人気韓国ドラマのセリフやタイトルに注目し、ドラマ鑑賞がもっと楽しくなる豆知識をご紹介。今年、放送10周年を迎えた大ヒットドラマ『雲が描いた月明かり』。パク・ボゴムが演じた王世子イ・ヨンの珠玉の胸キュンセリフを振り返ります。
『雲が描いた月明り』
Licensed by KBS Media Ltd. © Love in Moonlight SPC All rights reserved/U-NEXTにて独占配信中
パク・ボゴムがツンデレ王子役で時代劇に初挑戦し、韓国で最高視聴率23.3%を記録したシンデレラ・ラブコメディ。当時17歳だったキム・ユジョンが、幼い頃から男装をして生きてきたヒロイン・ラオンを演じ、名子役から本格派俳優へとステップアップした作品としても知られています。
あらすじ
恋愛相談家として生計を立てる男装の少女・サムノムことラオン(キム・ユジョン)。ある日彼女は、代筆を頼まれて恋文を送った相手と会うことになるが、現れたのは王世子(セジャ:日本でいう皇太子にあたる)であるヨン(パク・ボゴム)だった。そうとも知らず、ラオンはヨンを落とし穴に置き去りにしてしまい…。
このフレーズに注目!
「넌 내 세상을 가득 채운 라온이니라.」(そなたは余の世界を満たす“楽しさ”だ)
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今からちょうど10年前の2016年が「韓ドラ豊作の年」と言われていることをご存知ですか? まずは、主要キャスト4人が再集結した特別番組『トッケビ10周年旅行~一緒にいるから輝く時間~』が制作された『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』。このほかにも『太陽の末裔 Love Under The Sun』『シグナル』『浪漫ドクター キム・サブ』シーズン1といった人気作が続々と誕生した年でした。
今回取り上げる『雲が描いた月明り』も、2016年を代表する大ヒット作のひとつ。同名のWEB漫画を原作に、『太陽の末裔~』のペク・サンフン監督が演出を手掛け、この年のKBS演技大賞で最多8冠を達成。こうして振り返ると、ペク監督は1年間に2本も大ヒット作を生み出していたわけですね。恐るべし。ちなみに、共同で演出を担当したキム・ソンユンPDは、後に『梨泰院クラス』『プロボノ: アナタの正義救います!』を手掛けています。
「クルミシンドローム」と呼ばれる社会現象を巻き起こし、辛口で知られる韓国のドラマファンの間で今なお語り継がれる名作となった『雲が描いた月明り』。今年放送10周年を迎え、韓国では特別番組『雲が再び描いた月明り』が制作され、ファッション誌でも特集が組まれるなど、再び注目を集めているのです。
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ある理由でサムノムと名乗り男として生きているラオンは、借金返済のために宮中に仕える内官(男の役人)として働くことに。ラオンが仕えることになったのは、数日前に落とし穴に突き落としてしまった青年ヨンで、なんと彼は王世子だったという展開。一方で、ラオンが女性だと知らないヨンは、“最悪の出会い”の報復としてラオンを自身の近くに置きますが、次第にその天真爛漫さに惹かれていき……。
「この胸の高鳴りはなんだ!?」「もしかして俺は男色なのか!?」と複雑な感情に混乱するヨンと、ヨンに惹かれていても正体を明かすことができないラオン。いつバレてしまうのかというドキドキと、早くバレて結ばれてほしい! という願いが交錯。同時に“男装ヒロインもの”のお約束の展開にニヤニヤしたり、切なさに胸がギュッと締めつけられたり……。本作が地上波初主演だったパク・ボゴム&キム・ユジョンのカップルが爽やかでみずみずしく、ときめきの嵐なわけです。
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そして、B1A4出身のジニョンが演じる“二番手男子”ユンソンがまた伝説級に素敵でして。
ヨンとは幼なじみでありながら、ヨンと対立する重臣の孫という複雑な立場のユンソン。ラオンが女性であることにいち早く気づき、そのことを周囲にはもちろん、ラオンにも言わずにそっと見守り、ラオンがピンチに陥った時はさりげなく救ってくれる。スマートで、上品で、ちょっとキザ。友情と恋、そして家門の板挟みになりながらも、一途にラオンを思い続けるユンソンに心を打たれる視聴者が続出しました。ラオンを見つめる眼差しが切なければ切ないほど輝くのですよ、ユンソンが。皆さまはヨン派とユンソン派、どちらでしょうか。
10年経っても色褪せないラストシーン
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さて、今回紹介しますのは、紆余曲折を経て王になったヨンが、ラオンとコスモスが咲き乱れる花畑を並んで歩くラストシーン。ラオンは、ヨンをモデルにした『雲が描いた月明かり』という小説を書き上げていました。「王様が創る世界をほんの少しのぞき見しただけです」と話すラオンに、ヨンは「では、そなたは誰だ?」と尋ねます。
ラオンは「王様が創る国のひとりめの民ですか?」「なぜか内官の姿で現れた愛しい人でしょうか?」と答えますが、どれも違うというヨン。「ならば私は誰ですか?」と問うラオンに「넌 내 세상을 가득 채운 라온이니라.(そなたは余の世界を満たす“楽しさ”だ)」と言って、キスをします。
ヨンの言葉をよく聞くと、「“楽しさ”だ」の部分が「ラオン」という単語であることに気づくはず。ヒロインの名前である「라온(ラオン)」とは、「楽しい」という意味の韓国の古語「랍다(ラプタ)」の活用形にあたり、ヨンの世界を満たす楽しさ=ラオンの存在だということなんですね。
ラオンへの深い愛がにじみ出るヨンの告白と、コスモスに囲まれた迫力満点かつ幻想的な映像美は、胸キュンを超えて感涙レベル。視聴者の「これが見たかった!」を最高の形でかなえてくれた、韓ドラ史上に残る名ラストシーンとして語り継がれています。
ラストにたどり着くまでの見どころ満載の道のりは、ぜひその目でご確認くださいませ。今見ても色褪せないストーリーに感動し、「昨日撮影した」と言われても信じてしまうほど変わらないパク・ボゴムの美貌に驚きますよ。
K-POPアイドル、俳優にインタビューを行うフリーランスライター。学生時代からライターとして活動、韓国在住経験もあり。
この連載では、韓国ドラマのセリフやタイトルに注目し、ドラマ鑑賞がもっと楽しくなる豆知識をご紹介。韓国語能力試験(TOPIK)の最上級である6級を取得したライター・轟友貴が、独自の視点でお届けします。