富岡佳子の「今、欲しい暮らしのモノ、コト」~睦月~

"春夏秋冬"のライフスタイルを提案する、富岡佳子さんの連載。「大晦日から元日へ、たった1日、日付が変わるだけなのに不思議と厳かで、真っさらな気持ちになります。あー日本人だなと、しみじみ思う瞬間です。10年以上、毎月1日のお朔日参りを欠かさず、夫は日々神棚に手を合わせる。そんなわが家にとっても、元日は大切な節目。クリスマスやハロウィーンは、あっさりすませることがあっても、お正月は違います」と、富岡さん。

お正月のしつらえ

富岡佳子の「今、欲しい暮らしのモノ、コト」~睦月~_1_1
家の空気を切り替え、改まった気持ちで年神様を迎えるために松飾りに、しめ縄飾り、花を生けて……としつらえていきます。とはいっても、和室があるわけでもありません。リビングやダイニングにも飾れ、部屋の空気を清らかにしてくれるような、お正月飾りがあればいいのにな、と思っていたところ、この「みたて」の十二支餅を教えていただきました。
富岡佳子の「今、欲しい暮らしのモノ、コト」~睦月~_1_2
なんでも、お正月に十二支のお餅を飾るという餅屋の習わしから生まれたのだとか。伝統とモダンさを兼ね備え、見た目が素敵なだけではなく、きちんとした謂れをもつ。なんとも厳かで、静謐で、思わず背すじが伸びる神々しい姿に、すっかり惹かれました。
実はお正月は、家族そろってまとまった休暇がとれる貴重な時期。なので、夫が大晦日の仕事を終え、元日を自宅で迎えて初詣に行ったあとは、南の島に出発するのが恒例です。旅先から自宅に戻り、この十二支餅や、凛とした生花が迎えてくれたなら、スッと気持ちも引き締まり、また一年がんばろうと思える。空気も人の心さえも清らかにしてくれる、お正月のしつらえにはそんな静かな強さを感じます。
一本一本を十二支に見立てて、束ねた藁に12個の餅をつけた、お正月飾りの十二支餅。藁は編み込み、束ねて古い帳簿で巻いている。三宝にのせて、松葉をあしらい、鏡餅がわりに飾っても。京都の花屋「みたて」(http://www.hanaya-mitate.com)では、ほかにもオリジナルのお正月飾りを受注販売。今年の申し込みは12月3日まで。十二支餅(高さ約22㎝)¥3,500・三宝(横15×高さ12㎝)¥2,500/みたて
富岡さん:ニット¥56,000/リーミルズ エージェンシー(ジョン スメドレー) ほか私物
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