「山ガール」がブームの兆しを見せはじめたころ、友人に誘われて山登りを始めたというのは、フォトグラファーの山下みどりさん。
「初めて出かけたのは奥多摩にある日の出山。ここのトレイルは下り基調なので気持ちよく歩けるうえ、つるつる温泉という立ち寄りスポットもあり、バスと電車で気軽にアクセスできます。『楽しい』『気持ちいい』だけを味わえるコースだったことが幸いし、以降、軽い気持ちでゆるトレッキングに出かけるように」
東京近郊のハイキングコースから丹沢や奥多摩への日帰り登山、そして南北アルプス3000m峰の縦走へ。装備、体力が充実する中で、山に一泊する楽しみを覚え、山ごはん、山晩酌の醍醐味を見出すようになる。
「泊まりで出かけるときは早朝から行動して午後早めに目的地に到着、早々に荷物をおろして晩酌の準備を始めます。360 度の大パノラマ、槍ヶ岳や鋸岳などの特徴的な山容、延々と連なる稜線の向こうに沈む夕日。眼前に広がる圧倒的な景色を肴に、焼酎やウイスキーなど自分の好みのお酒を飲む。このひと時は、山の上でしか体験できない喜び」
日帰り、縦走を合わせて年間十数本の山行を楽しむという山下さんも、シーズンの初めは低山のゆるトレッキングで体力づくりに取り組むという。このときのお楽しみもやっぱり、温泉や下山後の生ビールの一杯。そんなカジュアルな気分で出かける山歩きは、ビギナーも参考にできそうだ。