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古都・奈良を旅するなら、観光だけでなくホテル選びにもこだわりたい。歴史ある街並みや自然に囲まれたラグジュアリーホテルから、奈良ならではの個性が光る宿まで、今泊まりたいホテルを厳選。大人の奈良旅をより豊かにしてくれる、魅力あふれる8軒をご紹介します。
※本記事の内容は、取材時点の情報になります。最新情報につきましては、直接各施設までお問い合わせください
紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良
奈良公園内にある、天然温泉つきの宿
「新しく、立地もよく、歴史的建造物の趣も楽しめるので、今のところは奈良で一番好きなホテルです。温泉風呂つきのお部屋がおすすめ」(菅野さん)。伝統と現代が上手に調和した、奈良ラグジュアリーの新しい滞在のかたち。
平均約46㎡からのゆったりとしたつくりの客室。全43室のうち、23室は温泉風呂つき
「夕刻にお庭を見ながらのシャンパンフリーフローのサービスが好きです」(菅野さん)
目の前にミシュランレストランもあり、場所柄、早朝や夜の散策もしやすく、旅がラクに楽しめる
Data
奈良県奈良市登大路町62
☎︎0742・93・6511
公式サイト
推薦人:ファッションエディター 菅野麻子さん
主にモード誌、カタログなどで活躍。’22年、奈良の煎茶道美風流に入門し、T JAPAN webにて「菅野麻子の奈良の通い路 和稽古ことはじめ」を連載したことも。大の旅好き。 ※エクラ2026年5月号掲載
JWマリオット・ホテル奈良
奈良初のインターナショナルブランドホテル
日韓首脳会談でも使用されたホテル。「朝食のビュッフェは、品数も見た目も気分が上がります」(菅野さん)。毎朝のヨガ体験など、マインドフルネスプログラムも充実。
158室の客室には天然素材を多く用い居心地のよさと安らぎを演出
オールデイダイニング「シルクロード」
美しいロビーで心身ともくつろげる
Data
奈良県奈良市三条大路1の1の1
☎0742・36・6000
公式サイト
推薦人:ファッションエディター 菅野麻子さん
主にモード誌、カタログなどで活躍。’22年、奈良の煎茶道美風流に入門し、T JAPAN webにて「菅野麻子の奈良の通い路 和稽古ことはじめ」を連載したことも。大の旅好き。 ※エクラ2026年5月号掲載
NOVOTEL NARA
ひとり旅にもおすすめ。使い勝手&クオリティともに高評価
「専用エレベーターでアクセスできる大浴場があり、ウェルネスエリアの最新マッサージチェアも最高。コスパは今、奈良イチなのでは」(菅野さん)。
大浴場やジムと同じ2階にある、ウェルネスラウンジ。心地よい椅子やソファで、お風呂後やディナー前など、ゆったりと
余裕のあるつくりの客室
Data
奈良県奈良市大宮町7の1の45
☎0742・32・3020
公式サイト
推薦人:ファッションエディター 菅野麻子さん
主にモード誌、カタログなどで活躍。’22年、奈良の煎茶道美風流に入門し、T JAPAN webにて「菅野麻子の奈良の通い路 和稽古ことはじめ」を連載したことも。大の旅好き。 ※エクラ2026年5月号掲載
VILLA COMMUNICO(ヴィラ コムニコ)
若草山のふもとの薪火ガストロノミー
今、フーディたちが目ざすオーベルジュ
シェフ堀田大樹さんはイタリアで修業後、京都や奈良のレストランで経験を積み、’18
