みつの もも●女性誌編集者を経て、ミラノ在住後、文筆活動に。近著に『白いシャツは、白髪になるまで待って』(幻冬舎)、『これからの私をつくる29の美しいこと』(講談社)、『中川原信一のあけび籠』序文(文藝春秋)、『おしゃれの幸福論』(KADOKAWA)など多数。
極上の癒しパワーとエネルギーを持つ「カラージュエリー」の力
誰もが漠然とした不安感や無力感を抱きがちな今こそ、時空を超えた美しき色の力に癒されたい。その不思議な力で、持つ人を時に優しく励まし、時に力強く導いてくれるカラージュエリーの魅力を伝える。

色の力を美しいリングで堪能して。2つのネオンブルーの石は、非常にレアなパライバトルマリン。大ぶりのオレンジのガーネットとトパーズは存在感あるビタミンカラー。左下はアクアマリンとペリドットの調和が美しい一本のリング。リング〈右上から時計回りに〉(Pt×パライバトルマリン×D)¥10,000,000・(Pt×ガーネット×イエローD×D)¥2,300,000・(Pt×ペリドット×アクアマリン)¥850,000・(Pt×パライバトルマリン×D)¥2,700,000・(Pt×トパーズ×D)¥1,900,000 /和光
神秘の癒し手 (文・光野桃)
ふと気がつくと、心が固まっていた。感情が動かない。表情筋がこわばっている。
ひとは生命の危機や解決できない強い不安に晒されたとき、心を固めて動かないようにし、日常の奥底にしまいこんで蓋を閉めてしまうらしい。そうして、傷つかないように自らを護るのだ。
けれどそれが長期間に及ぶと、いいことはひとつもない。
心も身体も適度にゆるんで、リラックスしていないと、質の良いエネルギーをチャージできない。お神輿が道中で大勢の担ぎ手の力によって揉まれ振られて、神様の力が活性化するように、わたしたちも、ときに美の前にただ立ちつくし、心震わせ、思い切りドキドキすることが必要不可欠なのだ。いわばおしゃれの「魂振(たまふ)り」である。
そう考えたとき、カラージュエリーが力をもつ。青、黄、赤、緑──それぞれの色に太古のいのちが息づいているからだ。
今年の春から夏にかけての、吸い込まれそうな青空の透明感。空の歓び、といったイメージのブルートパーズや、深海の世界を体現するかのようなアクアマリン。
滴り落ちる蜂蜜の甘い香りと輝くレモンイエローの光が、肌を瞬時に滑らかにみせてくれるレモンクォーツ。
燃え立つ炎の赤が、かつて情熱と官能の時代があったことを思い出させる艶やかな珊瑚(さんご)。
そして光を通さないマラカイトのマットなグリーンに、こっくりとした黒に近い影が映るとき、ドラマチックで強靭な美しさが立ち現れる。
カラージュエリーを身にまとうことは、石たちの故郷である大自然のなかを、ゆったりと旅することでもある。
大地や深海の不思議におどろき、ほとばしるマグマの熱を浴び、風のオーラに花のようにそよぎ、天体を巡る星々の音を聴く。
そしてなによりも、硬質で不死身の、鮮烈な色と光に慰められる。
ジュエリーの起源は呪術だが、さらに少し時代が下って中世になると、医薬品として用いられていたことが知られている。マルボドゥスという司教が11世紀に書いた『石について』という本には、宝石を浸した水を飲んだり、すりつぶして乳汁とともに塗布したりする用法が、六十種類も書かれている。
カラージュエリーは今の時代のわたしたちにとってもまた、神秘の癒し手なのだ。
参考文献『中世宝石賛歌と錬金術』
大槻真一郎著 澤元亙監修
’17年 コスモスライブラリー刊
エッセイスト 光野 桃
みつの もも●女性誌編集者を経て、ミラノ在住後、文筆活動に。近著に『白いシャツは、白髪になるまで待って』(幻冬舎)、『これからの私をつくる29の美しいこと』(講談社)、『中川原信一のあけび籠』序文(文藝春秋)、『おしゃれの幸福論』(KADOKAWA)など多数。
みつの もも●女性誌編集者を経て、ミラノ在住後、文筆活動に。近著に『白いシャツは、白髪になるまで待って』(幻冬舎)、『これからの私をつくる29の美しいこと』(講談社)、『中川原信一のあけび籠』序文(文藝春秋)、『おしゃれの幸福論』(KADOKAWA)など多数。
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