美味しいもの好きは今、岡山に! 瀬戸内海に面した山海の幸の宝庫、岡山の食の五選

山海の幸はもちろん、農作物も豊富にして上質。そんな岡山を訪れる人が今、増えている。お目当ては料理、そしてその先にあるつくり手や美しい自然……。東京から新幹線で3時間あまり、関西からなら1時間。目ざす価値のある「岡山の食」をeclat 3月号でご紹介。

1.Ristorante CIELO

大地に根づく骨太イタリアン

【ジビエ、野菜、ハーブ……。自分たちでとり、育て、作る】
「自然の中で料理を作るのが夢だった」というシェフの坂東友也さんは大阪出身。関西屈指のイタリア料理店『ポンテベッキオ』やその系列店などで研鑽を積み、12年前に奥さまの右子さんの実家がある津山に移住、店を始めた。「熱心な生産者が多く、食材は鮮度がよく、味の濃いものばかり。地元の人たちと知り合いになるうちに、いろいろな知識と経験を得、ネットワークもできました。今は野菜やハーブは自分たちの畑でも作っていて、それを収穫して料理にしています。春は山菜、夏は鮎、秋はきのこ、冬はジビエ、と季節ごとに特徴ある食材が手に入るのもここならでは」と坂東さん。
以前は同市内の船宿だった建物を改装して営業していたが、猟師の資格をとって、’11年、狩猟区でもある自然豊かな今の地に移転。料理と狩猟は坂東さん、畑の世話とサービスは右子さんが担当し、地産地消のもてなしがされる。2月いっぱいは自身が仕留めたキジバトなどのジビエを食べごろの野菜やフルーツとともに供し、津山の風土に根づく美味を存分に楽しませてくれる。

美味しいもの好きは今、岡山に! 瀬戸内海の画像_1

のどかな田園風景が一望でき、晴れた日は鳥取県との県境に位置する那岐(なぎ)山麓まで見渡せる。1〜2月は雪景色になることも。

素材の滋味が感じられる料理。ジビエと野菜を味わってもらいたい

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新見市でワインを作っている『コルトラーダ』の二条大麦のビアンコマンジャーレと『小島梨園』の梨のマリネ、つやま生姜とハチミツのジェラートの盛り合わせ¥700。

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シェフが仕留めたキジバトのロースト・サルーミソース・もち麦のリゾット添え¥3,200。写真の料理は¥5,400のランチでもいただける。

岡山県津山市高野山西2230の3 ☎0868・26・1600 11:30~14:00(LO)、18:00~21:00(LO) ㊡月曜 要予約 昼はコース¥1,510~、夜はコース¥3,780~(ともに税込)

2.Ristorante Matsumura

地元のものを余すことなく味わう

【北イタリアを彷彿させる地産地消のレストラン】
かつて大阪の街中でお店を営んでいたが、畑仕事をやりながら料理ができる、自然のある暮らしを求めて、7年前に岡山市の郊外に移り住んだ松村和彦さんと奥さまのかおりさん。岡山市街から車でおよそ40分。ぶどう畑に囲まれた古い民家を3年かけて自分たちで改装し、レストランをオープン。3日前までの完全予約制で、3組のゲストを相手に腕をふるっている。訪れる客の半分は大阪時代からの常連や評判を聞きつけた県外からの食通たち。冬場のお目当ては、この土地のジビエだ。
「料理は大阪時代からずっと北イタリア料理。ジビエも出していましたが、自分で仕留めたものを使うようになってからは、処理の仕方や食べごろをより考えるようになりました。ほぼ自給自足なのでプレッシャーはありますが、できるかぎり近隣でとれる山と川の幸、自家製の素材を取り合わせ、作っています」。冬は自身が山に入って射止めたジビエがごく普通に食卓に並び、合わせる食材も同じ土地で育ったもの。野菜は自然農法で育て、松村さんが理想としてきた自然や風土を盛り込んだひと皿に仕立てている。
鹿や猪の生ハムやサラミ、チーズも自分で仕込み、都会にない景色と料理で胃と心を和ませてくれる。

一年を通じて、ほぼ自給自足。山と川の旬の素材が主役です

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個人宅の母屋を住まいにし、納屋をレストランに改装。

ジビエを食すとは風土を味わうこと。そのパワーをできるかぎり生かします

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¥8,800のコースから。手前は鴨胸肉のロースト、奥右は鴨脚肉に鴨のミンチとフォアグラを詰め、ロール状に焼いたもの。奥左は内臓のミンチを網脂で包んで焼いたハンバーグ。自畑の青トマトのジャムと、マルサラ酒と鴨の骨からとっただしで作ったソースとともに。ワインもイタリアのものを多くセレクト。

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粉と卵黄だけで作ったトルテローニの中はかぼちゃ。猪を代用した"モスタルデッレ(豚の血のサラミ)"で仕立てたソースと自家製チーズを添えた、ここでしか出会えないパスタ料理。

岡山県岡山市北区御津紙工2848 ☎086・737・4441 11:30~13:30(LO)、18:00~20:30(LO) 不定休 3日前までに要予約 昼のコース¥4,000~、夜のコース¥6,600~
(ともに税込)