年、奈良・東生駒に「コムニコ」を開店。奈良の文化や歴史を伝えるローカルガストロノミーは人気を呼び、遠方から訪れるゲストも増えていった。「帰りの時間を気にしながら料理を提供し、食べてもらうことは、ゲストにとっても私にとってもストレスに感じて」と’24年、目の前に若草山が広がる奈良公園内にヴィラをオープンした。若草山の山焼きや東大寺二月堂のお水取りなど、ヴィラ周辺の火にまつわる神事に着想を得て、主な熱源は薪火に。蒸したり、揚げ焼きにしたり、使い方も多彩だ。堀田シェフの料理はボーダレスで、一見斬新に見えるが、素材のポテンシャルを引き出し、食べるとスーッと体にしみわたる。「レストランから出たあとも同じ世界観を感じ、客室に戻ってからも余韻に浸ってもらいたい」と、ヴィラ全体の空間づくりも堀田シェフが監修。左官仕上げの美しい土壁で統一された館内も美しく、非日常へエスケープできる。
奈良県で生まれ育ち、奈良愛あふれる堀田シェフ
店内には薪窯を備えた作業台が設けられ、照明を落とした空間は舞台のように目をひく
目の前は若草山。ガラス窓の向こうには日なたぼっこする鹿の姿も
もとは土産物店だった建物を外観だけ残し改装。唯一改装前の和の趣(おもむき)が残るラウンジ
客室は全5室
発酵・熟成食品が並ぶ棚
Data
奈良県奈良市雑司町486の5
☎050・3176・1787
1室2名利用1泊2食つき
1名¥67,000 〜
公式サイト
登大路ホテル
世界遺産の興福寺に隣接する
『登大路(のぼりおおじ)ホテル』の客室は1室を除き、すべて興福寺に面している。スイートルームからは現存する八角円堂のうち、最も美しいと賞賛される国宝、北円堂を望むことができる
静かな都に芽吹く、スモールラグジュアリーな宿
近鉄奈良駅から徒歩3分という好立地ながら、興福寺の旧境内にあり、静謐(せいひつ)な時間が流れるホテル。客室数は全13室と少なく、’08年のオープン時は会員制だったその当時の空気感が今なお残り、ひそやかな贅沢さを醸し出している。’22年には食、音楽、歴史をコンセプトにリニューアル。レストランではクラシカルな技術を大切に、素材やソースの組み合わせの妙を楽しめるフランス料理を堪能。食後は、創業時の面影を色濃く感じるオーセンティックなバーでお酒を楽しんだり、最上級の音響設備を備えたサロンでくつろいだり。客室の窓の外には興福寺の境内が広がり、ホテルに面する奈良公園の朝散歩も気持ちよく、悠久の歴史に思いを馳せることができる。
興福寺の常緑樹が間近に迫るデラックスルーム
アペリティフを楽しんだり、宿泊者専用のサロンからもお酒を注文できるバー
昼は地元のマダムでにぎわうレストラン
Data
奈良県奈良市登大路町40の1
☎0120・995・546
公式サイト
撮影/高見尊裕 取材・原文/天野準子 ※エクラ2026年5月号掲載
翠門亭
まるで別邸のような一日1組の一棟貸し
1923年、実業家の邸宅として建てられ、近年は長らく手つかずとなり朽ちかけていた数寄屋造りの建物を、地元の北条工務店が、インテリアデザイナーの片山正通氏とともに再生。’22年より一日1組の宿として蘇った。古民家をただ再生するだけでなく、100年先にも伝統を感じてもらえるように新しい提案が随所に。客室は数寄屋造りの美しさを生かしつつ、大胆な吹き抜けを設け、ジャパニーズモダンを牽引してきた前川國男や剣持勇、イサムノグチなど、巨匠の名品が配されている。さらにホンマタカシをはじめとした、現代のアーティストの作品を飾り、生活の豊かさを体感できる空間に。キッチンでは簡単な調理もでき、客室棟の隣にはレストランも併設されていて、おこもりステイを満喫できる。
一棟貸し切りのプライベート空間。1階にはキッチンとリビングダイニング、2階にはベッドルームとバスルームがある
1階も2階も一面ガラス張り。苔むす庭が美しい
ライブラリーを備えたラウンジ。木〜日曜のランチとディナータイムは、レストラン営業もあり、ビジターも利用できる。坂倉準三のテーブルや剣持勇の椅子など、館内の家具はレプリカではなく、すべてオリジナル
ラウンジや庭、別棟のギャラリーを使い、イベントやポップアップショップも行われている
Data
奈良県奈良市高畑町775
☎0742・25・2775
公式サイト
