この秋、美のパラダイムシフトを予感させる製品が続々誕生。もはやエイジングケアは目の前の肌悩みだけではなく老化のサインに先回り、美肌の長寿という異次元の領域へ。最新事情を知る3人が、奇跡を起こす最高峰クリームを紐解く!
エイジングケアの価値観が変化する今、大人がクリームを手にとるべき理由
〈安倍さん〉ピアス¥4,180(ヘンカ)・リング(2本セット)¥16,500(タラッタ)/以上ロードス ブラウス/スタイリスト私物 〈神崎さん〉ブラウス¥39,600/ザ・ウォール ショールーム(ミューラル) ピアス¥50,600・リング(人さし指)¥42,900・(中指)¥39,600(ともに参考価格)/オーガスト 〈貴子先生〉ピアス 各¥24,200(stiii)・ネックレス(チェーン×パール)¥13,200・(パール)¥18,700(ともにPearl for Life)・ダブルリング¥35,200(REE)/以上ロードス ブラウス/スタイリスト私物
“最新知見と先進の処方技術、心を満たすラグジュアリー感まですべて凝縮されているのが、今どきのクリーム”。そう語る3人のそれぞれの視点とは?
あべ さわこ●美容ジャーナリスト。女性誌や美容誌、広告などで幅広く活躍。長寿時代のウェルネスビューティのあり方を、先進のサイエンスやホリスティックから探求しつづけている。
かんざき めぐみ●美容家。著書の発行部数は累計100万部超、Instagramフォロワー114万人超。自身の言葉でていねいに美容を語り、発信しつづけるほか、おしゃれ感度の高さでも常に注目の的。
たかこ●形成外科医、「松倉クリニック代官山」院長。美容医療から化粧品のスキンサイエンス、テクノロジーにインナーケアまで熟知。真摯で的確なアドバイスにファンが多い。
安倍 今季、エイジングケアのメインストリームは見た目の老化サインだけではなく、細胞レベルで老化を巻き戻すロンジェビティ(健康長寿)へと移行。パラダイムシフトを実感していますが、このトレンドをどうとらえていますか?
貴子 数年前からロンジェビティサイエンスのことは耳にしていましたが、今年一気に開花した印象。その背景にあるのが、細胞生物学や遺伝子研究などの進化。共通するワードが細胞環境、ミトコンドリア活性、老化細胞除去などです。老化を科学
的に分析できるようになったおかげで老化を否定せず、いかに健やかで美しくいられるかの発想へとシフト。美の価値観が変化してきているように感じます。
神崎 確かに多くのブランドが老化細胞をどう食い止めるか、老化の広がりをどう抑えるかの研究に注力しているよう。でも、各ブランドのアプローチがそれぞれ違っていて、その差を読み解くのがすごく楽しい。
安倍 ミトコンドリアや老化細胞など、スキンケアリテラシーも必要な時代になっていますね。今回クリームにフィーチャーしたのは、これらの最新知見が最上級のかたちで完成されたものが多いから。
ロンジェビティを見据えたレジリエンスにも注目
神崎 もうひとつ大きなキーワードだと感じているのがレジリエンス(バリア機能、回復力)という視点。その延長線上にあるのが塗膜技術の進化なのでは? 単になめらかになじんで潤いを届けるだけでなく、擬似皮膚感というか、美容成分を届けるのと同時に表面に膜を張るみたいな。しかもその膜が驚くほど高機能でまさにレジリエンスの要に。テクスチャーの精度で選びたいクリームがぐんと増えた印象です。
貴子 これまでのクリームって、いい美容成分があってもどう処方に反映するか、意外とハードルが高かったと思うんです。でも技術の進化によってむずかしい成分が配合できるように。肌のどこに届けるべきか、まるでAIのようにやってくれるん
ですから。
安倍 処方技術の進化もあって、エイジングの先を行くロンジェビティがかなう時代に来たということ。間に合いそう(笑)で胸をなで下ろしているけれど、いまだにベタつくからという理由で、クリームを使わない人もいらっしゃるみたいです。
貴子 カプセル化やリポソーム、成分を細かくして肌に届けるなど、塗膜技術も浸透技術も格段に進化しています。だから軽やかでなめらか、ベタつきやぬるつきを感じるクリームはなくなりつつありますよね。
安倍 サイエンスや成分のことはよくわからないから、テクスチャーが好き、香りが好みとか、感覚で選んでいるかたも多い印象です。
神崎 今、改めて思ったんですが、これまでエイジングケア市場をリードするクリームは大きく「情緒系」と「理系」に分かれていたように思います。感性に振りきったものも「理系」もあって、でもそのどちらもが驚くほど進化。今季、3人全員がうなったコスメデコルテやクレ・ド・ポー ボーテは、この両方がバランスよく融合。理論は好きだけどどんな肌になれるのか、わかりやすいのが好きというかたにも刺さると思います。
安倍 最近は肌解析技術も進化していて、何がダメージの要因なのか、どうエイジングが進むのか予測できるように。ランコムの生物学的肌解析デバイス「セル バイオプリント」のように自分の肌を可視化したうえで最適解を選べたら、エイジングなんて逆転できそうな気がします。
貴子 自分でエイジングをマネジメントできる時代がきているので、肌悩みすべてを一品で解決してくれるクリームを使わない手はないと思います。クリームは肌との親和性を実感しやすいアイテムですから。
神崎 心の充足感も期待できます。
安倍 ほんと、同感です!
撮影/岡本 俊 ヘア/工藤由佳(Un ami omotesando/神崎さん) ヘア&メイク/金澤美保(MAKEUPBOX/安倍さん、貴子先生〈ヘアのみ〉) スタイリスト/黒崎 彩(Linx) 取材・原文/安倍佐和子 ※エクラ2026年11月号掲載