思い立ったら気ままにフラッと立ち寄れる「京都、ひとりでも行く店」

思いたったら、気ままにフラッと。京都にはひとりでも楽しめるお店が充実! 京都通・食通たちのひそかな楽しみでもある“ひとりでも行く”とっておきのお店をお教えします。

手間をかけた料理を、昼は定食、夜は一品で「和食と和酒 美碧(みどり)」

栗原 友さん(料理家)

「鯖寿司とにゅうめんのセットは、開店前から並んででも食べたいランチ。ここで炭水化物を注入すれば午後の仕事もがんばれます」

昼の鯖寿司と蒸し鶏入りおろしそうめん。10月からはにゅうめんに。煮卵までつく充実の定食¥1,000
京都・城陽産のいちじくを焼いた「いちじくの玉味噌あんかけ」はひとり客なら半分の量に。¥900(ともに税込)
’12年にオープン。飲んで食べてひとり¥5,000が目安
店主の福田竹志さんは『和久傳』出身。カジュアルな空間ながら仕事ぶりはていねいですっぽんなどの高級食材も扱う

 寺町の電気街のビル2階にある、居酒屋以上、割烹未満のお店。カジュアルな雰囲気の中、昼はハイクオリティのセットメニュー、夜は素材厳選の一品料理を楽しめる。
 京都の鯖寿司は店や家ごとの味があるが、こちらのは身厚の鯖と醤油風味の寿司めしののり巻き風。ランチでは、にゅうめんと煮卵がつく定食にして供される。にゅうめんは月や季節で内容を替え、残暑が厳しい9月は冷たいおろしそうめんに。
 一方、夜は一品がおよそ70種類。お酒のつまみや刺身から締めのごはんまで選べる幅を広げ、ハシリ、旬、名残の素材を、いじりすぎず、ほどよく提供。ひとりとわかればポーションも少なめに対応してくれ、店主の福田さんにゆだねればその日の一番の美味が味わえる。

和食と和酒 美碧(みどり)
京都市下京区寺町通仏光寺下ル恵美須之町528えびすテラス2F
12:00~13:30(LO)、18:00~23:00(LO)
㊡水曜、第4火曜
カウンター8席、テーブル12席
※昼は予約不可、夜は予約がベター カード不可
昼の定食¥850 ~(税込)、夜は一品料理のほかコース¥5,400(前日までに要予約、税込)
075·343·5345

旬の食材に若い感性を添えたアラカルト「実伶」

青山有紀さん(料理家)

「一品一品ていねいに作られていて、メニューも充実。リラックスできる雰囲気が大好きで、さらにコスパもいいです」

大半のお客がオーダーする「からすみチーズ」¥2,400。 カラスミの塩け、クリームチーズのコク、板麩の食感のバランスが絶妙
すっぽんと松茸、焼きねぎ、九条ねぎをたっぷりのスープで味わう「丸松鍋」¥3,000
「穴子と蓮根餅の揚げだし」¥1,500。 味や量の調整も対応
調理のライブ感も楽しめるカウンター
好みにこまやかに対応する主人の中尾さ
地下鉄丸太町駅から徒歩約3分

 オープンして2年の間に着々と単品メニューを進化させ、評判を上げてきた板前割烹。「カウンターの奥行きが広めで、接客も心地よく、ひとりでもリラックスして食事を楽しめます」(青山さん)。
 お客の9割が一品料理をリクエストし、そのメニューの数はおよそ50種類。ほとんどの料理が注文を受けてから作るため、その間は主人の中尾雄三さんやスタッフと会話をしたり、調理の行程を眺めて楽しんだり、とひとりでも決して退屈することはない。
 料理はシンプルを基本とし、絶対においしいと思う究極の素材を組み合わせ、味つけや量は様子を見て調整するなど、板前割烹ならではの柔軟な対応がされる。カラスミとチーズ、すっぽんと松茸、穴子と蓮根餅など、この秋も目ざしたい味が目白押しだ。

実伶
京都市中京区竹屋町通室町東入ル亀屋町143の2
17:00 ~ 22:30
㊡水曜
カウンター8席、個室1室(2 ~ 5名)
※予約がベター 一品料理のほか、コース¥10,000 ~(当日の午前中までに要予約)
075·251·2007

