日現在)。定休日の記載にない場合も1月1日、旧正月、旧盆は休館・休業の可能性があります。詳細は各施設の公式ホームページや公式インスタグラムなどでご確認ください。 ※エクラ2026年11月号掲載