撮影/伊藤 信 取材・原文/天野準子 ※エクラ2026年5月号掲載
cofunia
古墳の懐に、古代へ開かれた小さな宿
日本最古の古道ともいわれ、奈良ならではの風情あるトレッキングができると人気が高い“山の辺の道”。その道沿いにある西山塚古墳のふもとにあった古民家を、今の感性で軽やかに改装した宿がこちら。
古代思想の五行と五感をテーマに再生された4つの宿泊棟。そこには凛とした空気と遊び心が心地よく共存する。洞窟のような空間や木や土を基調にしたインテリアが日常の緊張をそっと解きほぐし、穏やかな景色とともに心身を整えてくれる。
夜の楽しみは季節ごとに内容が替わる薬膳鍋。大和当帰をはじめとする薬草や地元の野菜、滋味深いだしを組み合わせた、奈良の風土を映す味わいだ。観光の拠点というより、奈良旅の目的にしたくなる宿である。
古墳の土を混ぜて仕上げた壁に包まれた、地下の洞窟のような客室。土の棟「つち」
6世紀前半に築造された前方後円墳のふもとにたたずむ、4組だけの小さな宿
五感で味わう滋養あふれる料理と庭を楽しめるレストラン「火の棟」
「つち」の寝室。古墳の墳丘を望む
日本最古の道ともいわれる山の辺の道沿い。墳丘に上がると奈良盆地を一望できる
Data
奈良県天理市萱生町1021
☎0743・20・6393
公式サイト
取材・原文/西村晶子 ※エクラ2026年5月号掲載
星のや奈良監獄
旧監獄の歴史的遺産を現代に蘇らせた優雅なホテル
赤レンガ造りの塔と左右に続く長い壁。見事な細工の鉄扉が開かれ、アーチ型のエントランスから中に入ると、そこには別世界が広がっている。6月25日に開業した『星のや奈良監獄』は、国の重要文化財に指定されている旧奈良監獄の建築と歴史に、現代のラグジュアリーホテルに必要とされる快適さと美意識とを絶妙に融合させた、唯一無二のヘリテージホテルだ。
1908年に明治五大監獄のひとつとして誕生し、’17年まで更生教育施設として利用されていた旧奈良監獄は、中央看守所から舎房が放射状にのびる「ハヴィランド・システム」建築が特徴。5棟の分房監(収容棟)のうち4棟をホテルの宿泊棟として活用し、1棟は「奈良監獄ミュージアム by 星野リゾート」の保存棟となっている。
かつての舎房の9室から11室をつなぎ合わせた客室は、すべてスイートルーム。小さな扉をくぐって入る客室は、レンガ壁やアーチ状のヴォールト天井を残しつつ、天然木を巧みに用いた居心地のよい空間だ。広々としたメインラウンジは、ヨーロッパ製の家具を配した落ち着いた空間。お茶を楽しみながら備えつけの本を手に、ゆったり気ままにくつろげる。
宿泊者は、専用のアプローチから滞在中何度でも「奈良監獄ミュージアム by星野リゾート」に足を運ぶことができる。ホテルでは歴史ある建物を愛(め)でながら優雅な時間を過ごし、ミュージアムでは知的好奇心に満たされ「自由」の価値について考える機会にもなる。『星のや奈良監獄』での滞在は、ここだけでしか体験できない貴重な時間になるはずだ。
アーチ型の窓から連続するデザインを施したメインラウンジ
「中央看守所」からは、放射状に五方向に舎房がのびる。柔らかな照明に満ちた回廊が美しい
10の独居房をつなぎ合わせたスイートルーム「The 10-Cell(ザ・テンセル)」
独居房の扉は以前のままに保存。緑色のドアの手前から客室へと入る
ダイニングラウンジでアペリティフをいただいたら、中庭の白い散策路をたどり、かつて拘置監だったレンガ造りの建物でディナーをいただく
荘厳なレンガ造りの「表門」から入ると、メインアプローチを経てラウンジや客室を備えたホテル棟へ。壁の内部には約10万㎡もの敷地が広がる
奈良県奈良市般若寺町18
☎050・3134・8091(星のや総合予約)
※「奈良監獄ミュージアム by星野リゾート」を併設
公式サイト
text:Michiyo Tsubota ※エクラ2026年10月号掲載