旅の始まりと終わりに立ち寄りたい駅近の人気店「燕 en」

副編M山

「定番の和食とひねりのきいた料理の両方がそろうメニュー構成。新幹線の改札まで徒歩3分なので、時間ギリギリまで楽しめます」

いちじくとクルミ味噌¥600。ひとりの場合は半分の量にしてくれる
秋のきのこやささがきごぼう、ねぎの野菜も美味な「すき焼き」¥2,400、松茸入り¥4,000前後(時価)
脂がのる身厚の秋鯖で作る「鯖寿司」2貫で¥800 
居酒屋以上、割烹未満の使い勝手のよいお店
その日おすすめの素材やメニューが書かれた黒板は要チェック 
ツバメの絵が描かれた看板のみの控えめなたたずまい

「夜遅くに京都入りしたときや、東京に戻る前に立ち寄るお店です。一品で、しかも量を調整してくれるのでひとりごはんに最適」(副編M山) 店主の田中義人さんは、年は若いが、『京都和久傳』で5年修業を積み、ニューヨークの精進料理店『Kajitsu』の立ち上げに副料理長としてかかわったキャリアの持ち主。メニューにもその経験から得た技や発想が生かされ、定番の料理にもひと工夫が光る。
 例えば、いちじくにかかる味噌はクルミで香ばしさと食感の楽しさを添える。鯖寿司の鯖は、酢と塩の量や締める時間をこまやかに加減し、寿司めしは昆布だしで炊いた醤油風味に。常におく牛肉も、松茸が入荷すると小鍋ですき焼きにし、長いもとろろが添えられる。女性スタッフの気遣いも行き届き、ひとり客も肩肘張らずほっこり和める。

燕 en
京都市南区東九条西山王町15の2
17:30~22:00(入店)
㊡日曜(3連休の場合は月曜休)
カウンター10席、テーブル 2席
※予約がベター カード不可
一品料理あり、4名以上の場合はコースのみ¥8,000~(要予約)
075·691·8155

居酒屋のような気軽さで割烹の美味を満喫「割烹 蛸八」

北村美香さん(ライター)

「和食はいろいろ行きましたが、最近京都に行くたびに訪れるお店です。その季節のものを、その素材に一番合う調理法で料理してくれます」

うろこが立たないようにじっくり焼き上げた「ぐじ焼き」¥2,400(時価)
酒飲みの心をつかむ「生ずし」¥900
宇治の京鴨で作った「かもロース」¥1,200。いずれも奇をてらわない先代からの味
ふらりと立ち寄れる居酒屋の気軽さで、旬の美味が楽しめる割烹
「おやじを追いかけているだけ」と語る主人の掛谷さん
白暖簾が目印。蛸薬師の蛸と末広がりの八を合わせて『蛸八』と命名

 昭和54年に板前割烹として創業。名割烹として一世を風靡した『河繁』で修業を積んだ先代の仕事を息子の掛谷浩貴さんが継ぎ、店を守っている。内装もメニューも昔のままで、店内は昭和にタイムスリップしたような雰囲気。昔はほとんど地元のお客だったが、最近は観光客も増え、ふらりと立ち寄るひとり客も少なくない。
 「季節のものを素材に合う調理法で料理してくださり、凝りすぎず、あまり“美食すぎない”のも通いたくなるポイントですね」(北村さん)。壁にかかる品書きにはほぼ素材が記されているだけで、鱧、ぐじ、鯛、かしわなど、京都らしい食材が中心。それを食べたい料理に調理してくれ、鱧ならば目の前で骨切りをして炙りや落とし、かしわはから揚げか塩焼きに、といたってシンプル。古きよき割烹の味が堪能できる。

割烹 蛸八
京都市中京区蛸薬師通新京極西入ル東側町498の5
18:00 ~ 23:00
㊡日曜
カウンター11席
※予約がベター カード不可 一品料理のみ
075·231·2995

撮影/内藤貞保 伊藤信 福森クニヒロ イラスト/太田百々瀬 取材・文/西村晶子 ※エクラ10月号掲載

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