50代の男と女の関係を描いた 大人の恋愛小説五選

今さら恋愛小説!? と決めつけるのはまだ早い。実は50代だからと男女関係に目を背けているだけかも。eclat3月号では、井上荒野さんと角田光代さんの作品からと、「迷」「溺」「決」「個」をキーワードに書評家・藤原香織さんと編集部が選んだ“男と女“の物語をご紹介。

『迷』

この人、と選んで決めたはずだけど、歳月がたてば気持ちも揺れる。どうする、どうなる私の人生!?
50代の男と女の関係を描いた 大人の恋愛小説五選_2_1
【読み進めていくうちに、自分を見つめ直すきっかけが!】
「不惑」と呼ばれる40歳を過ぎても、現実には迷いも悩みもつきない毎日。なのに年齢を重ねると、10代や20代のころのように、気安く誰かに相談するのもむずかしくなってくる。既婚、未婚、バツイチに事実婚。子供や仕事の有無などエクラ世代の立場はさまざま。立ち位置の違う友人に、込み入った話をするのは、どうにも気が重いもの。
 そんなとき頼りになるのが、いつでも、どこでも、ひとりでも没頭できる小説。年齢も性別もさまざまな人々の視点から描かれる『はだかんぼうたち』は、物事への新たな「見方」が現状打破のヒントに。あるある満載、和み度抜群のザ・バブル世代!な主人公の生き方を追った『ミチルさん、今日も上機嫌』は、明日の元気をチャージしてくれるはず。
 読書ならではのカウンセリング効果を、ぜひこの機会にお試しあれ!
『ミチルさん、今日も上機嫌』
原田ひ香 
集英社 ¥1,500
バブル時代を謳歌し、その余力で生きてきたものの、ふと気がつけば職なし男なしの45歳という現実に直面したミチルの人生奮闘記。同世代ならではの、痛痒さも愛おしい!

『わたしたちは銀のフォークと薬を手にして』
島本理生 
幻冬舎 ¥1,500
心優しい年上の男性・椎名さんがエイズキャリアだと知りながら、交際を始めた知世。日々に迷う4人の女子心を照らし出す連作短編集。知世の椎名さん評は、痛いほどしみる!

『それ自体が奇跡』
小野寺史宜 
講談社 ¥1,450
結婚3年目を迎え、決定的な「価値観の違い」に直面した夫婦の葛藤を双方の視点から描く。30歳も過ぎた夫が、本気で夢を追いかけたいといい出したら――あなたならどうする!?

『はだかんぼうたち』
江國香織 
角川文庫 ¥680
35歳の歯科医・桃と中学時代からの親友で4人の子をもつ響子を中心に、ふたりの家族、桃の9つ年下の恋人・鯖崎など多視点で綴られる群像小説。さまざまな恋愛・結婚観が読み解ける。

『政略結婚』
高殿 円 
KADOKAWA ¥1,500
幕末から明治、大正、昭和と激動の時代を背景に、女性3人の生き様を綴る大河ロマン。「家」のため、恋愛など許されなかった彼女たちが、自由を求めて立ち上がる姿に感動感服。

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