3.domaine tetta

2016年に誕生した美しいワイナリー

【土地のテロワールを愛し、熟知する手で造るワイン】
ここ数年評価を高めている“日本ワイン”の中で注目を集めているワイナリーのひとつが、’16年秋、岡山県北西部に位置する新見市に誕生した『ドメーヌ テッタ』。「ドメーヌ」とはフランス語で自社畑のぶどうだけでワインを造るワイナリーのことで、地名の哲多町からテッタと名づけられた。車でのアクセスしかなく長距離移動を要するが、広大なぶどう畑を見れば誰もがその絶景に息をのむ。標高約400mの小高い丘一面に約1万4000本の木が植えられ、試験栽培のものまで入れると24品種とのこと。
「キーワードは日本ではまれな石灰岩土質と谷から吹く風。この土壌によってきっとポテンシャルの高いワインができると信じてやってきました」と語るのは新見市に生まれ育った創業者の高橋竜太さん。ワイナリーは岡山出身の世界的なインテリアデザイナーでワンダーウォール代表・片山正通さんがデザインし、ぶどう畑が一望できるショップ&カフェを併設。GW明けごろからワインの販売や試飲を予定しており、土地のテロワールを感じながら生まれたてのワインが楽しめる。

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ポップなイラストが描かれたラベルは平林奈緒美さんのデザイン。ワイナリーの守り神であるパンダのラベルのシャルドネは¥3,780(税込)。ファーストヴィンテージは16種類だったが、今年は増える予定。入手時期はGW以降に決まり、詳細はホームページで確認を。

土壌と風をキーワードにここにしかないワインを造りたい

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ワイナリーの1階にあるカフェからはガラス越しに醸造所の作業が見られる。

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ショップでは安芸クイーンなどのぶどう品種の干しぶどうを販売。1袋¥700(税込)~。

岡山県新見市哲多町矢戸3136 ☎0867・96・3658 11:00~16:00 ㊡月・火曜(祝日の場合は営業) 不定休のため事前確認を http://tetta.jp/

4.吉田牧場

根づくほどに広がる岡山の土地の可能性

【全国の料理人を虜にする日本のチーズの先駆け】
日本のチーズのパイオニアとして知られる『吉田牧場』は料理人をはじめ、チーズ好きの間で絶大な人気のフェルミエ。市街地から車で30分かかる立地ながら、県外からチーズを買い求めにやってくる人もいるほどだ。
岡山県生まれの吉田全作さんが牧場を始めたのは1984年のこと。廃業した牧場の跡地を見つけ、自力で家を建て、水を引き、創業。その後、ヨーロッパまで何度も足を運び、放牧酪農とチーズづくりを続け、この土地らしいチーズにたどりつく。「ここは山間部ながら雪が少ないので牛を通年放し飼いにできます。いろいろやってみたけど、この10年間で実感できたのは牛をいかにきちんと育てるかということ」
家族経営ゆえ生産量は限定されているが、長男の原野(げんや)さん夫妻が加わってからは少しずつ種類を増やし、今年は長女夫妻も移り住むとのこと。時間がとれるようになる全作さんは少し離れた地に小屋を建設し、パン作りを始め、周囲をぶどう畑にするのだという。滋賀県草津市にある精肉店『サカエヤ』にブラウンスイス牛を卸すようにもなり、挑戦と進化はとどまるところがない。

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チーズづくりを始めて30年を迎える吉田全作さん。近年はチーズのルーツであるアジアをめぐることをライフワークとし、岡山産ぶどうでワイン造りも始めた。

チーズは原料が大事。この土地らしい風味を大事にしたい

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右上から時計回りに、フレッシュ1個¥500、カチョカバロ・ラクレット・マジヤクリ・リコッタ 各100g ¥250~700、カマンベール1箱¥1,000。チーズは宅配も可能だが、すぐの対応ができないことも。

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創業以来、牛を替え、エサを替え、放牧のかたちをとるように。60頭余りのブラウンスイス牛がのびのびと育っている。

岡山県加賀郡吉備中央町上田東 2390の3 ☎0867・34・1189 11:00~15:00 不定休 事前に問い合わせを

5.山もと

岡山のテロワールを味わう

【一貫にこめられた名店譲りの仕事を堪能】
「瀬戸内海は静かで穏やかな海のイメージですが、潮流が速くてエサが豊富なので魚は身が締まって深い味わい。穏やかな県民性や気候とリンクする、優しいうま味があります」とはご主人の山本淳さん。岡山屈指の寿司の名店『魚正』の次男として生まれ、実家で修業ののち、’05年に店をオープン。岡山近海で揚がった魚をメインに20種類ほどのネタをそろえ、「岡山でしか味わえない寿司、価値のある寿司」にこだわっている。特に鰆と鯛には絶対の自信があり、大きさもだが厚みのあるものを選び、氷の冷蔵庫で食べごろになるまでねかしてうま味をしっかり引き出している。身が軟らかい鰆は分厚く切り、そのまま出したり、炙(あぶ)ってたたき風にしたり。鯛は小鯛もそろえ、軟らかな身と上品なうま味を昆布締めにして引き出している。
さらにひと仕事したネタもここならでは。時間をかけてゆっくり仕込んだ煮ダコ、炭火で焼いて一尾丸ごとにぎる穴子が続々登場。シャリは角のとれた酢かげんで、ネタに合わせてかぼすやすだち、レモンの酸味を加えるなど、ていねいな仕事が随所に光る。

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昼はいっせいスタートで15貫ほどが楽しめる。5月に現在の店の向かいに移転予定。

穏やかな県民性とリンクする優しいうま味の地魚が主役

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昆布締めにした小鯛。煮切り醤油を塗り、すだちを絞って。にぎりはネタによって手渡しで供される。

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にぎりでもお造りでも味わいたい、鯛と鰆。産卵を迎える前の寒鰆は脂がのり、たたきにしても美味。

岡山県岡山市北区弓之町12の6レジデンス弓之町1F ☎086・232・3900 12:00~14:00、18:00~22:00 ㊡日曜、祝日 要予約 昼のおまかせ¥5,500(税込)、夜のおまかせ¥13,000

撮影/内藤貞保 取材・文/西村晶子 協力/岡山県 岡山県観光連盟

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